ポンテカンパーニャのアルベルゲに置かれた大きな帆立貝のオブジェ
Object of large scallop placed at albergue of Pontecampana
巡礼第16日目(2010年5月12日) 16th day (May 12th, 2010)
ポルトマリン → ポンテカンパーニャ 28km (天気:曇時々小雨)
Portomarine → Ponte Campana 28km (Weather: Cloudy, sometimes a little rainy)
この日は特に目的地を特定せずに、パーラス・デ・レイを過ぎて、さらに暫らく歩いた付近の小さな村を、漠然と目標に想定しました。小さな村のアルベルゲは、余り込み合っていないと考えたからです。
朝8時半にホテルを出発し、橋の向こうにベレサール湖を眺めながら、昨日より下流のミニョ川の橋を渡りました。
橋の向こうに見えるベレサール湖 Belesar lake seen beyond the bridge
橋を渡って巡礼道に入ると、すぐに馬に乗った巡礼に追い抜かれました。
馬に乗った二人の巡礼 Two pilgrims on horseback who passed us
暫らくの間、森の中の巡礼道を歩くと、自動車道に出て来ました。この自動車道に沿ったセンダを歩いていると、軽装の巡礼の一団が前方に見えて来ました。
軽装の巡礼の一団 A group of lightly armed pilgrims
その後、1時間ほど歩いた頃、一面の菜の花畑が現れました。この巡礼で初めて見た光景でした。
一面に咲いている菜の花畑 Vast field of rape blossoms
オスピタル・デ・ラ・クルースに着いたとき、ここで昼食にしました。その時に知った情報では、気温が9℃でした。
オスピタル・デ・ラ・クルースの次は、パーラス・デ・レイを目指して緩やかな下りの巡礼道を進みました。その道中は、みずみずしい緑に包まれた林が続いていました。ガリシア州に入ってから、緑の景色が多くなりました。
パーラス・デ・レイに向かう順礼道 Pilgrim Road toward palas de Rei
パーラス・デ・レイの村に入ると、男女の巡礼者が両手を挙げている彫像がありました。
男女の巡礼者の彫像 Statue of man and woman pilgrims
この村から約30分程歩くとサンシャオの村をを通りますが、この村外れの谷川の畔にぽつんと孤立した1軒のアルベルゲらしき農家を見かけました。近くまで来たらアルベルゲでしたので、その日はここに宿泊することにしました。そこは、ポンテカンパーニャと言うでした。
アルベルゲの入口側 Entrance side of albrgue at Pontecampana
ドアをくぐって内部に入ると、そこは食堂でしたが、周りの壁に骨董品のような農機具がたくさん飾られていました。食堂脇の受付でダニーが宿泊の相談をしていると、丁度4個のベッドがある部屋が空いているとのことでした。我々3人に対して一人当たり12ユーロの負担ですので、即座にその部屋に泊ることにしました。又、ここは民営ですので、料金は別途負担ですが、夕食も朝食も用意して貰えるとのことで、好都合でした。
一旦、部屋に荷物を置いて一段落の後、私は一人で付近の散策に出かけました。
先ず最初に目に付いたのは、これまで見たことのない高床式の木造の倉庫でした。一見、正倉院の校倉造りとそっくりですが、サイズは小ぶりです。それは、オーレオ(Horreo)と呼ばれ、ジャガイモやトウモロコシなどの農作物の保存に使われる倉庫でした。風通しがよく、ネズミやリスなどの侵入も防げるようになっているので、農作物の長期保存に適しているそうです。オーレオの起源は、ローマ帝国の時代まで遡るとのことですから、長い歴史に耐えて現在でも活用されていることに、驚きを感じます。
ポンテカンパーニャで見たオーレオ Horreo noticed at Pontecampana
また、この周辺には、放牧地や農場があり、牧畜家や農夫が働いていました。
ウシの放牧地で作業をする牧畜家 Herder working at cow meadow
農作業に精を出す農夫 Farmer engaged in agricultural job
散歩を終えてから、アルベルゲ裏庭のテラスでハインツとダニーに合流し、ビールやジントニックを飲みながら、暫しゆったりとしたくつろぎの時間を過ごしました。
アルベルゲ裏庭のテラス Terrace at backyard of albergue
この裏庭には、大きな帆立貝のオブジェがありました(冒頭の写真参照)。
夕食の時間になると、我々3人以外は、ドイツ人のグループ4人と地元のスペイン人が7人で、総勢約14人が食堂に集まりました。ドイツ人の中にはひとりの女性がおりましたが、知的な風貌の美人でした。スペイン人が多かったため、言語の問題で意思疎通が難しく、全般的に食卓での会話は控えめで、静かに時間が過ぎてゆきました。
夕食を終えて、自分達の部屋に戻ったから、今日の1日を振り返りました。
最も印象に残ったのは、新参の巡礼者が目立ったことです。恐らくその大多数は、パラス・デ・レイに投宿しているものと思われます。又、このアルベルゲで一緒になったスペイン人グループもサリアから巡礼を始めた人たちかも知れません。
もうひとつ記憶に残ったのは、途中の道で出合ったひとりの若い女性です。彼女は前方を歩いていたのですが、歩行リズムに従って、背中のリュックにぶら下げた貝殻が右に左にと大きく揺れ動くので、その動きが面白おかしくて、後ろ姿を追って歩いていました。暫らくしてから追い越すときに“オーラ!”と挨拶し、“どちらから来たのですか?”と訊ねると、“オーストリアですよ。ザルツブルグから約100kmほど離れた村ですよ”との答えでした。 そして、“ブエン・カミーノ!”と言葉を交わして別れました。
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