この事件は日本ではまだあまり拡散してないようだ。
4月7日、ヤフーで軽く扱われている。
これはその後も炎上が進み、今やアメリカの政局や文化的環境をもひっくり返すほどの騒ぎになっている。
そもそものきっかけは、バドワイザーで有名なアンハイザー・ブッシュ社が広告宣伝のために著名なトランスジェンダーのインフルエンサーであるディラン・マルベイニーを起用したことにある。
そのコマーシャル映像だけを切り取りたかったが、なかなか手に入らないので、こちらの動画の中でアップされているものをどうぞ。タイムスタンプ 0.53 のあたりで見られます。
Calls to Boycott Bud Light Grow After New Commercial with Dylan Mulvaney | DM CLIPS | Rubin Report
これだけでも十分炎上しそうだが、このコマーシャルを企画したアンハイザー・ブッシュ社のマーケティング責任者の映像がリークし、この2つの映像の合せ技でバドライトのヘビーユーザの怒りを買い、全米規模のボイコットに発展した。
その動画がこちら。これも単独のオリジナル映像がもう手に入らないので、これを取り上げた報道から入手した。
この中でマーケティング責任者のAlissa Gordon Heinerscheid氏は次のように述べている。
"Bud Lite had been kind of a brand of fratty, kind of out-of-touch humor, and it was really important that we had another approach."
「バドライトはこれまで、なんていうのかしら、一種、大学の寄宿舎で馬鹿騒ぎをする学生とか、現実から遊離したイケてない連中とか、そんなイメージのブランドだったわ。だからこれまでと違うアプローチを取ることがとにかく重要だったの。」
キーワードは "fratty" と "out of touch" だ。
前者は fraternity (大学の寄宿舎)から来た俗語で、寄宿舎でわいわい騒ぐ能天気な学生たちを形容する言葉で、後者は現実離れした連中を指していて、英辞郎のこちらの解説がぴったりだ。
1. 〔価値観などの点で〕若者[新しい]世代と隔絶[断絶]している、若い世代の感覚[考え方・気持ち]が分かって[を理解できて]いない
(出典:https://eow.alc.co.jp/search?q=out+of+touch)
バドライトはアメリカの中間層を構成し、いわゆる essential work などにも従事する多くの人たちが仕事終わりに寛ぐために飲むビールとして圧倒的な人気を得ていた。
その長年の貴重な、忠実なファンを、「馬鹿騒ぎする、現実が理解できない連中」呼ばわりしたのだから、彼らが逆上するのも頷ける。
そこでこんな反応が。
この Kid Rock という方はアメリカでは有名なロック歌手らしい。
こんな映像も。タイムスタンプで 1:11 のあたりです。
Brantley Gilbert SMASHES Bud Light on Stage After Someone Tossed Him One
こちらはカントリーミュージックの著名な歌手らしいです。
今やバドライトのみならず、アンハイザー・ブッシュ社の全製品がボイコットの対象となり始めている。
これまでトランスジェンダーとか、LGBTとか、その手の social justice warriors がマスコミや果は企業まで牛耳っていた。これに対する根強い反感がおそらくアメリカの保守層や、普通の人々の中にあったのだろう。しかしそれを表に出すことは、場合によっては自分たちの社会人生命が絶たれる沙汰にも発展しかねないので、tacit、つまり黙っていたのだろう。
そのマグマがたまりにたまって、「もううんざりだ。いいかげんにしろ」、と今回大爆発したのだと思う。
そして言葉で自分の考えを発言しなくても特定の商品をボイコットすれば済むので、大挙して行動を起こした、ということだろう。
これはバドライトのボイコットに収まらず、保守層の活性化を引き起こし、来年の大統領選挙にも大きな影響を及ぼすと思う。
なかなか面白くなって来た。
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久しぶりに見積依頼が入ったよ。
本来は喜ぶべきなのかも。でも面倒だな、という思いが強い。
仕事しなきゃだめ?
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