絵じゃないかおじさん

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あ@仮想はてな物語(逸話) 知多半島で龍が天に昇った(1/3)  

2019-02-04 09:13:54 | 仮想はてな物語 

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 * 知多半島で龍が天に昇った (007)


 その日は、25号・東名阪・23号・247号のコースで、
 知多半島を一周するつもりで家を出た。
 夏の盛りであった。
 23号はトラックが多かった。
 白い上着がドス黒く染まっていた。
 排気ガスのせいだろう。

 海岸はどこも海水浴の客であふれていた。
 半島を時計回りに走る予定だった。
 一周ゆっくり走って2時間ぐらいだろうか?

 私は海沿いに走るのが好きだ。
 その為、247号の途中から155、366号を通って
 半田市に抜けた。
 金でも余れば別荘を建てたいような所が、
 あちらこちらに点在している。
 開発もあまり進んでいない。
 フェリーが、のんびりと進んでいる。

 V!

                             つづく



あ@仮想はてな物語  知多半島で龍が天に昇った(2/3)  



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 一人で悦にいっていた。
 時おり波飛沫が腕にかかって気持がいい。
 2時すぎに半田市に入ったので、ゆっくりと回れる。
 ギラつく太陽に、いっぱい詰めてあった子供用のドナルドダックの
 水筒も空に近くなっている。
 腕は波飛沫を浴びた塩分の残りと体内から出た
 塩で白くなっている。
 擦ると黒白くてザラザラしている。
 排気ガスと塩分の固まりなのだろう。

 走っていると、そのうちに面白い光景に出会った。
 防波堤を一筋に上がってゆく波を発見したのだ。
 咽喉も乾いていたので、その少し手前で、サヤカから降りて
 防波堤に登った。

 車の通りは少ない。
 多くの者はあちこちの浜辺で海水浴の最中なのだろう。
 私は、麦茶を飲みながら、その波の様子を見ていた。
 伊勢湾といっても、結構波は高い。
 恐らく太平洋の土用波が、鳥羽と伊良湖の間を抜けて、
 まともにぶつかってきているのだろう。


 3~4mもある防波堤にシュルシュルと大蛇のような波が
 上がってくるのである。
 強い蛇と弱い蛇とが不規則に現われてくる。


 その時だった。
 強い大きい波が来たかと思うと、蛇の形から龍の姿に変わって、
 防波堤を滑走路にして、バババーンと天に昇ったのだ。


 壮観!!



                             つづく



あ@仮想はてな物語 知多半島で龍が天に昇った(3/3)  




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 龍は勢いをつけたまま、ズズーンと上へ上へと上がってゆく。
 私は見惚れていた。
 波飛沫の白いアワのような固まりで出来た龍は、キラキラと
 陽の光に光って何とも言えず綺麗だった。


 天へ天へと、だんだんとスピードを上げて消えていった。
 後には、波飛沫が相も変わらず、大蛇・小蛇となって
 上がり続けていた。



  夏の天 食い切るごとく 白龍が 
    怒涛昇りの 知多半島
                      ち ふ


                           
  この項おわり





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