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サンチャゴ巡礼総集編 (大聖堂) Pilgrimage to Santiago, Highlight (Cathedrals)

2012-08-18 | スペイン巡礼 Pilgrimage in Spain
サンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂の西側正門 West facade of Santiago de Compostela Cathedral


  2009-2010年にサンチャゴの巡礼道を歩きましたが、そのルートにある大聖堂のハイライトをまとめました。

  サンチャゴ巡礼のルート、フランス人の道には、六つの大聖堂が存在します。

  出発地のサンジャン・ピエ・ドゥ・ポールから順に数えると、パンプローナログローニョブルゴスレオンアストルガ、そして最後にサンチャゴ・デ・コンポステーラとなります。

  大聖堂の建築様式は、建築時期によって変遷します。9-12世紀はロマネスク様式、12-15世紀はゴシック様式、15-16世紀はルネッサンス様式、17-18世紀はバロック様式が主流となっています。

  現存する大聖堂ではサンチャゴ・デ・コンポシテーラ大聖堂が最も古く、12世紀初期に完成した建築で、ロマネスク様式です。パンプローナ大聖堂、ログローニョ大聖堂、ブルゴス大聖堂、レオン大聖堂は、何れも15-6世紀に完成した建築で、ゴシック様式です。アストルガ大聖堂は18世紀に完成しましたが、複数の建築様式が混在していると言われています。

  ところで、祀っている聖人は、サンチャゴ大聖堂は聖ヤコブですが、その他はすべて聖母マリアを祀っています。

  
1.パンプローナ大聖堂 Pamplona Cathedral



  私がこの大聖堂を訪れたときは、生憎工事中で、内部の見学は出来ませんでした。

  パンプローナは、10世紀から16世紀まで続いたナバーラ王国の首都として栄えましたが、この大聖堂は15世紀に完成したゴシック様式の教会です。特に、回廊はスペインでも有数の美を誇ると言われています。

  18世紀末に造られたファサドは、バロック様式と新古典主義が混在している様です。ここには、この大聖堂を建造したナバーラ王カルロス3世と妃の墓があります。

2.ログローニョ大聖堂 Logrono Cathedral



  この大聖堂は、12世紀のロマネスク様式の教会の跡地に建設されました。完成時はゴシック様式ですが、1700年代に増築されたツイン・タワーはバロック様式です。この建物は、ログローニョの中心街にあるメルカド(マーケット)広場に建っています。

  私がここを訪れたときは、結婚式が行なわれており、内部の見学は出来ませんでした。

3.ブルゴス大聖堂 Burgos Cathedral



  この大聖堂は壮麗なゴシック建築の代表作です。スペインで最も素晴らしい大聖堂のひとつといわれており、1984年にユネスコの世界遺産に登録されています。内部には、見ごたえのある祭壇を備えた礼拝堂が10ヵ所以上もあり、必見です。
  
  1221年に、カスティージャ王国のフェルナンド3世のの治世下で着工されましたが、以前はロマネスク様式の聖堂があったとのことです。大聖堂の西側に聳える、高さが84mのツイン・タワーはブルゴスの象徴的建造物です。ここには、11世紀にレコンキスタで活躍したエル・シドの墓所があります。
  
4.レオン大聖堂 Leon Cathedral



  最初、この大聖堂の位置にはローマ軍団の大規模な浴場がありました。大聖堂の建設は、初回は10世紀、第2回目は11世紀で、ロマネスク様式でした。現存する大聖堂は第3回目で、15世紀に完成しました。スペインゴシック様式の優れた例と言われています。  私がここを訪れた日は5月3日でしたが、昼間の気温が11-12度に過ぎず、ブルブル震えながら、他の巡礼仲間と共に、約1時間見学をしました。 


5.アストルガ大聖堂 Astorga Cathedral



  アストルガは、人口が1万人少々の町です。大聖堂のある他の町は人口が10万人台ですので、このちっぽけな街に大聖堂があるのが不思議な気がします。しかし、歴史を調べると、スペインで最初に設置された司教座3ヵ所のうちのひとつがアストルガで、アストルガ司教の地位はヨーロッパ最古の信仰の義務を負っていたと言う背景がある様です。

  この大聖堂は、ロマネスク聖堂の跡地ににて1471年に着工されました。完成は18世紀ですが、建築時期に応じてゴシック様式、ネオクラシック様式、ルネッサンス様式、バロック様式が混在しています。

  この大聖堂のすぐ近くには、17-18世紀に建造された歴史的建造物のタウンホールがあります。私は、その向かいのレストランで、他の巡礼仲間と一緒にゆっくりと昼食を取ったことが思い出されます。


6.サンチャゴ・デ・コンポステーラ大聖堂 Cathedral de Santiago de Compostela

  冒頭に、オブラドイロ広場(大聖堂の西側)に面したファサッドの写真を掲載しました。このファサッドは17世紀にバロック様式に改築されております。

その他、色々な方角から眺めた写真を、以下に示します。

a.   b.   c.
大聖堂を眺めた位置 Views from various viewing points
a.インマクラーダ広場(北側)Plaza de la Inmaculada (North side)
b.キンタナ広場(東側)Plaza de la Quintana (East side)
c.プラテリアス広場(南側)Plaza de las Platerias (South side)

  伝説では、9世紀に星に導かれた羊飼いがこの地で聖ヤコブの墓を発見し、遺骨を祭った聖堂が建てられ、そこに教会が作られたとされています。1075年に、その跡地に大聖堂の建設が始まり、12世紀初めに完成しました。ロマネスク様式の建築でした。

  スペインのユーロセント・コイン1,2,5セント貨の裏側には、この大聖堂が刻まれています。

  私がサンチャゴ・デ・コンポシテーラ大聖堂を訪れたのは2010年、即ち聖なる年でした。この年は聖なる門が開門される年です。私は、巡礼仲間とキンタナ広場で待ち合わせ、聖なる門から入場して、聖ヤコブの彫像を拝みました。それからこの大聖堂を一周した後、プラテリアス門から入場し、正午のミサにも参加しました。

  大聖堂も含めて、サンチャゴ・デ・コンポステーラの旧市街は、ユネスコの世界遺産に指定されております。  


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