題名を見て、セミトラって何? って思う方も少なくないのではないでしょうか。
我GX1型は、点火方式がポイント式で、プラグにスパークさせるための電力が
クランクシャフトに装着されているカムによって開閉するポイントを通過します。
もちろんスパークする高い電圧が流れるわけではないのですが
機械的にオンオフを繰り返しているわけですから、電気の消失や接触不良などで
点火不良を少なからず起こしているらしいです。
そこでこの失火を少しでも安定させるための制御として考えられた初歩的なものが
この「セミトラ(セミトランジスタ制御方式)」という物になります。
具体的にどんなものかというと、元のポイントはそのまま使用して
単純なスイッチのオンオフのみに使用します。
少ない電気を流すだけのほうが、ポイントには優しいわけで
点火毎のタイミングと進角はノーマルのポイント制御をそのまま使い
コイルへ流す電気は、このポイントから送られてくる電気信号(オンオフのみ)を
トランジスタを使ったスイッチング回路で、バッテリーから直接電気を供給します。
ポイントは信号を送るだけで、その先の供給はバッテリーからですので
電気の損失によるコイルへの電力供給が不安定になるといったことが
だいぶ解消されるみたいです。
私もセミトラの存在は知っていたのですが、実際にポイント式のバイクには
あまり縁がなかったもので、装着するのは初めてです。
で、あれこれ調べていると、このあたりを非常にわかりやすく解説されている
サイトに出会いました。TORYさんの管理されている「セミトラ製作記」
この方は車に装着されていますので、回路は1つです。
ポイント式の車は、ポイントでスイッチングした電気信号を、ディストリビューターで
各シリンダーへ分配します。
バイクの場合は、この分配器がありませんので、シリンダーが偶数気筒であれば
2で割った数が回路の数。奇数ならばシリンダー数が回路の数となります。
GXは3気筒ですから、3つ作らないとなりませんね。
前置きが長~くなりましたが、まずは回路と部品調達から。
回路と使用部品については、TORYさんのサイトを参考にさせて頂きました。
早速部品の調達ですが、これは電子部品なので専門の電子部品屋さんへ
行くしかないですね。最近ではネット注文も出来ますが、自分はバイクでちょこっと
行けば買えるショップがあったので、直接仕入れに行きました。
サイトを見る限り、素人には敷居が高いような感じがしたのですが
行って見ると実に親切なお店で安心しました。
この手のショップは普通の人ってあまり行かないですよね。
何となく入りづらい感じを前々から持っていましたが、まあ好き者の集まる場所って
いう空気を感じて一安心ってところです。
買ってきた部品はこんなものです。
アルミケース(見た目をちょっと良くしたいので)
ラグ板(基盤の代用品)
トランジスタ(FET)、抵抗、整流ダイオード
1気筒あたり1000円もしない程度で購入出来ました。
このケースに3気筒分を収めるのは結構難しいのですが
そんなにスペースの余裕はありませんので、何とか頑張ってみましょう。
それと電気のことですから、導通不良で走行不能なんてことも考えられます。
配線はしっかりと、整理して組むようにしようと考えています。
TORYさんの製作されていたものは、ラグ板に直接ハンダ付けされていたのですが
その配置でこの箱に3気筒分を収めようとすると、どうしても無理がありました。
それとトランジスタは熱を逃がしてやるのが肝だそうで
アルミのケースとの間にシリコングリスを塗布して直接付けるのが大事なようです。
なので、トランジスタはケースへ直付けし、そこからリード線でラグ板へ配線する
方式を取ることにしました。
今日はとりあえずトランジスタに配線を装着するところまでです。