それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

「生きづらさ」が生じる背景として

2011-02-11 | いろいろ
 私が若かった頃と比べると現代は、仕事において、あるいは就職活動や大学などの入学試験に際して、自己アピール、セールストーク、自己演出などが求められる時代になりました。その背景には産業構造の変化、言い換えると、商業・サービス業の比重が高まり、直接的な生産よりも営業、接客、広報、管理といった職種に就く方がふえたこともあると思われます。また、「売れる」どうかが商品の評価基準になるのと同じように「人気がある」かどうかが人の評価基準になるような社会風潮も感じられます。こうした社会のあり方の中では、たとえば控えめ、内気、内向的なタイプの方は不利な立場におかれやすく、また「生きづらさ」も感じやすいのではと思います。
 私は今から十数年前に不登校や高校中退の子の居場所の運営を始めました。(今はボランティアの方に運営をお任せしています。)子どもたちが学校に行けなくなる原因としては、「いじめ」のほかに「友だちとの人間関係で精神的に疲れる」というケースが多く見られました。今は学校だけでなく職場にも「職場いじめ」あるいはパワハラが広がっています。また、成果主義の導入、競争原理の強調などによって、同じ職場で働く者どうしの連帯感も薄れてきているのではと思います。さらに、人件費削減のためひとりひとりの労働の内容や時間が過重になっていることも推測されます。現在の職場のこうした状況を背景として、働き続けることに困難を感じる方、働く自信を失って「ひきこもり」の状態になる方がふえているように思います。