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ベルリン町中探訪 その6(6月17日通り蚤の市、ティーアガルテン、ハッケシェヘーフェ・・・)

2019年08月30日 | ドイツ、オーストリアの旅2015
2015年9月5日(土)

ベルリン3日目。お昼にドレスデンへ旅立つ娘と最後のベルリンのお出かけとなる午前中、ティーアガルテンにある蚤の市を訪れた。

ツォー駅近くにあったベルリンのマスコットの熊さんたちと

6月17日通りの蚤の市 
     Trödel- und Kunstmarkt Straße des 17. Juni

ツォー駅(Zoologischer Garten)まで歩き、そこからS-Bahnに1駅だけ乗ってTiergarten駅下車。駅に近づくと、高架の車窓から蚤の市を見下ろせた。

ここはベルリンで最大級で最も歴史もある蚤の市で、「6月17日通り」の路上で毎週土日の10時から17時まで市が立つ。着いたのは10時前だったが、すでに沢山の屋台が出ていた。シャルロッテンブルク門(Charlottenburger Tor)をくぐると蚤の市が始まる。


ここの蚤の市のドイツ語表記(Trödel- und Kunstmarkt)は、「ガラクタとお宝マーケット」とでも訳せるだろうか。とにかく所狭しと屋台がひしめき合い、国際色豊かなありとあらゆるモノ(ランプ、ドアノブ、絵画、レコード、人形、置物、服、装飾雑貨、食器、東独グッズ…)が並んでいた。
お宝っぽいカラフルなグラスが目を引く…


アンティーク系の食器をチェック


自分の作品と、その絵葉書を売っているアーティスト。絵葉書を買いました!


卵の殻でできた置物がすっかり気に入り、帰りにとうとう購入。どうやって持って帰る?


娘が買った置物と僕が買ったフクロウ


蚤の市をひと通り歩いた。ガラクタみたいなものも山とあるけれど、キレイなもの、高価そうなモノ、珍しいものなども多くて楽しかった。

ティーアガルテン公園&戦勝記念塔/Tiergarten & Siegessäule

蚤の市からベルリンのシンボルの一つ、戦勝記念塔方面にティーアガルテン公園を散歩。ここはもともとブランデンブルク選帝侯の狩猟場だったところで、今でも広大な森が広がっている。210ヘクタールというから、新宿御苑(58ヘクタール)の3.6倍と云えばその大きさを実感できるだろうか。首都のど真ん中にこんな場所があるのは、さすが「森の国」ドイツだ。

公園内には池や沼がいくつもある。




"Tiergarten"とは「動物の庭」という意味。小鳥はもちろん、ウサギも跳ねていた!




Tiergartenのど真ん中を貫く幹線道路「6月17日通り」が他の複数の道路と交わってロータリーになっている中心に建つ戦勝記念塔。デンマーク戦争の勝利の記念に建設が始まり、1872年に完成した。高さは67メートルあり、階段でてっぺんまで上ることができる。

今回は上らなかったが、展望台からは眼下に広がるTiergartenとベルリンの町を一望できる。




塔の先端に立つ勝利の女神ヴィクトリア

Tiergarten駅近くまで戻ってきた。朝からガス灯に火が点っていた。


娘が旅立つ時間が近づいてきた。荷物をピックアップするため一旦ペンションに戻る。

宿のあるfasanenstraßeはオシャレな散歩道


娘の出発前、ベルリン中央駅の"EXPRESS"でカリーヴルストを食べた。

そして別れの時。これから始まる一年間の留学生活に喜びと期待で一杯の娘。


そんな嬉しそうな娘に顔で笑って心で泣いて手を振る父…

列車は地下駅のトンネルへ入って行った。トンネルの闇の中に浮かぶ2つの赤い尾灯がだんだんと遠ざかり、闇に消えた。「元気でいろよ!」

さて1人になった。これから何をしようか? 構内のベンチで本など眺めてしばし検討して、まずHackescher Marktにある薬屋さんに行ってみることにした。この薬屋で売っているというハンドクリームを奥さんが欲しいと云っていたし、歴史のある薬局で内装を見る価値がありそうだったので。


やって来たのはベロリーナ薬局(Berolina Apotheke)。緩やかにカーブを描く正面玄関部分が歩道に突き出している。


扉を開けて中に入ると、重厚で格式のある木製のカウンターや古めかしい曳き出しの付いた大きな棚が目に留まった。見上げると、周囲にレリーフが施された丸天井のフレスコ画が素晴らしい。これらは1886年に改装された当時の姿が保たれているそうだ。台湾の町中などでもこんな風に格式と威厳がある薬屋をたまに見かけるが、病や怪我を治す薬を売るお店に相応しいオーラが漂っていた。


ここで本に載っていて奥さんが欲しいと云っていた「キンセンカのハンドクリーム(Ringelblumencreme)」を買った。店員さんはキレイでとても感じが良かった。ほかにRicolaののど飴とペーパーナプキンも買った。

ハッケシェ・ヘーフェ/Hackesche Höfe
お店を出て近くを散歩。路地をうろついていたら、突然それまでとは全く別の空間へ入り込んだ。個性的な建物が建ち並んでいくつもの中庭が形作られている。中庭はそれぞれに特徴がある。ポップカルチャー風、品のいい優美な中庭、エスニック風等々、「ユダヤ人旧居住区」なんてのもある。レストランやカフェ、ギャラリー、お土産屋、ブティックなど様々なお店が入っていた。

あとで調べたら、ここは「ハッケシェヘーフェ」と呼ばれる8つの中庭がひしめくベルリンでも最大級で歴史のある地区で、元は1906年にクルト・ベルント (Kurt Berndt)の設計でオープンした総合住空間。第2次大戦で破壊された後、1993年に8000万ユーロをかけて再建した「ショップとカルチャーとナイトライフのスポット」とのこと。

ハッケシェヘーフェの「ヘーフェ」(Höfe)とは、ドイツ語で「中庭」(Hof)を表す複数形。迷路のような狭い路地を抜ける度に色々な中庭があらわれ、中庭を囲むお店などを覗きながら歩いていたら、テーマパークをいくつも巡っている気分になった。

エレガント系の中庭


カフェやレストランが並ぶ路地


エスニックな雰囲気が漂う。夜になるともっと賑わいそう。


怪しい看板はナイトライフのお客を招び入れる店のものか…


路地に佇むヘンなおじさんの像


がらりと雰囲気が変わりユーゲントシュティール様式が出現。こちらは西側ファサード

クリックで拡大

設計はアウグスト・エンデル(August Endell)


東側ファサード。洗練された色やデザインは今でも新しさを感じる。


更に路地を抜けると旧東独生まれの人気者、アンペルマンショップがあった。
息子にアンペルマンの帽子を買った。


偶然入り込んだハッケシェヘーフェはすごく面白く、長居してしまった。ベルリンにはこんな謎めいた楽しいスポットがまだまだありそう。

ハッケシャー・マルクト/Hackescher Markt
S-Bahnのハッケシャーマルクト駅近くには、駅名由来の市場(Hackescher Markt)があり、沢山の屋台が並んでいる。エスニック系の食べ物屋台でデュリュム(Dürüm)という美味そうな食べ物を見つけて買ってみた。ルーコラ(「ルッコラ」じゃなくて長音が正しい)がたくさん入っていてウマかった。トルコ料理でケバブの一種だそうだ。もっとレアな食い物だと思ったんだけど。


S-Bahnのハッケシャーマルクト駅は高架で、その下にレンガ造りの駅舎がある。周囲は同じ色やデザインで統一されたレストランやカフェが軒を連ねている。この辺りは飲食街で夜は賑わうそうだ。


この「Restauration 1840」というレストランは、HPによればドイツが目覚ましい産業発展を遂げた1920年代の建築様式で建てられていて、ドイツ料理をはじめ世界の料理が食べられるそうだ。


ファサードの凝った装飾も、経済発展の象徴と云えるのかも知れない。


ここからシュプレー川に出て川沿いを散歩、中州にある博物館島(Museumsinsel)の先端に構えるボーデ博物館(Bodemuseum)をスケッチした。


風が強い。昨日娘と乗ったシュプレー川を巡る遊覧船が次々に行き交う。通りがかりの人達がスケッチを覗いて褒めてくれた。描き終えて間もなく激しい雨が降って来た。山の天気のようによく変わる。ドイツの人達は傘をささずにフードを被って雨を凌ぐ人が多いことに気づいた。

夜はポツダム広場にあるフィルハーモニーでのコンサート。アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団でマーラーの6番を聴いた。能動的な「生きた」マーラー。ボストン響の音にも魅了された。感想はpocknのコンサート感想録で報告しているので興味があればどうぞ。


コンサートが終わるともう遅かったので、ツォー駅近くのお店で寿司を食べた。アジア系の人がやっているちょっと怪しげな雰囲気の暗い照明のお店でお客は僕一人、どんな寿司を食わされるかとちょっと心配…


サーモン、マグロ、アボカド、エビが刺さった天むす風のものなど。味噌汁がスプーンを添えられて出て来た。どれも意外とイケた!


寿司屋の近くにあった何やらゴージャスな建物は、あとで調べたらTheater des Westens(Theatre of the West)という「ベルリンでも最も有名な」ミュージカル&オペレッタの劇場だった。


(翌日に続く・・・)

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