2月19日(日)
時々
3年ぶりに南房総を訪れた。前回のときに登った御殿山は、冬でも照葉樹が繁り、緑の中の楽しい山歩きだった。御殿山の頂上から見えた印象的な双二峰の富山(とみさん)という山(こちらの写真の左奥に見える山)が、房総の名山と言われていることもその時知った。「次は登ってみたい…」と思っていたその富山に登った。
登山口の岩井は、学生時代合唱部の合宿で毎年訪れた懐かしい場所。バスで何時間もかかったが、今では家からだと、首都高-アクアライン-富津館山道を使えば1時間半程度で着いてしまう。便利になったものだ。中央道のような渋滞も全くなく、快適そのもの。便利にはなったが、岩井の街並みは以前とあまり変わっていない。
富山(とみさん)登山
ネットやガイドで調べたところ、富山へ登るハイキングコースは、途中南総里見八犬伝ゆかりの伏姫籠穴を訪ねる周遊コースが楽しそう。出発地点となる福満寺の手前に広い無料駐車場がある。ここに車を停めて、富山へのハイキング開始。福満寺までの歩道の脇のあちこちにスイセンが咲いていた。
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ガイドによれば、富山はスイセンの群落で有名という。途中で何箇所かで大規模なスイセンの群落を見かけた。例年ならもうそろそろ見納めかという頃だが、この冬の寒さの影響で、見頃はまだもう少し先という群落が多かった。そんな中、登山を始めて約25分でやってきたここのスイセン群落は今がちょうど見頃。甘い芳香があたりに漂い、桃源郷のようなところだった。
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コースには階段が多く見られるようになってきた。結構息は上がるが、道は整備が行き届いているので危なっかしいところはない。標高はたった340mの山だが、信仰の山らしく何合目という表示が出ていた。
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登り始めて約1時間で富山の南峰に着いたもよう(山頂の表示がわからなかった)。ここには結構立派な社が建っていて山頂という雰囲気はない。展望も効かない。
何日か前に東京で降った雪はすぐ融けてしまったが、この南峰山頂やこれから行く北峰山頂には、新しい雪が結構残っていた。南房総は暖かいイメージがあるだけにビックリ。
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水たまりがこんないガチガチに凍っていてこれにもビックリ。
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南峰から約20分で北峰山頂(349.5m)に到着。広い山頂広場にはベンチとテーブルがあちこち置かれ、櫓のような展望台が設置されているが、三角点があるこの地点は、広場から少し外れたところにある。
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山頂広場でお昼休憩。用意してきたおにぎりを食べる。でもこのあと寿司屋へ行く予定なので、おにぎりは一人1個でガマン。
山頂の人出はそこそこで、中高年のグループで賑やかだった。展望台からの眺めは360度の大パノラマが広がる。残念ながら富士山は望めなかったが、鋸山や東京観音、房総半島の遥か沿岸まで見渡せた。
東京観音は肉眼だと白い突起が見えるだけだが、双眼鏡で覗いたらちゃんと観音様の姿が見えた。近くにいたおばちゃん達にも双眼鏡を見せてあげたらとても喜んでくれた。
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北峰からの南峰の眺め。南峰にいたときはよくわからなかったが、ちゃんとしたピークがある。南峰では展望が効かず、北峰を見ることはできなかった。
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道はやがて林道に合流する。林道をテクテクと下り続けると、右側に立派な門構えの山門がある。きれいなトイレもあり、杖置き場もあった。ここが伏姫籠穴への入口。ただの入口なのに随分立派だし風情がある。ここから参道を5分ほど登ったところに伏姫籠穴の洞窟があった。中に入ると、そこには伏姫を象徴する大きな玉があり、それを取り囲むように「仁義礼智忠信孝悌」とそれぞれ書かれた8つの玉が鎮座していた。
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滝沢馬琴の原作は読んだことがないので、この玉を見るとどうしても昔NHKでやっていた人形劇「新八犬伝」の「♪いざとなったらタマを出せ!」という歌を思い出してしまう。人形劇をやっていたのは小学生の頃で、友達同士ふざけてこの歌を歌いながら、自分らのタマを見せ合って大笑いしていたっけ。。。
洞窟の手前には、やはり八つの玉が等間隔で円周上に配置された踊り場などもあり、ここはちょっとしたパワースポットの観があった。
コース周遊に要した時間は正味で3時間弱。お寺やスイセンの群落、洞穴などの見どころがあって、変化に富んでいて楽しい。道はけっこう傾斜もあり、ほどほどにいい運動にもなり、半日ハイクとしてはとてもお手頃だった。
《行程》
駐車場10:15 →福満寺10:25 →富山南峰11:30 →富山北峰11:50(昼休憩 0:45) →伏姫籠穴13:30→駐車場14:00
巴寿司
富山のハイキングを終えたあとは、いつものお決まりのコースを巡った。まずは白浜にある地魚寿司がおいしい巴寿司。電話をしておいたので、着いたらすぐに寿司にありつくことができた。「なかなか水揚げしない高級魚」というヒラスズキが入っていて嬉しすぎ。ここの寿司は本当にうまい。一緒に食べたさんが焼きとサザエの壷焼きもうまかった!
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生姜がのっているカツオから時計回りで、サワラ、金目鯛あぶり、ブリ、ヒラスズキ
花摘み~潮風王国~ばんや
それから千倉で花摘み。いつもは千倉に近づくとあたりはお花畑が広がっているのだが、今回は花が寂しい。寒い冬の影響だろうか… でも南房総は花摘みは1月でもできるし、いくら寒いといっても2月中旬なんだから花摘みはできるはず。
いつも行くお花畑はとりあえず花が咲いていた。おじさんが歓迎してくれた。寒さのせいで開花が遅れているとのこと。それに、周囲のお花畑で更地が目立った。採算が取れなくて花を作らないところが多くなってしまったとのこと。ちょっと寂しい。
おじさんのお花畑でもまだツボミの花が多かったが、いつものようにストック、キンセンカ、矢車草など、色とりどりの花を思い思いに摘んだ。
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おじさんはたくさんおまけしてくれたうえに、「ちょっと待ってて」といって、香りのいいスイセンを摘んできてくれた。3年前に一緒に撮った写真をあげて、今回また一緒に写真を撮った。帰り間際に出かけていたおばさんも戻ってきて、少しだけれど話ができた。二人に見送られて、すぐ先にある道の駅「潮風王国」へ…
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「潮風王国」は5時閉店。ぎりぎり5分前に滑り込んだ。海産物メインになんとか買いたいものをゲットできたが、とても慌しかった。5時閉店はいつもながらちと辛い。。。
閉店で追い出され、暮れゆく海辺で、外に展示してある漁船に乗ったり、磯遊びをしたりして楽しんだ。
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帰り道、保田にある「ばんや」でまたお風呂に浸かり、晩飯に地魚料理を食べた。イカの生姜焼き、イカ天丼、太刀魚の塩焼き… どれも美味しかった。このままここで泊れれば極楽なのだが、帰りの高速も全く渋滞がなくてありがたかった。中央道とは大違い!行きも帰りもスイスイで、南房総がますます好きになった。
春を先取り 南房総 伊予ヶ岳登山(2013.2)~
御殿山登山 ~あったか南房総旅日記(2009.2)~
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3年ぶりに南房総を訪れた。前回のときに登った御殿山は、冬でも照葉樹が繁り、緑の中の楽しい山歩きだった。御殿山の頂上から見えた印象的な双二峰の富山(とみさん)という山(こちらの写真の左奥に見える山)が、房総の名山と言われていることもその時知った。「次は登ってみたい…」と思っていたその富山に登った。
登山口の岩井は、学生時代合唱部の合宿で毎年訪れた懐かしい場所。バスで何時間もかかったが、今では家からだと、首都高-アクアライン-富津館山道を使えば1時間半程度で着いてしまう。便利になったものだ。中央道のような渋滞も全くなく、快適そのもの。便利にはなったが、岩井の街並みは以前とあまり変わっていない。
富山(とみさん)登山
ネットやガイドで調べたところ、富山へ登るハイキングコースは、途中南総里見八犬伝ゆかりの伏姫籠穴を訪ねる周遊コースが楽しそう。出発地点となる福満寺の手前に広い無料駐車場がある。ここに車を停めて、富山へのハイキング開始。福満寺までの歩道の脇のあちこちにスイセンが咲いていた。
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![]() | 歩き始めて10分ほどで福満寺に着いた。ここで出迎えてくれる仁王像は、もともとは富山の山頂にあったものとのこと。 境内にはきれいなトイレがある。車を停めた駐車場には簡易トイレがあってそこを使ったが、こっちの方がはるかにキレイ。トイレの前には登山用の杖がたくさん用意されていて、信仰の山の趣がある。登山道はこの福満寺の脇から始まる。 |
登山道は簡易舗装がされているが、路面の多くは枯れ葉や枯れ枝などに覆われていて道幅も狭く、歩いている感じは悪くない。 照葉樹の多い道は3年前に登った御殿山に似ている。見上げると、これはマテバシイだろうか、枝葉同士がジグゾーパズルのようにお互いに噛みあって納まっていた。影の部分をできるだけ作らず、日の光を平等に浴びる工夫だろうか、それとも重なり合った部分が落ちてこんな風になったのだろうか。とてもおもしろい。 | ![]() |
ガイドによれば、富山はスイセンの群落で有名という。途中で何箇所かで大規模なスイセンの群落を見かけた。例年ならもうそろそろ見納めかという頃だが、この冬の寒さの影響で、見頃はまだもう少し先という群落が多かった。そんな中、登山を始めて約25分でやってきたここのスイセン群落は今がちょうど見頃。甘い芳香があたりに漂い、桃源郷のようなところだった。
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![]() | 登山道にはシイやカシなどの大木が繁り、真冬でも緑豊か。所々で咲くツバキの紅色が、コースに更に色を添えている。 緑の木々が太陽の光をいっぱい浴びているのを見ていると、風は冷たくても気分はポカポカしてくる。登り坂は結構な斜面なので、体もポカポカしてきた。 |
コースには階段が多く見られるようになってきた。結構息は上がるが、道は整備が行き届いているので危なっかしいところはない。標高はたった340mの山だが、信仰の山らしく何合目という表示が出ていた。
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登り始めて約1時間で富山の南峰に着いたもよう(山頂の表示がわからなかった)。ここには結構立派な社が建っていて山頂という雰囲気はない。展望も効かない。
何日か前に東京で降った雪はすぐ融けてしまったが、この南峰山頂やこれから行く北峰山頂には、新しい雪が結構残っていた。南房総は暖かいイメージがあるだけにビックリ。
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水たまりがこんないガチガチに凍っていてこれにもビックリ。
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南峰から約20分で北峰山頂(349.5m)に到着。広い山頂広場にはベンチとテーブルがあちこち置かれ、櫓のような展望台が設置されているが、三角点があるこの地点は、広場から少し外れたところにある。
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山頂広場でお昼休憩。用意してきたおにぎりを食べる。でもこのあと寿司屋へ行く予定なので、おにぎりは一人1個でガマン。
山頂の人出はそこそこで、中高年のグループで賑やかだった。展望台からの眺めは360度の大パノラマが広がる。残念ながら富士山は望めなかったが、鋸山や東京観音、房総半島の遥か沿岸まで見渡せた。
東京観音は肉眼だと白い突起が見えるだけだが、双眼鏡で覗いたらちゃんと観音様の姿が見えた。近くにいたおばちゃん達にも双眼鏡を見せてあげたらとても喜んでくれた。
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北峰からの南峰の眺め。南峰にいたときはよくわからなかったが、ちゃんとしたピークがある。南峰では展望が効かず、北峰を見ることはできなかった。
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下山は、一旦南峰と北峰の鞍部まで戻り、来た道とは別の、八犬伝ゆかりの伏姫籠穴に立ち寄る周遊コースを選んだ。登りの道に比べて杉の植林が多く、花粉症の身としてはちょっとイヤだったが、やはり寒い冬のおかげで花粉の飛散も遅れているようで、クシャミは出ずに済んだ。野鳥がさえずりながらあちこち飛び回る姿がかわいい。 | ![]() |
道はやがて林道に合流する。林道をテクテクと下り続けると、右側に立派な門構えの山門がある。きれいなトイレもあり、杖置き場もあった。ここが伏姫籠穴への入口。ただの入口なのに随分立派だし風情がある。ここから参道を5分ほど登ったところに伏姫籠穴の洞窟があった。中に入ると、そこには伏姫を象徴する大きな玉があり、それを取り囲むように「仁義礼智忠信孝悌」とそれぞれ書かれた8つの玉が鎮座していた。
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滝沢馬琴の原作は読んだことがないので、この玉を見るとどうしても昔NHKでやっていた人形劇「新八犬伝」の「♪いざとなったらタマを出せ!」という歌を思い出してしまう。人形劇をやっていたのは小学生の頃で、友達同士ふざけてこの歌を歌いながら、自分らのタマを見せ合って大笑いしていたっけ。。。
洞窟の手前には、やはり八つの玉が等間隔で円周上に配置された踊り場などもあり、ここはちょっとしたパワースポットの観があった。
コース周遊に要した時間は正味で3時間弱。お寺やスイセンの群落、洞穴などの見どころがあって、変化に富んでいて楽しい。道はけっこう傾斜もあり、ほどほどにいい運動にもなり、半日ハイクとしてはとてもお手頃だった。
《行程》
駐車場10:15 →福満寺10:25 →富山南峰11:30 →富山北峰11:50(昼休憩 0:45) →伏姫籠穴13:30→駐車場14:00
巴寿司
富山のハイキングを終えたあとは、いつものお決まりのコースを巡った。まずは白浜にある地魚寿司がおいしい巴寿司。電話をしておいたので、着いたらすぐに寿司にありつくことができた。「なかなか水揚げしない高級魚」というヒラスズキが入っていて嬉しすぎ。ここの寿司は本当にうまい。一緒に食べたさんが焼きとサザエの壷焼きもうまかった!
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生姜がのっているカツオから時計回りで、サワラ、金目鯛あぶり、ブリ、ヒラスズキ
花摘み~潮風王国~ばんや
それから千倉で花摘み。いつもは千倉に近づくとあたりはお花畑が広がっているのだが、今回は花が寂しい。寒い冬の影響だろうか… でも南房総は花摘みは1月でもできるし、いくら寒いといっても2月中旬なんだから花摘みはできるはず。
いつも行くお花畑はとりあえず花が咲いていた。おじさんが歓迎してくれた。寒さのせいで開花が遅れているとのこと。それに、周囲のお花畑で更地が目立った。採算が取れなくて花を作らないところが多くなってしまったとのこと。ちょっと寂しい。
おじさんのお花畑でもまだツボミの花が多かったが、いつものようにストック、キンセンカ、矢車草など、色とりどりの花を思い思いに摘んだ。
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おじさんはたくさんおまけしてくれたうえに、「ちょっと待ってて」といって、香りのいいスイセンを摘んできてくれた。3年前に一緒に撮った写真をあげて、今回また一緒に写真を撮った。帰り間際に出かけていたおばさんも戻ってきて、少しだけれど話ができた。二人に見送られて、すぐ先にある道の駅「潮風王国」へ…
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「潮風王国」は5時閉店。ぎりぎり5分前に滑り込んだ。海産物メインになんとか買いたいものをゲットできたが、とても慌しかった。5時閉店はいつもながらちと辛い。。。
閉店で追い出され、暮れゆく海辺で、外に展示してある漁船に乗ったり、磯遊びをしたりして楽しんだ。
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帰り道、保田にある「ばんや」でまたお風呂に浸かり、晩飯に地魚料理を食べた。イカの生姜焼き、イカ天丼、太刀魚の塩焼き… どれも美味しかった。このままここで泊れれば極楽なのだが、帰りの高速も全く渋滞がなくてありがたかった。中央道とは大違い!行きも帰りもスイスイで、南房総がますます好きになった。
春を先取り 南房総 伊予ヶ岳登山(2013.2)~
御殿山登山 ~あったか南房総旅日記(2009.2)~