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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

藝祭2019 3日目 9月8日(日)

2019年09月28日 | pocknのコンサート感想録2019
藝祭2019 3日目 9月8日(日)

今日も朝早くから出かけてコーヒーカンタータの整理券をもらい、抽選も申し込んだ。けれど抽選は全て落選。聴きたかったメンオクのゲリラライブも間に合わず、野外ステージでは直射日光を浴びて熱中症みたいになってしまった。台風の影響でピロティのMANTO VIVOの最終公演も中止になり、散々な藝祭最終日となった。

おしゃべりはやめて、お静かに。
~第2ホール~

♪バッハ/カンタータ第211番「おしゃべりはやめて、お静かに」(コーヒーカンタータ)BWV211

ミュージカルエクスプレスの公演も観たかったが、藝祭で一番楽しみなバッハカンタータクラブの公演がなかったので、カンタータクラブのメンバーも沢山いるはずのこちらを選んだ。カンタータクラブの藝祭公演がないなんて40年来藝祭に通っていて初めて。会場が取れなかったということだが、他に何かあったのでは?残念。。

コーヒーカンタータは伝わってくるものがいまひとつだった。この音楽は歌い手たちとオーケストラが、登場人物のそれぞれの気持ちや場面場面の気分を楽しげに、憧れを以て、ときに滑稽に描写されたときに生き生きとした魅力を発する。歌い手やオケメンバーの表情からは、この作品をどんな風に捉え、どんなメッセージを聴き手に伝えようとしているのかがもうひとつわからないことがあった。歌には安定感が欲しいと思うこともあった。それでもハッピーエンドとなる三重唱の終曲は楽し気な気分が生き生きと伝わってきたが。

演奏者では明るい声と表情で語り、嬉々とした最後の場面を締めたテノールの石黒達也さん、場面の気分を敏感にキャッチして伸びやかな通奏低音を奏で、アンサンブルに生気を与えた稲垣真奈さんのチェロが印象に残った。

口笛.rom
~野外特設ステージ~


【曲目】♪ア・ホール・ニュー・ワールド、リベルタンゴ、風笛、白鳥(サン=サーンス)、チャールダッシュ(モンティ)ほか

野外特設ステージで行われた口笛.romこと青柳呂武さんのライブは早くから大勢のファンが詰めかけ、演奏中もやんやの拍手喝采でその人気の高さが伺えた。毎年の藝祭でライブをやってきた口笛.romさんもとうもう卒業を控え、これが最後の藝祭ライブとのこと。この場所でじっくり聴くのは初めてで、貴重な最終ライブに立ち会うことができた。

長年コンビを組んでいるというピアノの田中克さんに加えて特別ゲストのチェロの米本希さんを迎え、ロマンチックでエキサイティングなライブが繰り広げられた。口笛.romさんの口笛はそれにしてもステキだ。開演前の音階練習から聴衆の耳を引き、本番でも魅了し続けた。

それにしても何て良い口笛の音色なんだろう。瑞々しくて色彩も感じ、細く長くどこまでも伸びて行く。見たところ普通の唇に見えるが、どんなケアをしているのだろうか。緩やかな曲から、チャールダッシュでは驚きの速度と超高音のハーモニックスまで見事にこなし、唇だけで聴衆を熱くしてしまう技に脱帽。口笛を「演奏」する姿も決まっていて絵になる。

米本さんのチェロは詩情たっぷりにおおらかで情熱的に歌い上げ、口笛をドラマチックな世界へ連れて行くよう。ソロのフレーズもカッコよかった。田中さんのピアノは、口笛に優しく寄り添いつつ聴かせどころはしっかり押さえている。このトリオは、口笛の入るアンサンブルとして最良の形ではと感じるほど決まっていた。チャールダッシュでは最後のフレーズをおまけで何度も繰り返して場を盛り上げたが、照りつける日差しが首の後ろに当たり続けて熱中症気味に。熱くなるのは心だけでいい。
ハイドランジア
~野外特設ステージ~


熱中症気味になってクーラーの効いたところでしばらく涼みたかったが、口笛ライブに続くこの公演も観たかったので日陰に移動して居座った。オリジナルの音楽に合わせて踊る日舞とコンテンポラリーダンス。音楽も演奏も踊りもステキだった。柔らかな妖気が漂うデザインの白の和服(衣装: 岩城花歩さん)を纏った飯森詩織さんの静かな舞に徳安慶子さんのアグレッシブな踊りが働きかけると、飯森さんにもそのエネルギーが乗り移ったかのように動き出し、妖艶なデュオがステージで舞った。

ソプラノの日野祐希さんの情熱的で魅惑的なヴォカリーズが二人の踊りをさらに焚き付けて燃え上がらせているようにも見えた。美しい舞いと衣装、美しい音楽に酔った。作曲は松永悠太郎さん
このあと、午後に予定されていたゲリラライブの詳細を確かめようとキャッスルへ行ったら、ナント既に始まっているではないか!五時頃だと思ってた、、会場は超満員で入場制限されていて途中からも聴けなかった。メンオク全曲という僕の大好きな、それにゲリラライブとしては本格的な演奏を聴き逃してしまった。。そのあとの抽選コンサートも外れて、ピロティのライブも中止になったので、最終日というのに明るいうちに帰宅することに。抽選のコンサートは結局3日間全滅で不完全燃焼過ぎる藝祭。こんな体験は初めて。来年以降も状況は変わらないと思うと悲しすぎる。でも気持ちを切り替えなければなー。。

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♪ブログ管理人の作曲♪

金子みすゞ作詞「積もった雪」
MS:小泉詠子/Pf:田中梢
金子みすゞ作詞「私と小鳥と鈴と」
S:薗田真木子/Pf:梅田朋子
「子守歌」~チェロとピアノのための~
Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美
合唱曲「野ばら」
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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