映画“星の旅人達”の主人公、トム
昨日、サンチャゴ巡礼をテーマにした映画、“星の旅人達”(原題は、"The Way")を見てきました。
2009年から2010年にかけて、私はこの道を歩いて来ましたので、映画の色々なシーンを見ながら、私の体験と照らしてとても懐かしく思いつつ鑑賞しました。
この映画のあらすじは、次の通りです。
主人公は、団塊の世代に属するアメリカ人に眼科医、トム(マーティン・シーン)です。彼には、一人息子のダニエルがおります。ある日突然、その息子の悲報を知らされます。ダニエルは、サンチャゴ巡礼の旅に向けてピレネーを越えようとしたときに、嵐の中で命を落したのです。トムは、遺体をの引き取るために、急遽アメリカからフランスのサン・ジャン・ピエ・ポー警察署に赴きます。
トムは、現地に着いた夜、なぜダニエルがサンチャゴへの道を歩こうとしたのか、その謎を特に解くために、自らその道を歩こうと決意します。サンチャゴ巡礼とは一体いかなる事かも全く知らぬままの決断ですから、無謀な話です。しかし、彼の決意は、息子の遺志を適えてあげようとしたものでした。ダニエルの遺灰を納めた箱を背負って、ピレネー越えの800kmの旅路に挑戦します。
冒頭の写真にあるように、トムが歩き出してから間もなく、十字架のモニュメントとか、巡礼道の道しるべなどのある個所で、祈りを捧げながら息子の遺灰を少しづつ撒いて歩く姿を見て、胸にジーンと響く感慨を覚えました。
道中、先ず最初に太っちょのオランダ人、ヨスト、次いでチェーン・スモーカーのカナダ人女性、サラに出会います。その後、挫折に悩む小説家、アイルランド人のジャックとも道連れになり、この4人で一緒に歩き出します。
巡礼道を歩く4人の巡礼者の一こま
国籍のみならず、経歴も、性格も、人生観もバラバラの背景を持ち、それぞれが独自の事情を抱えて巡礼道を歩いております。トムは最初の間は固く心を閉ざし、他の3人とは殆ど会話を交わしません。しかし、日夜行動を共にするにつれて、親近感が深まり、お互いに助け合いながら、無事に聖地、サンチャゴ・デ・コンポステラに到達すると言うストーリーです。
俳優の国籍を調べてみると、トムはアメリア人、ヨストはオランダ人、サラはカナダ人、ジャックはアイルランド人で、映画での役柄と一致しており、リアリティーの迫力を納得しました。
次の、この映画のハイライトが収録されておりますので、ご覧下さい。
Hilight of the movie, "The Way"
巡礼道を歩くのは、“自分探しの旅”などと言われます。日常生活から飛び出して、見知らぬ風景、人々、気候、文化などと出会い、異質の経験を通じて、自分の人生観を見つめなおすこときっかけが出来る事は、確かと思います。
日本人から見ると、遥か彼方の別世界の話に思われるかも知れません。映画ですから、一部は誇張されていたり、滅多にありえない話もありますが、概ね自分の体験に重なる事も多く、深く共感を覚えました。
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