「
逸話(いつわ、英: anecdote)とは、
Wikipediaによりますと、
世間や世人にあまり知られていない興味深い話、
世人の目から逸した(逃れた)話のこと。
のようですが・・・・
」
これらのお話は、
世間や世人にあまり知られていないと思われますが、
興味深いかどうかは分かりませんお話です。
(傘;傘;) カサ、カサ、よれよれ
(40+40=80)マークです。
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
平成はじめのころです。
* 大台ケ原のカミナリ(021)
169号を抜けて大台ケ原へ行った。
天気は曇り気味であった。
真夏を少し過ぎていたが、平地はまだまだ暑かった。
特に、奈良は盆地なので大阪よりは数度暑い感じがする。
169号は何度も通ったことあるが、大台ケ原へは
初めてだった。
約20kmのドライブウェイがある。
丹生川上社あたりの渋滞には、いつも泣かされている。
多くの人が涼を求めに来るためであろう。
通行量は多い。
バイクは渋滞に強いのであるが、このあたりでは通用しない。
すれ違いできないために、車がバックしてくる。
道が狭すぎるのである。
路肩もあまり良くないので、流れに従わなければならない。
下手をするとバイクが邪魔をして対向できなくなるからだ。
それでも何とかドライブウェイの入口にたどりつく。
大体が、11月から3月までは、
このドライブウェイは、雪・凍結のため閉鎖される。
それだけ寒いということか。
逆に夏場は涼しくて人が集まるのだろう。
車もバイクもかなりの台数が入っていた。
私は、初めての道は細心の注意を払って進む。
先がわからないのは不安である。
地図を見ても頭に入らないから、身体で覚えることにしている。
そんな私を皆がびゅんびゅんと追い抜いてゆく。
お先にどうぞと左に避ける。
怪我などしては堪らぬからだ。
つづく
あ@仮想はてな物語 大台ケ原のカミナリ (2/3)
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
雲行きは悪かった。
雷がやってきそうな雰囲気である。
引き返そうかと思ったが、せっかくここまで来たのだから、
山頂までゆかねば気は治まるまい。
原始林も見てみたい。
しかしながら、私は雷が大嫌いだ。
ましてや、バイク。
直撃されたら一たまりもない。
山道の20kmは中々進まない。
危なくてスピードはあまり出せないのである。
その上、曲がりくねっているわりには、
普通車がかなりのスピードを出して、
前後から走って来る。
生命知らずの奴らが多いのだろう。
そのうちポツリポツリと雨が降り始めた。
夕立だ。
稲光もし始める。
他に、バイクは?と捜したが見当らない。
孤独感と不安感に襲われる。
バイクが近くに居れば、
こういう天気の日にはそれなりに安心するものだが、
普通車ばかりだ。
普通車は雷に強い。
そういう点が、たまらなく羨ましい。
しかし、羨んだところでどうしようもないのだ。
だんだんと雨足が激しくなり、
雷もほんの傍まで来ている感じがする。
雨宿りをする適当な場所も見当らない。
木の下は危険だといわれている。
泣きたい気分だ。
サヤカを置きざりにして、
誰かの普通車のなかに入らせてもらおうかとも思うが、
いつの間にか1台も居なくなっていた。
空は薄気味が悪いほどに黒暗くなってきた。
ピカーッ。
バリバリバリ、バッシーン。
ついに始まった。
私は、堪らなくなってサヤカを止め飛び降りた。
サヤカに落ちる可能性がある。
かといって逃げる場所もない。
万事休す。
ピカピカ、ピカーッ。
ガラガラ、ドッシャーン。
ああ、サヤカよ、何とかしてくれーっ!
つづく
あ@仮想はてな物語 大台ケ原のカミナリ (3/3)
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
私は、もう俯せてしまった。
そんな時であった。
サヤカのヘッドライトが、キラーッと物凄い光を放ち始めた。
キーはつけたままだった。
稲光の数十倍の光り方である。
ピカーッと稲光がする瞬間に、
その方向に向けてサヤカが光を放つ。
そのたびに不思議なことに雷の音が消えるのだ。
右や左にピカッ、ピカーッ。
サヤカのヘッドライトが稲光を打ち落としているのだ。
確実に迎撃している。
その間20~30分ぐらいだったろうか。
黒雲がだんだんと軽くなり晴れ間が見えてきた。
夕立はだんだんと遠ざかってゆく。
サヤカが勝ったのだ。
サヤカよ、お前にそんな力があったのか!
一戦を終えたサヤカに残る七色の雨の露をタオルで丁寧に
拭い、感謝の気持を表した。
こわやこわや カミナリこわや 車もこわや
大台ケ原 ドライブウェイ
ち ふ
この項おわり
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