先日、宝塚では星組の超個性的トップスター、紅ゆずるさんが退団した。
「宝塚ファンだった紅ゆずる、努力重ねトップスターに」(日刊スポーツ)
ファンの方には大変申し訳ないのですが、正直あまり得意な人ではなかった。
(ホントごめんなさいm(__)m)
どうしても、公演以外の「お笑い」トークの印象が強くて、真面目なお芝居も素直に見れないところがあって(^^;
ただ、下位の成績から、天性の華やかさだけでなく、努力の積み重ねで、トップスターにまで上り詰めたことには、本当に頭が下がります。
そして、退団にあたって、彼女の番組・トークなどで、様々な一面を垣間見ることができ、だいぶ印象が変わりました。
とにかく、「宝塚が大好き」という気持ちを持ち続けてきたこと。
一見、当たり前のような気もするけど、実際は難しいと思います。
入団当時は、誰しもが夢や憧れをもって、ワクワクしていたはず。
それが、「仕事」となると、「こんなはずでは」という現実を突きつけられ、失意のうちに辞めていく人も多いと思います。
彼女だって、最初は役もなく、端っこで与えられたわずかな仕事をこなす、不安な毎日だったでしょう。
それでも腐らなかったのは「宝塚が大好き」そして、10数年経っても「入団できなかった人の分まで頑張らないと申し訳ない」という気持ち。それって、なかなかできないことだと思います。
そういう気持ちを、直接感じられた星組の組子は、恵まれてるなと。
もちろん、在団していた人みんながそんな気持ちだと思いたいです。
でも、毎日が多忙なタカラジェンヌ。周りのことを考える余裕もなくなるでしょう・・・経験を積み、立場も変われば、なおさら気持ちやモチベーションも変わって当然。
だから、退団後にSNSやメディアで気持ちを爆発させる人が増えてるのかな・・・正直あれは残念で仕方ないですけど どこの世界でもいろいろ思うことはあると思うけれど、内輪話を世間に公表しなくてもいいと思うんですよね。
モチベーションを保つ。なかなかできないことです。
普通に会社勤めしてても、みんな最初は「やる気」でいっぱい。
それが、経験を積んで慣れてきたり、気持ちに余裕が無くなってくると、何かしら現状への不満が出てきて、新人の頃の気持ちはどこへやら・・・それがどんなに好きな仕事でも。
こういう気持ちはやはり、「自分の甘さ」からくるものなのかなって。もちろん、日々自分なりに頑張ってるつもりですが・・・年取ると、ついつい自分や周囲に置き換えてしまう癖が
紅さんの千秋楽の会見を見てて、あんな満足した笑顔は、本当に「やり切った」という気持ちでないと出てこないなって。
話だいぶそれましたが、紅さんは、他の組の人にも積極的に声をかけてたそうで。
同じトップでも、学年差があって共演もない月組の珠城さんを、会うたびにいつも気にかけていたという話も聞きました。キャラと違い、本当は繊細で気遣いの人だったんだな・・・
今考えれば、あのトーク力も「心から人を楽しませる」という、根っからのサービス精神から来たものなのかなって。とにかく、何事にも全力で取り組む人だと。
この先、きっとテレビや舞台で活躍するんでしょうけど、彼女のような人が、後進の指導にあたってほしいなぁ・・・紫苑ゆうさんの後継者として 同じ星組だし、宝塚への強い思いも、キャラもかなり似てるし・・・
今まで、いろんな人の退団を見てきました。宝塚への愛はひとそれぞれでしたが、あんなに「好き」という感情を、心の底から吐露した人は初めてじゃないですか?創業者に感謝の気持ちを叫ぶなんてね😀
夢や憧れだけでは生きていけないし、現実に直面して、厳しさやしんどいことも多いけれど、そういう場面に直面した時、どう乗り切るか。
「初心を忘れない」「周りへの感謝・気遣いを忘れない」
そんな気持ちを思い出させてくれた紅さん。彼女の今後が幸せでありますように…
(ま、はぎおなぞが心配しなくても、彼女ならきっと自分で切り開いて行くことでしょう😉)