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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
本の中では蟋蟀にキリギリスとルビがふってあったので、私はキリギリスだと言いはったのだが、小学生のドン次郎も譲らなかった。旺文社の学芸百科辞典で調べてみると、平安時代にキリギリスといったのは、コオロギのことで、キリギリスは「機(はた)織る虫」「機織女(はたおりめ)」といわれていた、とあった。
ドン次郎の方が正しかったのだが、私もキリギリスと言い張った手前、格好がつかなかったので、これはコロギスというのだと折衷案で誤魔化してやった。コロギスはコオロギとキリギリスの両方に似ているのでドン次郎の顔も私の顔も立つと思ったのだが、彼には大人のそんな綾は伝わらないようだった。
つづく
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