激しい雨で小川の様に水が流れて来る坂道 Torrent of water flowing down the slope due to heavy rain
巡礼第15日目(2010年5月11日) 15th day (May 11th, 2010)
サモス → ポルトマリン 33km (天気:1日中雨)
Samos → Portomarine 33km (Weather: Rainy all day)
サモスからサリアを経由して、ポルトマリンまで歩くのが、本日の目標です。距離は33kmもあるので、雨天の中では少々きつい行程です。でも、風光明媚なポルトマリンで宿泊したかったので、チャレンジしてみることにしました。
今日は、スイス人のハインツとダニーのコンビと一緒に歩くことになりました。彼らは、3月1日にジュネーブを出発して以来、フランスを縦断して2ヶ月以上も巡礼を続けていると言うツワモノです。でも、折角同行してくれると言うので、頑張ってみることにしました。
修道院の宿舎は食事なしの素泊まりのみですので、朝7時半頃に修道院を出て、昨夜夕食を食べたバルで朝食を取りました。
この村からサリアまでは、殆ど平坦な自動車道の脇を歩くので、大して苦労はありません。10時頃には、サリアの入口に辿り着きました。
サリア入口の標識 Signboard at entrance to Sarria
サリアの市街地に入ると、馬に乗った巡礼者を見かけました。
サリア市内を行く馬に乗った巡礼者 Pilgrim on horsebackin Sarria
サリアは、人口が約1万3千人の街です。この町から聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラまでは120kmの道のりです。1日平均でゆっくりと20kmを歩くとしても、6日間で聖地に到着する距離です。
100km以上離れた地点からサンチャゴまで歩くと、サンチャゴの巡礼事務所で巡礼証明書を発行してもらえます。その様なことから、手軽にサンチャゴ巡礼を体験するために、ここから巡礼を始める人も多く、又団体ツアーで来るグループもあります。
従って、ここからは軽装姿の短期巡礼者が、一気に増大します。団体ツアーの場合、荷物は自動車で運搬してもらえるので、ハイキング気分の参加者も見られます。
さて我々は、サリアにて特に休憩することもなく、そのまま市街地を通り抜けて行きました。
サリアの市街地 Streets in Sarria
この街を通過して次に向かったのは、バルバデーロでした。ここで、昼食休憩を取った後、フェレイロスを経由して、ポルトマリンへと進んで行きました。
フェレイロスに向かう巡礼道は上り坂ですが、激しい降雨のために、上から小川が流れ落ちて来る様な坂道を登ると言う、苦難を強いられました(冒頭の写真参照)。これも巡礼の試練と解釈し、足元に気をつけて一歩一歩踏みしめて登って行きました。
又、数日来の雨続きで、あちこちに出来た泥んこだらけの道にも悩まされました。
泥んこだらけの巡礼道 Pilgrimage Road which is very muddy
フェレイロスを過ぎると、下り坂に変わりました。その下り坂を1時間ほど歩いてビラチャ付近を通った頃、十字架のモニュメントがありました。ここまで来ると、ポルトマリンまでは、1時間足らず道のりです。
十字架のモニュメント Cross monument in the vicinity of Villacha
17時頃、ポルトマリンの入口に到着しました。ここから、ミニョ川に架かる橋を渡ると、ポルトマリンの市街地に入ります。この橋のすぐ下流側は、ペレサール湖と呼ばれるダム湖になっています。ダム湖とは言え、スペイン巡礼の旅で見かけた湖は、ここだけでした。
ポルトマリンの入口 Entance to Portomarine
ポルトマリンに着くと、ほぼ雨は上がっていました。先ず真っ先にアルベルゲを探しました。街の入口の近くに1軒のアルベルゲがありましたが、既にベッドの空きはないと言われ、断られてしまいました。サリアからの巡礼者が大幅に増えたこともあり、先着者で満員となり、我々の到着は遅すぎた様です。
ダニーと私は、ホテルを探すことにしました。一方、ハインツは別のアルベルゲを当たってみるとのことで、ここでいったん別れることにしました。ダニーとハインツは二人とも携帯電話を持参していたので、後で連絡を取り合って夕食の店で落ち合う約束をしました。
ホテル探しも容易ではありませんでした。2-3のホテルを訪ねましたが、全て満室でした。これまでの巡礼の旅で、この様なことは一度もありませんでした。やっと二人部屋でよければ一部屋だけ空きがあると言うホテルがありましたので、ダニーと私は同じ部屋に泊ることにして、チェックインしました。
ポルトマリンで宿泊したホテル Hotel I stayed with Danny at Portomarine
このホテルは、村の中心部にあるサン・ニコラス教会のすぐ近くでした。この教会は12世紀建造の歴史的な建物ですが、以前はダム湖の湖底となる村落の中にあったそうです。しかし、1960年代のダム建設で水没する前に、そっくりそのまま現在の新市街に移設され、復元されたとのことです。村人達の歴史的遺産に寄せる愛着の深さを物語っています。
ポルトマリンのサン・ニコラス教会 San Nicolas Church at Portomarine
ところで、ハインツも何とか一夜を過ごすアルベルゲを見つけ出したとのことで、一安心しました。
ホテルでシャワーを浴びて暫らく休憩の後、市街地をぶらぶらしていると、メインストリートの一角にバルがありました。そこでハインツと落ち合い、夕食前のビールを飲みながら、雑談をしてひと時を過ごしました。
ポルトマリンのメインストリート Main street at Portomarine
このバルで、地元特産のアルコールを飲んでみたいと希望した所、“イエルバ”(hierbas)を勧められました。これは、冷やして飲むアルコール度の強いリキュールで、一種のシュナプスでした。今日のスペイン語の一語として、この“イエルバ”と言う言葉を覚えました。
今秋、ガリシア旅行を計画中。
大変な賑わいのようですね。
わたしはルーゴに滞在して、サリアからポルトマリンまでちょっと脱線しながら歩く予定です。
雰囲気が分り、参考になりました。
写真もありがとうございました。