植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
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きゅうりの巻きひげが巻く理由とは?

2024年09月18日 | 植物の生態

今回は、きゅうりの巻きひげについてです。タイトル用の写真を準備しようとしたところ、全然撮っていないのに気づきまして。既に家庭菜園から撤収した後だったので仕方がないので水彩画を描いてみました。支柱が1本しかないのもヘンなのですがこれは想像上の絵、背景の里山も想像で描きました。

今年はつるおろし栽培をした関係で巻きひげは邪魔な存在でした。なので気づいたら切除することを繰り返していてほとんど観察はできませんでした。そうした中、撤収前に巻きひげを顕微鏡で観察することにしたのです。

巻きひげはバネ状になっていて弾力を出すことで風雨からの力を受け流しています。バネがそうであるようにその断面は円形と思い込んでいましたが、そうではありませんでした。

このように かまぼこ形をしていました。平らな面が外側で山形の方が内側となっていました。巻いていない巻きひげはどうなのか、と気になるところですが撤収済みでそのサンプルもありません。来年栽培した時に調べたいと思います。また機会があればインゲンやエンドウなど他の種の巻きひげでも調べてみたいと思います。

次にその断面を顕微鏡で見てみると・・

これはサフラニンO染色をしたもの。リグニンが沈着して固くなった部位や木部などが赤く染色されています。このように木部はつるの内側に寄っていること、そして、内側の表皮やそれと道管の間の層が赤く染まったことでそこにリグニンが沈着していることが推察できました。リグニンは、特に樹木の強度を保つ成分として知られているように硬い物質、そのためそれが沈着する側では細胞の伸長が抑えられます。その一方、巻きひげの外側ではそれがないので伸びやすくなり、その差により沈着側を内側に巻いて丈夫になっていくという仕組みです。

巻きひげは葉が変形したもので葉に表裏があるように巻きひげにも表裏があるそうです。きゅうりの場合はどうなのでしょうか。色々な部位で観察してみないとわからないかも。それからきゅうりの巻きひげと言えば途中で巻く方向が変わる反旋点の存在。それらの観察や巻き始めるきっかけの接触屈性についても来年の課題にしたいと思います。


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