私は電車に乗り込んだ。揺れる電車の後方車両の真ん中。シートから立ち上がり吊り革を両手でつかむ。平日の昼間ということで誰1人いなく私は窓に流れる風景を眺めていた。
駅で停車しドアが開いた。誰も入ってこない。熱気が立ち込めドアは閉まり私は吊り革から手を離すと前方の車両に近付いた。その後ろから2番目の車両にも人はいず私は安堵のため息をついた。揺れる車内を歩いてまたシートに座った。車窓に流れる風景に田園が増えた。東京から随分離れた。
私は車輪とレールの擦れる音を打ち消すためにポケットに忍ばせていたMP3プレイヤーとヘッドフォンを膝の上にのせる。耳にヘッドフォンを装着して邦楽ロックをそれなりの音量で流した。電車はまた何処かの駅に停まり、そして発進した。何曲か聴き終わると私はMP3プレイヤーとヘッドフォンをまたポケットにしまい込んで立ち上がり車内をぐるりと歩いてみた。誰もそこにはいない。電車の揺れは田園風景と同じように穏やかだった。たまに大きな工場地帯が見えた。そのたびに私はそれがなんの工場かということに想像を巡らせた。唯一、ガム工場は社名が大きく出ていたのでわかった。
北与野に着いた。降りると、ポケットに手を入れて階段までの距離を歩いた。草と土の匂いがして、5月の光が私を照す。階段を登りきり、改札に切符を入れて、北与野の駅の階段を下る。
駅前に出ると、ちらほらとチェーンの店やコンビニがあったのだが、何メートルか先は田園や田畑や草木が多く私の不安を5月の光の中に溶けさせた。
マクドナルドはその中で居心地の悪そうに建っていて、私はそこに足を踏み入れる。元気の良い店員の女性にココアを注文して、席に腰を降ろす。
私はそこで眠った。たぶん疲れていたのだろう。そして店員が起こしたのならまた東京に戻らなくてはならない。
駅で停車しドアが開いた。誰も入ってこない。熱気が立ち込めドアは閉まり私は吊り革から手を離すと前方の車両に近付いた。その後ろから2番目の車両にも人はいず私は安堵のため息をついた。揺れる車内を歩いてまたシートに座った。車窓に流れる風景に田園が増えた。東京から随分離れた。
私は車輪とレールの擦れる音を打ち消すためにポケットに忍ばせていたMP3プレイヤーとヘッドフォンを膝の上にのせる。耳にヘッドフォンを装着して邦楽ロックをそれなりの音量で流した。電車はまた何処かの駅に停まり、そして発進した。何曲か聴き終わると私はMP3プレイヤーとヘッドフォンをまたポケットにしまい込んで立ち上がり車内をぐるりと歩いてみた。誰もそこにはいない。電車の揺れは田園風景と同じように穏やかだった。たまに大きな工場地帯が見えた。そのたびに私はそれがなんの工場かということに想像を巡らせた。唯一、ガム工場は社名が大きく出ていたのでわかった。
北与野に着いた。降りると、ポケットに手を入れて階段までの距離を歩いた。草と土の匂いがして、5月の光が私を照す。階段を登りきり、改札に切符を入れて、北与野の駅の階段を下る。
駅前に出ると、ちらほらとチェーンの店やコンビニがあったのだが、何メートルか先は田園や田畑や草木が多く私の不安を5月の光の中に溶けさせた。
マクドナルドはその中で居心地の悪そうに建っていて、私はそこに足を踏み入れる。元気の良い店員の女性にココアを注文して、席に腰を降ろす。
私はそこで眠った。たぶん疲れていたのだろう。そして店員が起こしたのならまた東京に戻らなくてはならない。