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あ@仮想はてな物語(逸話)蒲生野紫野にあかねさす (1/3)

2019-02-04 13:06:56 | 仮想はてな物語 

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あ@仮想はてな物語(逸話) 蒲生野紫野にあかねさす (1/3)



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 * 蒲生野紫野にあかねさす(045)


 あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き
  野守(のもり)は見ずや 君が袖振る

                  額田王 (万葉集・巻1・20)



 私は、この歌が好きだ。
 紫草は初夏に咲くという。
 この歌は琵琶湖の近くの蒲生野で詠まれたものらしい。
 蒲生野の野と言っても、今では特定できない。
 とにかく、安土町のあたりに行ってみることにする。


 24号から京滋バイパスを通って8号に入る。
 24号の木津のあたりの渋滞には毎度泣かされている。
 バイクでも巻き込まれるのだ。
 バイパスもあるにはあるのだが、
 いつも見過ごして通りすぎてしまっている。


 蒲生郡に入った。
 何処でもいい。
 走っていれば野もあるだろう。
 水田が多かった。

つづく

あ@仮想はてな物語 蒲生野紫野にあかねさす (2/3)



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 初々しい早苗を渡る風が心地よい。
 昔は一番草と呼ばれた草取りの季節だろうか? 


 「はじめは浅く、なか深く、終りはそっとなでておけ」でいう、
 はじめの草取りにあたる頃である。
 田植え後、2週間ぐらいをメドに、
 女の人が這いつくばって手で草を取っていた。

 今は化学肥料の普及で誰もあんなきつい仕事はしなくなった。
 田植えも草取りも、見る分には何とも風情があって
 いいものだが、自分がするとなると誰もが嫌がる。
 嫌がる仕事を化学肥料と機械に押しつけるのだから、
 いつか彼らのしっぺ返しを食らったとしても自業自得だ。
 今の所、彼らの反乱を小さくする以外には手はないのだろう。


 休耕田の脇にサヤカを止め畦道に腰を下ろし麦茶を飲む。
 メットを脱いだ頭を風が撫であげてくれる。



 額田王の歌が思い出される。私は、勝手に解釈を施す。


 「朝日輝く、紫草咲き乱れる通行禁止の道を、
  あなたは、白いバイクで帰ってゆく。
  取得禁止通学禁止の掟を破り私の為に、
  毎朝毎朝会いにやって来てくれる。

  私は高校生。
  あなたも。
  しかし、二人の通う高校は違っている。
  一秒でも一緒にいたい。
  話したい。

  そんな私の気持を察してか、
  あなたは、時間ぎりぎりまで出かけない。
  でも時間が迫ってくる。



つづく



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  あなたは、紫草の咲き揃う通行禁止の公園の近道を通って、
  高校へと走り去ってゆく。
  少し茶目っ気のあるあなたは、
  ハンカチにLOVEと書いて腕に巻いて、
  大きく振りかざしながら、遠ざかってゆく。

  公園の管理人や交通警官に見つかりはしないでしょうか?

  ああ、あんなに手をふって。
  大丈夫かしら?
  気をつけてね」

 主人公は、もちろん、かっての私とOさん。
 これは、あくまでも私の想像である。

 この歌は、中年のオバはんが詠んだものとは思いたくはない。
 私が言う中年とは、二人の男に心を許すような、
 垢汚れた人間をさすのだ。


 それも一つの生き方だとは思う。
 思いはするが、淋しい。


 朝日さす ラベンダーの野を 走りゆく
  北海原野 君初々しき
                    ち ふ


                     

  この項おわり 

..



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