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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
一人で悦にいっていた。
時おり波飛沫が腕にかかって気持がいい。
2時すぎに半田市に入ったので、ゆっくりと回れる。
ギラつく太陽に、いっぱい詰めてあった子供用のドナルドダックの
水筒も空に近くなっている。
腕は波飛沫を浴びた塩分の残りと体内から出た
塩で白くなっている。
擦ると黒白くてザラザラしている。
排気ガスと塩分の固まりなのだろう。
走っていると、そのうちに面白い光景に出会った。
防波堤を一筋に上がってゆく波を発見したのだ。
咽喉も乾いていたので、その少し手前で、サヤカから降りて
防波堤に登った。
車の通りは少ない。
多くの者はあちこちの浜辺で海水浴の最中なのだろう。
私は、麦茶を飲みながら、その波の様子を見ていた。
伊勢湾といっても、結構波は高い。
恐らく太平洋の土用波が、鳥羽と伊良湖の間を抜けて、
まともにぶつかってきているのだろう。
3~4mもある防波堤にシュルシュルと大蛇のような波が
上がってくるのである。
強い蛇と弱い蛇とが不規則に現われてくる。
その時だった。
強い大きい波が来たかと思うと、蛇の形から龍の姿に変わって、
防波堤を滑走路にして、バババーンと天に昇ったのだ。
壮観!!
つづく