2020年1月11日(金)
MAROワールドVol.37 by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー
~王子ホール ニューイヤー・スペシャルコンサート~
王子ホール
【曲目】
1.J.シュトラウスⅡ/シェーンベルク編/南国のバラ Op.388
2.J.シュトラウスⅡ/ウェーベルン編/「ジプシー男爵」~宝石ワルツ Op.418
3.J.シュトラウスⅡ/ベルク編/酒、女、歌 Op.333
♪ ♪ ♪ 4.マーラー/K.ジモン編/マーラー:交響曲第4番ト長調(室内楽版)
【演奏】篠崎“まろ”史紀(Vn)+<MAROカンパニー>Vn:﨑谷直人/Vla:中村翔太郎/Vc:桑田 歩/Cb:菅沼希望/Fl:竹山 愛/Ob:古部賢一/Cl:豊永美恵/Fg:鈴木一成/Hrn:福川伸陽/Perc:植松 透、篠崎史門/Pf:山中惇史/ハルモニウム:山口綾規/Sop:冨山みずえ
今年のMAROワールド新年コンサートは、お正月にふさわしくウインナワルツで始まった。MAROさんとメンバーによる、ウィーンで新年に繰り広げられる舞踏会の話に花が咲くなかで聴くワルツはとにかく楽しい。演奏する姿からも楽しさが伝わってきて、客席に華やいだ空気を振り撒いた。この楽しさの決め手は、アンサンブルをフィーチャーするマロさんのノリノリ、洒落っ気たっぷりの歌心で奏でるヴァイオリンと、それを受けて楽しげに答えるメンバーとのやり取りの妙。そこから醸し出される絶品のリズムやハーモニーの匂やかさ。MAROワールドの真骨頂が今夜もいきなり全開した。
3拍子の1拍目を奏でる楽しさ(Cb:菅沼さん)、裏打ちの難しさ(Vla:中村さん)、一つの旋律を別々の楽器で分担する「音色旋律」(Pf: 山中さん)など、MCでの興味深い話が演奏を聴く新たな視点を与えてくれるのもMAROワールドならでは。演奏があんまり自然で楽しそうでノリノリなので、ウィーンの酒場(ホイリゲ)で地元の楽士たちが得意気に奏でるウインナワルツを聴いている気分になった、なんて云ったら失礼だろうか。すっかり楽しい気分になって、普段クラシックのコンサートでは飲まないお酒(シャンパン)をマロさんのオススメにも引かれて休憩時間に一杯。これはホントに香り高く(麹のような)美味だった。
後半は僕がマーラーで一番好きなシンフォニーを室内楽バージョンで。よく使われるというシュタイン版ではなく、ホルンが入るジモン版を採用。ステージには総勢14人のメンバーが登場した。楽器の多彩さという点ではMAROワールド始まって以来の数では?久々に女性プレイヤーも加わって華やかさも増したステージで繰り広げられたマーラーは、MCで話題となったまさに19世紀末文化の絢爛や諧謔やなまめかしさに、懐かしさや切なさも感じられる演奏で、最初から最後まで取りつかれたように夢中で聴き入ってしまった。
室内楽版のアレンジだと、「オリジナルでは聴こえるあの音が聴こえない!」など欲求不満になることも多いが、今夜はそれが全くなかった。トランペットがいなくても輝かしい響きがちゃんと聴こえるし、原曲にはない新鮮な音色が聴こえてくるのも楽しい。弦楽合奏も各パート一人で演奏することでより親密で能動的になる。濃淡や起伏を変えながら全体が呼吸し、生きているようだった。福川さんの七変化する驚異的なホルンの技がアンサンブルに光を、山口さんのハルモニウムはアンサンブルに潤いを与え、山中さんのピアノがアンサンブルを引き締めた。各プレイヤーの技とセンスが冴え、それが一つに結集して生まれる響きは極上もの。
様々なドラマの末に辿り着いた第4楽章からはいつにも増して楽園を感じた。豊永さんの味わい深いクラの前奏が始まったらウルっときてしまった。そしてソプラノソロ。冨山さんのボーイソプラノを思わせる清澄な声は、天使が戯れるようなこの楽章によく合っていた。長い物語が終わりを迎えて静かに全体の幕を下ろしたあとの大喝采。感動(涙)!名演には指揮者の役割が大だが、MAROカンパニーでは指揮者がいないことで各プレイヤーの個性と技が引き立ち、素晴らしいのはそれぞれの熱いハートが一つの方向に結集されて高い頂を築くこと。稀有と云える珠玉のマーラーに出会うことができた。
MAROワールドVol.34 "ザ・ルーツ" by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー ~2019.1.11 王子ホール~
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
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MAROワールドVol.37 by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー
~王子ホール ニューイヤー・スペシャルコンサート~
王子ホール
【曲目】
1.J.シュトラウスⅡ/シェーンベルク編/南国のバラ Op.388
2.J.シュトラウスⅡ/ウェーベルン編/「ジプシー男爵」~宝石ワルツ Op.418
3.J.シュトラウスⅡ/ベルク編/酒、女、歌 Op.333
【演奏】篠崎“まろ”史紀(Vn)+<MAROカンパニー>Vn:﨑谷直人/Vla:中村翔太郎/Vc:桑田 歩/Cb:菅沼希望/Fl:竹山 愛/Ob:古部賢一/Cl:豊永美恵/Fg:鈴木一成/Hrn:福川伸陽/Perc:植松 透、篠崎史門/Pf:山中惇史/ハルモニウム:山口綾規/Sop:冨山みずえ
今年のMAROワールド新年コンサートは、お正月にふさわしくウインナワルツで始まった。MAROさんとメンバーによる、ウィーンで新年に繰り広げられる舞踏会の話に花が咲くなかで聴くワルツはとにかく楽しい。演奏する姿からも楽しさが伝わってきて、客席に華やいだ空気を振り撒いた。この楽しさの決め手は、アンサンブルをフィーチャーするマロさんのノリノリ、洒落っ気たっぷりの歌心で奏でるヴァイオリンと、それを受けて楽しげに答えるメンバーとのやり取りの妙。そこから醸し出される絶品のリズムやハーモニーの匂やかさ。MAROワールドの真骨頂が今夜もいきなり全開した。
3拍子の1拍目を奏でる楽しさ(Cb:菅沼さん)、裏打ちの難しさ(Vla:中村さん)、一つの旋律を別々の楽器で分担する「音色旋律」(Pf: 山中さん)など、MCでの興味深い話が演奏を聴く新たな視点を与えてくれるのもMAROワールドならでは。演奏があんまり自然で楽しそうでノリノリなので、ウィーンの酒場(ホイリゲ)で地元の楽士たちが得意気に奏でるウインナワルツを聴いている気分になった、なんて云ったら失礼だろうか。すっかり楽しい気分になって、普段クラシックのコンサートでは飲まないお酒(シャンパン)をマロさんのオススメにも引かれて休憩時間に一杯。これはホントに香り高く(麹のような)美味だった。
後半は僕がマーラーで一番好きなシンフォニーを室内楽バージョンで。よく使われるというシュタイン版ではなく、ホルンが入るジモン版を採用。ステージには総勢14人のメンバーが登場した。楽器の多彩さという点ではMAROワールド始まって以来の数では?久々に女性プレイヤーも加わって華やかさも増したステージで繰り広げられたマーラーは、MCで話題となったまさに19世紀末文化の絢爛や諧謔やなまめかしさに、懐かしさや切なさも感じられる演奏で、最初から最後まで取りつかれたように夢中で聴き入ってしまった。
室内楽版のアレンジだと、「オリジナルでは聴こえるあの音が聴こえない!」など欲求不満になることも多いが、今夜はそれが全くなかった。トランペットがいなくても輝かしい響きがちゃんと聴こえるし、原曲にはない新鮮な音色が聴こえてくるのも楽しい。弦楽合奏も各パート一人で演奏することでより親密で能動的になる。濃淡や起伏を変えながら全体が呼吸し、生きているようだった。福川さんの七変化する驚異的なホルンの技がアンサンブルに光を、山口さんのハルモニウムはアンサンブルに潤いを与え、山中さんのピアノがアンサンブルを引き締めた。各プレイヤーの技とセンスが冴え、それが一つに結集して生まれる響きは極上もの。
様々なドラマの末に辿り着いた第4楽章からはいつにも増して楽園を感じた。豊永さんの味わい深いクラの前奏が始まったらウルっときてしまった。そしてソプラノソロ。冨山さんのボーイソプラノを思わせる清澄な声は、天使が戯れるようなこの楽章によく合っていた。長い物語が終わりを迎えて静かに全体の幕を下ろしたあとの大喝采。感動(涙)!名演には指揮者の役割が大だが、MAROカンパニーでは指揮者がいないことで各プレイヤーの個性と技が引き立ち、素晴らしいのはそれぞれの熱いハートが一つの方向に結集されて高い頂を築くこと。稀有と云える珠玉のマーラーに出会うことができた。
MAROワールドVol.34 "ザ・ルーツ" by 篠崎“まろ”史紀 & MAROカンパニー ~2019.1.11 王子ホール~
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
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