今回は 春〜晩秋の花壇で大活躍のアゲラタムと、夏場の貴重な葉物野菜のエンサイについてです。エンサイの別名に空芯菜、ヨウサイ、アサガオナがあり中国野菜として炒め物を中心に利用されています。
まずはアゲラタム(キク科カッコウアザミ属)から。
アゲラタムは紫色の細い花弁がたくさん集まって咲くのでふわっとした感じになります。黄花のメランポジュームと補色の関係で花壇でも相性がとても良いです。両者とも開花期間が長いです。霜が降りる晩秋まで元気に咲き続けてくれる優秀な植物たちです。午後に撮影したため、一緒に写っているマツバボタンの花が閉じていたのは残念。
切り戻したアゲラタムの茎を8月29日に水に差しておいたら・・・
それから6日で発根を確認、この写真は9日目です。撮影時点で茎の1本だけ根が出ていませんでしたがその後 無事に発根、100%の成功率です。これを土に植えればしっかりとした株になりますよ。実際問題、作った株を活用するのであれば今からでは遅すぎです。私は毎年春に購入した際、たくさんの挿し穂を作って子株を育てています。成長も早いので種から育てるより効率的です。
実は同時にメランポジュームも水に挿しておいたのですが、こちらは切り口から腐りました。同じキク科でも植物によって全然性質が違います。何が発根力を高めているのか興味ある所です。
次に家庭菜園で育てているエンサイです。こちらの発根力にも目を見張るものがあります。
まずは枝ぶりから
こんな感じ。葉の出方は上の葉と下の葉を角度をつけて展開することで太陽の光を効率的に浴びられるようになっています。
空芯菜という名の通りに茎の中は空洞です。これにより調理の面ではシャキシャキ感を保ちながら味付けがしっかりできるというメリットがあります。植物視点では、茎と中空が円形なので材料を節約しながらも丈夫にできるというメリットがあります。タンポポや竹など成長の早い植物がこの戦略をとっています。
具体的にどのように中空になっているのかを調べてみました。それが下の2枚の写真です・・
まずは下の方の茎から。下の方では中の空洞が大きくなっています。葉柄も中空になっていました。葉脈になった所で空洞は無くなりました(写真のブーメラン形の破片)。そして竹と同様に枝が出る部分(節)では中空にはならずに中に「仕切り」がありました。その仕切りは、エンサイでは弾力のある白い膜のようでした。この構造は茎の折れにくさにも貢献しています。
茎の先のどこまで中空なのか関心あったのでさらに上を切ってみると・・
写真のように、展開前の葉がつく節の下側で中が詰まっていました。このように先端ギリギリのところまで中空にして節約しているのですね。成長が早いのも頷けます。油断していると、あっという間に隣の畝に遊びに出ちゃう困り者でもあります。
次に発根能力の凄さについて。下の3枚の写真は茎を水につけて24時間後、48時間後、72時間後に撮影したものです。
驚くことに、切って24時間でこんなにも根が伸びていました。水につけてあった節、全部からの発根です。根の長さを測ったところ、約11mm(一番上の節)でした。
48時間後でさらに伸びました。前回測った根は長さが31mmになっていました。
72時間で長さが57mmになっていました。そして側根が出始めていました。アゲラタムが1週間弱で発根するのもすごいけれど、エンサイの発根力は桁違いですよね。驚きました。
最後に根がどこから出ているのかは押さえておきました。
根は節から出ていました。具体的には葉柄の付け根の両側からです。
それではこれから空芯菜のガーリックソテーでいただきたいと思います。鰹節を乗せたおひたしもかなりイケますよ。
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