絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 新益京のOさんは、花粉症 (1/3)

2019-02-04 09:50:41 | 仮想はてな物語 


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 * 新益京のOさんは、花粉症(022)


 Oさんは花粉症である。
 この数年来、春先の明け方が特にひどい。
 鼻水が出て止まらないし、よく眠れないみたいだ。
 原因は杉の花粉にあると言われている。


 私は、北山杉のことを思い出した。
 むかし、サヤカが教えてくれたのだ。
 京都の162号を若狭に向かって、
 かなり行った所の小道を左に入り、
 そこから数キロ入った所に、
 人間と話しを出来る北山杉が居るという。
 その杉と話すのは、サヤカのガソリン・キャップを外し、
 給油口を通して行なうのである。


 その口に耳を当てたり口をつけて話しをするのだ。
 ガソリンの匂いは、私は好きではない。
 頭がクラクラしてかなわない。
 けれども、Oさんのためでもある。

 私は、早速、北山杉に花粉症の治し方を聞きにいった。


つづく



あ@仮想はてな物語   新益京のOさんは、花粉症 (2/3)



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 北山杉の北やんは屋久島の縄文杉に聞けと教えてくれた。
 屋久島までは遠すぎる。
 私は趣味のパソコン通信・「ANP」ネットで知り合った、
 鹿児島のNさんに頼むことにした。


 その杉と話をするのには、サヤカのマフラーが要るという。
 私は、すぐさまNさんに事情を伝え、
 宅配便でSサヤカのマフラーを送った。


 縄文杉は大神神社の巳の神杉に聞けと答えたという。
 あーあ。
 灯台元暗し、だ。
 毎週近くを走っているではないか。
 わずか4~5kmのところにある。
 話しかけ方は北山杉と同じだという。
 私は、ある深夜を選んで出掛けた。


 神杉は大神神社の拝殿前にある。
 数段の石の階段があり、サヤカを上げるのには苦労した。
 ガードマンに見つかるとうるさいから、
 エンジンを切って手で押し上げた。
 手で押すとなればサヤカは重たいが、
 わずか数段なので、何とか押し上げることに、
 成功した。

 神杉が言うには、神杉がつけている雌花を、
 花粉を散らさないように取り、
 一日一回、一個の雌花を鼻先に数分あてていれば、
 数か月で治るということだった。 


 やったあ!



つづく



あ@仮想はてな物語   新益京のOさんは、花粉症 (3/3)



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 私はすぐさま雌花を摘んだ。
 ガードマンに見つかったら、
 タダではすまないので気が気でなかった。
 それでも革ジャンの両ポケットいっぱいに詰め込んだ。

 家に帰って、もう寝ていたOさんを叩きおこして、
[杉の教え]を教えてやった。


 「なに寝言、言っているの? 早く寝なさい!」と一喝された。
 てんで取りあってくれない。
 次の朝も、やっぱり花粉症の症状がひどくなっていた。
 私は、またしつこく勧めたがやっぱり同じ。
 相手にされない。


 私の苦労は何だったのだ ?! 


 大神の 神杉に宿る 精霊に
  バイク通して アタック試みる
                       ち ふ



 なお、この治療方法に関しましては、
 巳の神杉にご相談下さい。
 くれぐれも、ご乱用はお控えくださいとの事です。


                 
  この項おわり




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