毎年恒例のゴールデンウィークのファミリーハイキングは、久々に東武東上線沿線を使い、以前2回ぐらいは行っている鐘撞堂山と、五百羅漢に会える羅漢山のコースを歩いた。
標高は、鐘撞堂山が330mで羅漢山は247m。鐘撞堂山はとりあえず山登り気分を味わうことはできるが、登山口から30分ほどで頂上に行けてしまう。羅漢山は山というより丘陵といった感じ。
どちらも小さい子供でも楽に登れる山だが、広葉樹の目に染みる鮮やかな新緑のなかの道を歩けば、池があり、沢が流れ、山ツツジが咲き、ウグイスの声を楽しめ、初夏の山の自然をたっぷり味わうことができる。頂上からの眺めもなかなかのものだし、羅漢山まで足を延ばせば、五百羅漢の石像群が並ぶ古道へと導かれる。軒先には色とりどりの花が咲き、空には鯉のぼりが泳ぐ民家が点在する村落の風景も印象深い。ここは、こうしたいろいろな楽しみができるお手頃のコースと言える。
寄居駅~鐘撞堂山
池袋から小川町乗換えで1時間半。ハイキングスタート地点の寄居駅は、八高線や秩父鉄道も通っている。秩父鉄道を走るC58型SL 「パレオエクスプレス号」にお目にかかることができた。
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町中から徐々に田舎っぽい風景に変わり、やがて林道っぽい道になってくるあたりに大正池がある。
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こんもりした新緑の木立を水に映して静かに佇んでいるが、池自体はため池のようで自然度は低い。
大正池から林道を更に10分ほど歩くと、鐘撞堂山への登山口がある。ここからは山道。明るい新緑の雑木林はウグイスの声が聞こえ、山ツツジを見かけ、この季節ならではの自然が楽しめる。 | ![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/e1/0aa546ae34af0081e844c2437aaee352.jpg) |
新緑の季節の雑木林では、様々な種類の広葉樹の新緑が、初々しい緑色の色を競っている。
植林された針葉樹と違い、真っ直ぐに上に伸びている木ばかりでないのも雑木林の魅力。こんなふうに身をくねらせ、光を得ようと一生懸命伸びている木の姿がおもしろい。 | ![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/6b/0d9b4015936c97ebe075238cb9131a2a.jpg) |
30分ほどで反対側から登ってきた道と合わさると、道は階段になる。頂上はもうすぐだ。
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鐘撞堂山は、戦国時代に見張り台として使われ、敵が近づくと、山頂に吊るされた鐘を鳴らして知らせていたという。それだけに、山頂は広くて眺望がとてもいい。そのうえ、物干し台のような立派な展望台があって、ここに登れば更に展望が開ける。
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広い山頂には東屋もあって、たくさんの人たちで賑わっていたので、山頂から少しだけ下った眺めのいい、4人分程度のスペースにシートを敷いて、弁当タイム。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/12/2bd6f1a592d1f31401620041d973fb33.jpg) | 山頂から八幡大神社方面へ向かう道沿いは山ツツジがたくさん咲いていた。遠くから見ると、あたり一帯が山ツツジの薄紅色に染まってみえるほど。
この季節のハイキングは山ツツジが見れるのがポイントのひとつだが、鐘撞堂山はその意味でポイントが高い。 |
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鐘撞堂山~羅漢山~波久礼駅
鐘撞堂山からの下山路は、登りで使った階段の道を戻ってから円良田湖方面への道を辿る。この道にもツツジが多く新緑も楽しめるが、自然味溢れる山道の歩きは登りよりも短く、間もなく舗装された道に出る。でも、田舎道なので歩くのは楽しい。
完全に下界に下りてきたところはもう円良田湖の湖畔。人造湖だが、ここも湖面に周囲の緑が映える。釣り人がたくさん釣り糸を垂らし、のんびりした風景が開けた。
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湖畔の道を少し戻ると、湖と反対方向へ登る小路がある。これが羅漢山への登山道… というほどの山道ではないが、10分ほどの登りで羅漢山の広い山頂に着く。
ここの山頂は木々に囲まれて展望はないが、新緑の息吹が降り注いでいる。 | ![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/8d/3b49ad5f6aca86ba3ce572da4b6446de.jpg) |
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/15/4f23a7d7e3b96d3cb11690009647105b.jpg) | けれど、羅漢山のポイントは山そのものではなく、この山の名前を象徴する五百羅漢。
山頂を越えて少林寺へ下る雑木林の中の道に沿って、羅漢石像たちがどこまでも並んでいる。 |
この石像たちを、1つずつゆっくり眺めながら歩く。かわいらしいものや辛そうな顔、おかしな顔、いろいろな表情を楽しめる。ポーズも実に様々で、ユーモラスなものも多い。この五百羅漢は江戸時代後期の天保年間に置かれたものらしいが、よくぞ長年の風雪に耐えて立ち続けてきたものだ。これを彫った石工の思いなんかも伝わってきて、実に感慨深い。
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長い石仏の道を下りきると、少林寺がある。牡丹が見ごろ。本堂のほうから大きな読経の声が聞こえてきたので覗いてみたら… な・なんと、録音した読経を流していたのだった。。。 | ![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/a4/089c718d8dcaf5da3e090d2143d2bddd.jpg) |
少林寺からは一般道をテクテクと歩く。花咲くのどかな田舎の風景が広がっていて気持ちがいい。庭先でワンコが吠えていたり、道端でニャンコが寝転がったりしているのにもよく出くわす。
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案内の標識にしたがって、秩父鉄道の波久礼駅まで歩く。線路沿いに来てから駅までの道のりが結構長い。
少林寺から約40分歩いて着いた波久礼駅。秩父鉄道には、なんとなくメルヘンチックな駅名や、昔ながらのかわいらしい駅舎が多いが、波久礼は駅名も駅舎もそんな駅のひとつ。木のベンチも昔っぽくていい。
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寄居駅を出発して約5時間半、自然と景色と歴史を楽しむのんびりハイキングだった。
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電車は以前都内を走っていた(息子によれば)103系
《行程》
寄居駅11:00 →大正池11:32 →鐘撞堂山頂12:10 →円良田湖14:40→羅漢山15:00 →少林寺15:45 →波久礼駅16:20
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