YAMAHA GX750 フレーム塗装編

2010年04月22日 | GX750
エンジンばらしの口直しに、フレームの修復を。

ひっくり返して見ると、まあこんなでした。



とにかく、あちこち真っ赤なんですね。
ステアリング周りなどの、割と小さな部品は、ブラストしてからシャーシブラックで塗装です。



ブラストかけると、塗装の乗りというか、食いつきがいいんですね。

今になってわかりましたが、時間が経っても痛みにくいです。

スイングアームの裏などは、もう土に近い・・・



これくらいの大きさになると、ハンドグラインダーでひたすら削りました。

あまりに腐食のひどい部分は、切り取って鉄板による溶接補強を施しました。

その他、溶接ビードの荒い部分などを、グラインダーの入らない所は、ひたすらペーパーがけで均してから塗装をしました。



ヘッドの袋部分などは、内部を塗装できませんので、ハケによる手塗りです。

塗らないよりはいいですからね。

それにしても、古いバイクのフレームは重いです。

パイプの肉厚があるのでしょうね。

その分、削るマージンがあるので助かりましたが、このころから、作業をしてサビがつくと

何だか痒くなるようになってしまいました。

サビアレルギーなんて、あるんかなあ・・・



しかし、このバイクの不思議な部分なのですが、これだけ痛みがあるのに、なぜか蓋をしてる

部分だけは、その蓋を開けるときれいなのですね。

例えば、スイングアームのピポットボルト



周りはサビサビなのに、なぜか新品に近いような状態なんです。

もちろん内部のベアリングも、まったくガタなしできれいなもんでした。

要するに、蓋の部分は、メーカー組み立て時から、まったく開けていないため

密閉が良いまま、時だけが過ぎていったのでしょうね。

YAMAHA GX750 ヘッドとシリンダーを抜く

2010年04月21日 | GX750
今まで作業をして、最大の難所の一つ(いくつもあるんかい・・・)が、ヘッドとシリンダーを抜く作業でした。

なんで大変だったかと言うと、とにかくスタッドボルトのサビ具合がハンパじゃないわけです。



わかります? 一番右の茶色いやつ。

このエンジンは、サイドカムチェーン方式を採用していて、エンジン腰上が非対称なんですね。

空気の流れにムラがあるんだと思います。

もちろん設計者は、その辺りのことは考慮して、オイルラインなどを考えているはずですが、

結果として、このような差が表れているということは、やはり熱分布が均一じゃないんでしょうね。

もちろん、長期間の放置も、サビの更なる進行を助けているわけで、とにかくそのまま使用することは出来ません。

写真と前後しますが、まずはヘッドを外しました。

と言っても、簡単には外れてくれません。



こんな感じに、鉄のプレートとボルト&ナットを駆使して、ネジの力でジリジリ抜いていきました。

まるで、開けてはいけない物を開けるような感じで、少しずつヘッドとシリンダーに、隙間が出来ていったのです。

お次はシリンダーですが、こいつを外すのにはホントに苦労しました。

1枚目の写真にあるように、手前の右端部分が、どうにも動かないわけです。

後でわかることですが、中でサビが膨らんで、シリンダーのボルト穴の内壁に、食い込んでいたんですね。

何とか少しの隙間が出来たところでギブアップしそうになったのですが

その時幼馴なじみが現れまして、コイツは困った時に、ひょこり現れてくれる、いい奴なんです。

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でも、もう居ないんです。
この数ヵ月後に、事故で逝ってしまいました・・・
だから、余計にやめるわけにはいかないわけです。
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奴は自動車整備が本業でした。

本職って、やはり何かが違うんですね。

自分がやっても、ちっとも動かなかったシリンダーが、徐々に動き始めたんです。

だんだん、その動く量が大きくなって、最後はヌルって感じで抜けてくれました。

後は、その残ったスタッドボルトを挟んで回そうとしたりしましたが、これがまた固い。

バイスクリップなどで挟むと、腐ってる部分が、グサッって感じで折れていきます。

どんどん短くなって、最後はここまでの長さに。



で、写真にあるように、ナットを溶接してみました。

当然ながら、溶接時にボルトの内部にも、かなりの熱が伝わってます。

コイツにレンチをかけると、ギリギリ・・・って手ごたえで、見事に外れてくれました。

今思い出しても、ホントに報われた一瞬です。

しか~し! この後に、また絶望の淵へ・・・

ヤマハの部品検索で調べると、このスタッドボルトが販売中止!

どうすりゃいいのさ~

まさに、笑っちゃうよ ですよ。

でも、諦めないもんねえ~ と、福島に住むバイク仲間がSR500に乗っていて、長さを計ってもらうと

1cmほど長いのですが、SR500のモノが使えそうじゃないですか(嬉)



とりあえず取り寄せて、きれいにしたブロックのネジ穴に差し込んで、シリンダーとヘッドを載せてみます。

確かにちょっと長いかなあ~

ホントに1cmくらい突き出る感じでしたが、旋盤で挽いたカラーを間にかましてみると

おお! ピッタリ。

苦闘2週間、スタッドボルトとの戦いに、終止符を打つことが出来たのでした。

YAMAHA GX750 案外当たりだったかも

2010年04月20日 | GX750
酷い部分の出現は、更に続きました。

もちろん、直圧式ブラスターはフル稼働です。

こんな状態や・・・


こんな・・・


外すごとに、気が滅入る日々が続きました。

スタッドボルトにおいては、カムチェーン側のEXが、最も熱の影響を受けて、ボッキリです。



最後は、折れたスタッドボルトに、鉄の棒を溶接して、やっと外れました。


そんなことを進めるうち、キャブやエンジンの中身が出てくると、思いのほかきれいだったのです。

フロートなんか、真鍮製です。 ちょっと磨いたらこの通り。


ヘッド内部も、まったくと言っていいほど、キズがありませんでした。


その他、シリンダーも、まだクロスハッチが残っているほど、磨耗の少ないものでした。

走行距離が、20,000kmに満たない表示ですが、どうやら実走行のようです。

クランクなども、まったくガタがなく、この辺りでやっとやる気が沸いてきました。


ちょっと話が飛びますが、空冷エンジンにとって、冷却フィンはその美しさの象徴(ちょっと大袈裟)部分でありますが、

シリンダーを外すときに、ボキボキ折れたのですね・・・



ここは折れたままにしておくわけにもいかず、デプコンを使って、再生しました。

案外、強度があるもんですね。


書きながら、作業ごとに多量のサビを履いて始末していた、あの頃を思い出し、次回へ続きとします・・・

YAMAHA GX750 まずはバラしてみた・・・

2010年04月20日 | GX750
経年による劣化というものは、すごいものです。

とにかく、鉄はサビサビ。 ゴムやチューブがカチカチ。

シートの表皮などは、まるで「エビ煎餅」のようです。

とにかくバラしていきましたが、途中であることに気づきました。

空気に触れていない部分は、案外いい状態の所が多かったのです。

何でも、購入したバイク屋さんの話だと、お金持ちの豪邸の軒下に、

20数年間放置されていたとのこと。

要するにワンオーナーなわけです。

外した物はって言うと






まあ、ほとんどが、こんな状態なわけです。

最初はワイヤーブラシで擦ったり、カップブラシをドリルに付けて・・・ なんてやって

いたのですが、一向に進みません。

こりゃ、腐食部分の処理を何とかせんといかんなあ~ ってことで

道具作りから始めました。



ネットで調べると、サンドブラストの自作記事は沢山出てきます。

直圧式というのが、低圧なのに威力があるということで、転がっていたボンベを使って

自作してみました。

こいつは、ハッキリ言って、すごいアイテムです。

ブラスト前後では、この違い!



一度使ったら、もうやめられません。

家庭用の安い小さなコンプレッサーでも十分使えます。

それこそ、ブラスターのサイズ次第で、12Vのシガーライタから取れるコンプレッサーでもブラストは可能でしょう。


「サビ落としの旅」は、ここからしばらく続くのでした・・・

YAMAHA GX750 今昔

2010年04月18日 | GX750
今まで、mixiで書いていた再生記録。

twitterを始めたら、普通のブログのほうが使いやすかったりして、なんて感じたのですね。
そんなことがきっかけで、我愛機(まだ乗ってませんが)GX750の再生記録を、ここで記録していこうと思っています。

今から3年前に、コイツはやってきました。
元々、XV750が欲しかったのですが、予算に見合うものが見つからなかったのですね。(そもそも玉がないか・・・

そんな時に、オークションに、コイツが出てきました。
もちろん、GX750という車種は知ってましたが、それほど興味がなかったのも確かです。 何気なく落としてしまったわけです。

届いた時の写真がこれです。


ひどいでしょ。(^_^;)

タンクを外したら、この通り。



車体の下には、コップ2杯分くらいのサビが落ちてました。
擦ったわけじゃないですよ。
タンク外したりしただけで、「カサカサ・・・」って音がするわけです。

はっきり言って、愕然の一言。

とにかく、サビで使えない部品の多いこと。
おまけに、販売中止の部品もたくさん。


こうなったら意地しかないわけで、現状は3年近くかかって、ようやくここまでに。



細かな改造などは、追って書きたいと思います。