CSを何気なく見ていたら、こんな番組が。
「名探偵雅楽登場」
かなりの「サスペンス好き」と自負している(おおげさです)はぎおですが、ちょっとこのタイトルは知らなかった。
調べてみると、歌舞伎界の大御所である雅楽が、名探偵ぶりを発揮するというサスペンス。
しかも、ドラマで演じているのが、十七代中村勘三郎さん。
・・・といっても、正直、あまり舞台でもドラマでも拝見した記憶がなく
80年ごろは、歌舞伎役者さんたちがかなりドラマや映画に進出していたのでしょうか。
原作者は戸板康二さん。
少しですが演劇を見るはぎおでも、存じ上げているお名前。
演劇評論家の印象がとても強い方ですが、こういう推理小説の著書もあったことに驚き。
舞台裏や、しきたり、演目の内容、踊りの振り・しぐさなどなど、「歌舞伎」の解説も堪能しつつ、サスペンスも楽しめる、なかなか面白い作りでした。
そうそう、以前の歌舞伎座の外観、場内、舞台裏をふんだんに使っていて、旧劇場しかしらないはぎおにとっては、懐かしい限りで。
楽屋裏、舞台裏で起こるドラマって、普通のサスペンスより倍楽しめるので、好きですねぇ。
(「古畑任三郎」でも、歌舞伎の舞台裏での回がとても印象的でした)
一作目は 「車引殺人事件つづいて鷺娘殺人事件」
ちょっとだけですが、車引・鷺娘の一シーンも楽しめます。
雅楽さんが歌舞伎界の「ホームズ」で、新聞記者の竹野が「ワトソン」役(近藤正臣さん)。
そして、雅楽さんの知恵を借りる刑事に山城新伍さん。
この配役だけで、もうワクワク。(特に、「役者」山城新伍が大好きだったもので)
事件に関わる役者役は歌舞伎以外の俳優さんですが、脇役に波乃久里子さん(親子共演ですね)、そして、恐らく(詳しい方ならものすごく喜びそうな)中村屋のお弟子さんたちも大勢登場されます。
(もしかして、当時の本物のスタッフさんもご出演されてたかも?)
勘三郎さん、単発ドラマでは拝見したことありましたが、あまり「テレビ慣れ」していないところが逆に、貫禄と重みがあって、さすがです。しかも、冷静でありながら、懐の深い人間味のある人柄は、まさに勘三郎さんそのものに見えまして、本当に「歌舞伎界のホームズ」になれそうな雰囲気たっぷり。
二作目は 「お染宙吊り殺人事件つづいて奈落殺人事件」
こちらにはご子息、当時勘九郎さんが登場
ドラマでの親子共演、初めて見ました。
勘九郎さん、まだ初々しくて可愛かった
そして、先代の雀右衛門さんもご出演。
この回は、役者さんが本物の歌舞伎役者が多かったので、こうなってくると、ドラマの内容以上に、舞台場面とか、楽屋裏とか、もうそっちの方に興味津々で。
いやいや、内容もハラハラドキドキで楽しめましたよ。
雅楽(勘三郎さん)がビリヤードに興じるシーンもありまして。あの格好は、付け焼刃ではなかったです。趣味でされてたのかな。
三作目は 「幽霊劇場殺人事件」
これは、歌舞伎座ではなく、地方公演中に起きた事件に挑む雅楽さん。
歌舞伎も堪能できるし、この回は、歌舞伎の血筋を引く林与一さんと、名優有島一郎さんとの共演が見ごたえありまして。
愛知?の古い劇場を使い、歌舞伎座とはまた一味違う舞台裏で、そこに様々なトリックが仕掛けられているという、ほぼ全編ロケの大作でした。
この当時すでに、サスペンス=地域の名所案内という構図ができていたのでしょうか。
そして、この回は、今まであまりなかった、勘三郎さんの舞踊・お芝居が結構な時間楽しめます!
原作を調べると、結構な作品数があったようです。この3作、どれも哀しい結末ですが、本当に歌舞伎ファンにはたまらない作品かも。続きも十七代で見てみたかったな・・・
(まぁ、あまりドラマ化しすぎると「歌舞伎界」のイメージが悪くなるかしら)
もし・・・はもうないけれど、十八代目がご存命で70歳くらいになった頃、この雅楽さんを演じてもらいたかったなぁ。
とある方面(笑)で18代目が出ていたのは見ましたが、なかなか面白いですよね。
また読み返してみようかなぁ
こんにちは。
さすが、ご存知でしたか。
しかも、全巻読破とは!
十八代の現代劇出演自体が珍しく、とても新鮮で。クレジットには小山三さんのお名前もあったのですが、どこにいたのかわからず(^_^;)
なかなか興味深い作品ですね!
原作探してみようかな〜
「名探偵雅楽登場」、懐かしいです!
本放送しか観たことがないのですが、CSで放送していたのですね。
竹野が江川刑事(だったか記憶が定かではありませんが……)に、雅楽の鋭い洞察力に感嘆したことを話すと、「いやいや、そういう素人探偵は……」と一笑に付されるのですが、そこへ雅楽が現れて、江川しか知り得ないことを見事に言い当てるという、探偵物の古典的な登場シーンがあったと記憶しています。
こんにちは。
ご存知なんですね!
ただ、再放送がなかったのでしょうか、サスペンス再放送を何度も見ている私も、全く知らない作品でした。
冒頭の、竹野さんと江川刑事のやりとり、ご記憶の通りです!一度の視聴でそこまでご記憶とはスゴイ!
全シリーズ、自己紹介がてら、初対面の相手への洞察力を披露する…というシーンがありました。
やはり、このシリーズ、面白かったので、続いてほしかったなぁ…と。