植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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ミニトマトに被害!トマトサビダニとハダニ

2024年08月17日 | 家庭菜園

今年はミニトマトを2品種作りました。ぷるるんミニとシュガープラムです。それぞれ、脇芽挿しで増やしてプランターにも植えつけたのですが・・・

親かぶは元気なのですが、挿し芽から育てた方は上の写真のように茎が茶褐色に変色し下の方から枯れ上がってきてしまいました。さらに肝心の実はというと・・

が〜〜ん。果実表面は鮫肌状で亀裂もあったりで全く食べられそうにありません。上の写真はぷるるんミニ。一方、シュガープラムの方は、茎葉の症状は同程度で実つきは悪かったもののトマトの収穫はできました。

茎を拡大するとこんな感じで異常が一目瞭然。

株の上の方では、茶褐色の部分が正常な緑をどんどん浸食して上に広がっていて成長点に迫ってきていました。これは大変!!

早速、顕微鏡で観察してみると・・・

うげっ。気持ち悪い・・ブログ開設初期から立て続けにこんな投稿ばっかでごめんなさい。農産物の病害虫を扱うとねぇ・・・そのうち綺麗なお花の写真も載せていきたいので待っていてください。

この症状の主犯はトマトサビダニ。体長は0.18mmくらいのくさび形で黄褐色しています。前方に2対4本の足があります。一般的にダニは8本足ですが、この種は4本なんですね。白〜薄黄の丸いものはダニの卵。トマトの茎が緑から茶褐色に変わる境界付近に莫大な数のダニが生息していました。相応に卵もたくさんです。一方、完全に褐色に変わってしまった下方の茎では、ここに比べてダニは少数でした。もう一枚写真を・・・

赤矢印がトマトサビダニ。この写真の三匹はいずれも右方向を向いています。黄色矢印はトマトの腺毛で先端に粘液がついています。腺毛はダニの増殖に抵抗するそうです。でもダニは腺毛を駆逐しながら増殖していくそうで、トマトが栄養不足などで元気ないとこの害虫に負けてしまうようですね。この鉢の1.5mほど離れたところに親株を地植えしてますが、そちらには今のところサビダニの症状は出ていません。

トマトサビダニに比べると数は少ないですがハダニも住んでおり、白矢印はその脱皮がらです。ハダニの写真も撮ったよ・・

こちらはサビダニに比べるとちょっとかわいい・・かな?サビダニに比べ体は大きい。両肩に赤い点があるのがチャームポイント。足が6本しかなかったのでハダニの幼虫でしょうか。細い糸状のものは、ダニが出した糸です。こいつらも栽培後期に大発生で葉っぱが糸だらけになることもあります。


そして・・またしても動画作ってしまいました。サビダニの足がゴニョゴニョ動くのが気持ち悪すぎて悪夢を見そう・・ダニが出した糸をまるでギターを弾くみたいにしていたのでBGMはそれらしい明るいのにしておきました。それでも、どうにも気持ち悪さは緩和できない・・・

トマトサビダニとハダニ


ハダニやチャノホコリダニに比べて動きはゆっくりめ。とは言っても動画を見てもわかるように4本足を駆使して着実に移動しています。世代繰り返しながら領地拡大!何もしなかったらこの鉢植えのミニトマトは確実に枯れてしまいますね。

・・ということで農薬のモベントフロアブルを散布。この農薬は100ml 2200円くらい。ちょっと特殊なので家庭菜園で使っている人は少ないかも。脂質の生合成を阻害するという作用機序のため虫の成長段階に有効であり成虫には効果が出にくく即効性は期待できないという。でも、浸透移行性と長い残効があるし、ダニだけでなくアブラムシやアザミウマもやっつけてくれます。それなのに天敵のヒメハナカメムシには影響が少ないという優れた特徴が。なので、ミニトマトのほか、ヒメハナカメムシが住んでいたナスやきゅうりにもまとめて散布してやりました。これでダニ被害はおさまるといいんですけれど。


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