絵じゃないかおじさん

言いたい放題、自由きまま、気楽など・・・
ピカ輪世代です。
(傘;傘;)←かさかさ、しわしわ、よれよれまーくです。

仮想はてな物語 「万葉おおみわ異聞」  9/34

2015-12-04 07:51:08 | 仮想はてな物語 
  copyright (c)ち ふ



 (いつ食べても、あの子の卵はおいしい。
  気持で食べるからおいしいのだろう。
  味などは、二の次、三の次なのだ。
  あの子の心がこもる懐に抱かれていたというだけで、
  オレは大満足する。
  しかし、いつかは、あの子は来なくなってしまうだろう。
  毎日、毎日気がかりでならない。
  あの子が来なくなった日は、人間の恋人が現われた証拠だ。


  こんな苦しい生活も堪らない。
  恋という奴は打てども打てどもまいらぬものらしい。
  いや、奴はますます強くなるような気がする。
  なぜ、人間の女になど、心が傾いたのだろう。
  オレには分からない。
  不可思議な現象だ。
  これも運命なのか。
  今のオレには何のすべもない。
  験なき想い、片念い。
  川の流れが澱んだような侘しさだ。


  憂き世、辛けしか・・・


                              つづく


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