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非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

インド仏跡巡礼第2日目 ブッダガヤにて(1)Buddhist Pilgrimage Tour in India: 2nd Day, At Bodhgaya (1)

2018-01-13 | インド旅行

釈尊が悟りを開いた”金剛座”

 

インド仏跡巡礼第2日目 ブッダガヤにて(1)

ブッダガヤは英語ではBodhgaya(ボードガヤ)あるいはBodh Gaya(ボード・ガヤ)と言い、「仏陀のガヤ」と言う意味で、お釈迦様に因んでつけられた名称です。ブッダガヤは、ビハール州で第2の都会であるガヤ(人口約50万人)の南に隣接する街で、人口は4万5千人ほどです。仏教の最大の聖地なので、世界中の仏教国から巡礼者が集まる国際都市です。

インド仏跡巡礼の旅、第2日目、2017年11月3日、つまりブッダガヤに到着した翌日は、今回の旅で最大の目的地だった仏教生誕の地、マハーボディ寺院 Mahabodi Temple(別名:大菩提寺)を朝一番に訪れました。

その後、市内に建てられた各国の寺院を回り、午後はナイランジャナ川Nairanjana River(別名、尼連禅河、現在はPhalgu Riverファルグ川と呼ばれています)の対岸にあるスジャータ村Sujata villageとドンガシュリ洞窟寺院 Dungeshwari Cave Temples(別名 前正覚山)を巡りました。

この記事では、マハーボディ寺院を訪問した体験を主体にして話を進めます。

マハーボディ寺院は、仏教用語で“釈尊成道の地”とか“正覚(しょうがく)の地”とか言われますが、平たく言うと、“悟りを開いた地”と言うことです。英語では、”the location where Buddha attained enlightenment”と表現されます。

そもそもマハーボディ寺院とは、“偉大な正覚の寺院”と言う意味だそうです。大覚寺とお寺がありますが、その名前はこの寺院に由来するのではないかと思います。

ブッダガヤの町の東側にはナイランジャナ川が流れていますが、その畔に高々と聳えている茶色っぽい仏塔がマハーボディ寺院です。この寺院は、釈尊が悟りを開いたときに座っていた場所に、アショーカ王が紀元前3世紀に建造したと伝えられています。

私は、仏心寺の宿坊に泊まっていましたが、ここからマハーボディ寺院に行くには、すぐ隣のRegency Hotelで左折してジャパニーズ・テンプル・ロードJapanese Temple Roadと言う名の通りを真っすぐに進み、ドマハン・ボッドガヤ・ロードDomuhan-Bodhgaya Roadと言う名の大通りとの交差点を右折して道なりに進むと、寺院の入口に到達します。 仏心寺から寺院までの経路を図示すると、次の通りです。

ジャパニーズ・テンプル・ロードと称する名称の由来は、この通りに面して 印度山日本寺Indosan Nipponjiと言う仏教寺院が建っていることによるものと思われます。この通りには、お土産店、ホテル、レストランなどのビルが並んでいますが、一方で牛、ヤギなど姿もあり、インド的な生活感も感じる街路です。

 ホテルなどが並ぶビル街

 道路わきの牛たち

 道路の真ん中で餌を漁っている野良ヤギ

ドマハン・ボッドガヤ・ロードに入ると、オートリックショーやバイクの往来が激しくなるのですが、お坊さんの一団が歩いて姿も見かけました。この通りにはホテル、お土産店、寺院などの他、大手銀行のATMもあるので、クレジットカードでインド通貨を入手することもできます。 

  ドマハン・ボッドガヤ・ロード

 お坊さんの一団

仏心寺から歩いて約30分で、マハーボディ寺院の入口に到着しました。

  寺院参道の入口

寺院内への入場は無料ですが、カメラの持ち込みは有料なので、入口の右手にある事務所でチケットを購入する必要があります。

   カメラ持ち込み許可のチケット売り場

この記事では、以下のテーマに細分して、マハーボディ寺院の光景をご説明します。

1)参道

ENTRYと書かれた入口を通ると、頭上にカラーフルな旗が並んでいる参道を5分程歩きます、参道の突き当りで右に回ると、境内の入口が見えます。そこには検問所があり、荷物検査がありました。また、境内に入る前には靴を脱がされ、素足で入場します。特に靴のロッカーなどはなく、入場口の地面の上に脱いだ靴やサンダルなどが雑然と置かれていました。信心深い人が集まる場所なので、靴が盗まれる心配はないのだろうと推測しました。

    

  参道の様子             

奥に見えるのが、入場口

 

2)大塔 (Main Tower)

さて、いよいよマハーボディ寺院の境内に入ります。

入場すると、すぐ目の前に大塔 が聳えていました。

     

入口の目の前に聳える大塔     

 大塔に向かって進んで行くと、その途中に両手を合わせた釈迦如来の坐像を載せた小さなストゥーパが立っていました。

 釈迦如来像を載せた小さなストゥーパ

一方で右側に目を向けると、緑の芝生の斜面の上に聳えるストゥーパがありました。それは、Animisa Cetiya と呼ばれ、釈尊が悟りを開いてから第2週目に菩提樹を眺めながら瞑想していた場所と言われています。

  

 Animisa Cetiya

大塔に近づくと、門の両側には立った姿の仏像が構えており、上部には色々なポーズを取っている釈迦如来の坐像が数体並んでいました。

 大塔の入口 

大塔の内部に入ると、狭い空間に黄金の仏像が安置されていました。その前は大勢の巡礼者でごった返していました。 私も他の巡礼者たち混じって手を合わせて、参拝しました。仏像は、僧侶が衣替えをしている最中でした。

 大塔内部の仏像

大塔の外に出て左手に向かうと、花が飾られた祭壇に向かって座して合掌している女性信者の姿がありました。

 

 入口の横壁に祀られている仏像を拝んでいる女性

更に大塔に沿って歩いて行くと、CLOISTER WALK(回廊歩道)と記された標識がありました。そこには、釈尊が悟りを開いてから第3週目にこの付近を歩きながら瞑想をしていたと書かれていました。

 

CLOISTER WALKの標識の前でお参りをしている仏教徒

 

3)金剛座(Vajrasana, diamond throne)

回廊歩道のすぐ隣には、ここで釈尊が悟りを開いたと言われる金剛座がありました。金剛座は菩提樹(Bodhi tree, Mahabodhi tree)の下にありますが、ここで釈尊は悟りを開く決心をして、1週間に亘って瞑想を続けていたと伝えられています。

現在、金剛座は柵に囲まれておりますが、その柵の中の金剛座を覗いたり、敬虔な信者がその手前に座ってお祈りを捧げている姿が見受けられました。

  金剛座の前でお祈りをしている人々

更に進むと、大きな菩提樹の下で、高僧の説教を聞きながらお経を唱えている信者が大勢いました。

  

菩提樹の下でお経を唱えている人びと

この近くにはガードマンがおり、私に“菩提樹の落ち葉だよ”と言って、一枚の落ち葉をくれました。

“その葉っぱには貴重な聖地のご利益があるよ”と説明してくれたので、帰国後も大事に保管しています。

  菩提樹の葉

 

ところで、金剛座については、いくつかの文献による記述があります。

中村元氏の著書、“釈尊の生涯” (平凡社)によると、釈尊は“アシヴァッタ樹(イチジク)の根もとで悟りを開いた“と書かれており、それは”正覚“(しょうがく)と呼ばれるが、彼の生涯のうちでもっとも重要な出来事である。”とも書かれています。又、“アシヴァッタ樹のもとで瞑想したと言うことは意味が深い。・・・釈尊がこの木の下で悟りを開いたから、アシヴァッタ樹は俗にボダイジュ(菩提樹)と呼ばれるようになった。”とも書かれています。そして、釈尊が成道した年齢は、35歳か36歳だったと推測しています。

 一方、長澤和俊の著書、“三蔵法師の歩いた道”(青春出版社)では、“ここ(アショーカ王が君主となったアパータリプトラ城)から南方へ百余里で、煉瓦の壁に囲まれた菩提樹がありました。正門は東方に開いて尼連禅河に対し、北門は大覚寺*に通じており、その中に聖跡や寺院が連接していました。これらの真中に金剛座がありました。釈尊が初めて悟りを開いた金剛座も、すっかり荒れはてていて法師の胸を強く打ちました。”と記されています。(筆者注:マハーボディ寺院を指すものと思います。)

 三蔵法師が訪れた7世紀の頃に比べると、今ではきちん整備されていて、ユネスコの世界遺産に指定されています。

 

4) 蓮池(Lotus pondとかMucalinda Lakeと言われています)

この池は。アショーカ王の時代に造営されたと言われています。ここは、釈尊が悟りを開いてから第6週目に瞑想を行っていた場所だそうです。この期間に釈尊は激しい暴風雨に見舞われたが、Nagarajaと言う蛇の王様に守られて無事だったというエピソードが残っています。池の中央に置かれた台座には、釈尊が蛇に守られている姿で座っています。

私は、この池を一周しましたが、途中で土手の芝生に座り、しばし釈尊が悟りを開いたときの心境を推察しながら、瞑想しました。

    

 入口から見た蓮池

                 

  入口の反対側から見た蓮池

 

5)祈りの場所

蓮池の西隣にお堂があり、香炉の近くでお祈りを捧げようとする善男善女が蝋燭に火を灯そうとしていました。私がここに来ると、お坊さんらしい人が近寄って来て、蝋燭を渡してくれました。その蝋燭に火を灯して、お堂の前に捧げました。お堂の中を見ると、沢山の蝋燭が並んでいました。

   蝋燭に火を灯す人々           

  お堂の前の香炉

   お堂の中に灯されている蝋燭  

 

6) 瞑想公園(Mahabodhi Meditation Park)

この公園は蓮池の東隣にあり入園は有料だったので入園者の姿は少なく、マハーボディ寺院の賑わいとは対照的に園内はひっそりとしていました。この公園は整備が行き届いていて、広い緑地の芝もきちんと刈られており、池の近くなどあちこちに東屋があり、入園者が瞑想できるようになっていました。

     

ここを最後にして、マハーボディ寺院の参拝を終えました。


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