絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 万博公園の太陽の塔が、サヤカに懸想した!(1/3)

2019-02-04 09:59:11 | 仮想はてな物語 



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 * 万博公園の太陽の塔が、サヤカに懸想した!(030)


 万博公園の横は、よく走る道路の一つである。
 近畿自動車道から名神や中国自動車道へ入った時に、
 通るのである。

 いつの頃からかは忘れたが、夜間、万博公園の近くを走ると、
 必ずサヤカのヘッドライトの調子が悪くなるのである。
 照射角度が狭くなる。
 不思議だったが、高速道路は明るいので、
 別に気にもとめてなかった。


 それがある晩のこと、太陽の塔の傍を通っていた時、
 何か視線を感じたので、太陽の塔を見た。


 ヤツがウィンクを送ってきているではないか!


 サヤカのヘッドライトは当然狭くなっていた。
 ははあ、原因はこれだったのか。
 私は納得したのだ。
 不気味な顔してウィンクを送るなど、サヤカでなくともゾッとする。
 私は身震いがきた。
 何ちゅうヤツだ。
 よりによって、私の愛車に懸想をするなんて。
 私は、舌を出してやった。
 ヤツときたら牛の角のような耳を上下に動かしながら、
 浮かれている。
 困ったヤツだ。


つづく




あ@仮想はてな物語  万博公園の太陽の塔が、サヤカに懸想した!(2/3)




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 ある時、サヤカに聞いてみた。

 [君、太陽の塔、嫌いかい?]
 [あんなずんぐりむっくりで、へんてこりん大嫌いっ!]

 [君も外見で判断するのかい?]
 [ある程度は・・・ でも仕方ないんじゃない?]

 [じゃ、オレなんかアイツとそっくりだしな]
 [ううん、違うわ。あなたは ト、ク、ベ、ツ]

 [どこが?]

 半分嬉しくなって、ちょっと意地悪く聞いてみる。

 [だって、私に生命を与えてくれるでしょ。それに・・・]

 [それに?]
 [・・・・・・・・・]

 [なに?]
 [よくわからない]


つづく




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 サヤカによれば、アイツも超能力を持っているという。
 けれども、そんなには強くはないらしい。
 アイツの数キロ以内に近づけば、
 いつもチョッカイを掛けてくるという。
 それがとてもしつこいらしい。

 私と同類みたいだ。
 ずんぐりむっくりも同じ。
 だが、ヤツは彼女に嫌われているし、
 私は、そうではないみたいだ。
 持ち主の強みか。

 彼女はヤツの顔を見るのも嫌いだが、
 傍を通るのも気味悪いと言う。
 私は、愛敬ある顔をしてケッタイなヤツだな、
 ぐらいにしか思っていなかった。
 見る者によっては、こうも評価が違うものか。


 これからは、サヤカのためになるべく他の道を選ぼう。


 芸術に 現わる個性は 天性か 
   それとも単に お人が騒ぐだけ?
                         ち ふ


                  
   この項おわり


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