タイトルの通りスペースXの大型宇宙船「スターシップ」が打ち上げ後に散華したようです。
打ち上げ日時はテキサス州で16日の午後17時38分という事で、日本時間だと17日の午前8時38分ですね。
打ち上げ場所はテキサス州ボカ・チカのスペースX所有の「スターベース」、スペースX・スターシップとしては7回目のミッションでした。
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スターシップはロケットブースター「スーパーヘビー」と宇宙船に分かれます。
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下のブースターは、逆噴射したり何かうまい事やってこの打ち上げ台に戻ってきます。
それは大成功したのですが・・・宇宙船がこうなってしまった↓
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イギリス領 タークス・カイコス諸島
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ハイチ、ポルトープランス
今回、この記事で扱うのは原因とかじゃなく地理的な事なので、そんなに深い検証とかはしません。
まず、この散華した宇宙船を観測できた場所に付いてなんですが、発射場所とこんな位置関係。
イギリス領、タークス・カイコス諸島
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メキシコ湾をほぼ真東に飛んで行ったのが判ります。距離にして2,650㎞程度っすね。
ハイチ、ポルトー・プランス
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2地点でほぼ同時刻に撮影された散華画像ですが、2地点間は南北に350㎞離れていて結構見え方が違うってのに興味が湧きました。
高度何㎞位だとこんな感じで差が出るのかな?
あと、ブースターに関しては今までだと海上に浮いたポンツーン桟橋みたいなのに降りてたし、まさか来た道をそのままなぞるように戻るってのは初めて知りました。
なんかメリットが有るんだろうか?まあ回収はすごく楽だろうけど。
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※画像クリックで当該再生ポイントに飛びます
※なんか雰囲気は似てるけど、用途は全然関係ない商品
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ブースターの回収は100点だったそうで、管制室は拍手喝采・ブラボーの嵐だったそうな。まあその1分半後にスターシップのテレメトリー信号が途絶えてしまうのですが(´;ω;`)
※投稿後上の方に貼った動画観てたら、なるほどポイント発見!
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この画像は宇宙船からのリンクが途絶えた時の物です。※画像クリックで直前に飛びます
T+00:08:26
SPEED 21,317㎞/h
ALTITUDE 146㎞
秒速約6,000m !
この時点で宇宙船が崩壊したっぽい・・・なんか物悲しい感じっすね。
で、再突入で輝きだす(燃え出す)高度ってのがちょっと判らなかったので
ファン!ファン!JAXAのをペタリ。
NASAではスペースシャトルが地球帰還時に高度を下げてきて高度120kmに達すると大気圏再突入(Entry Interface: EI)と呼んでいます。 これは、大気による機体の加熱が始まるあたりです。
上の解説だと120㎞から下がると圧縮断熱で加熱が始まる・・・って事は
爆発のような現象で崩壊・146㎞から高度を失いながらも速度はそれほど変わらず進み多分高度100㎞辺りから輝きだしてる筈。
タークス・カイコス諸島の真上を通過してる時刻が明記されてないので、破壊後に何分ぐらいで再突入してるのかは判らない。
真空中で爆発したとなると破片が打ち上げ花火のように広がっていく訳ですが、それは突入後も広がり続けます。
上の図の黄色線で囲った中心辺りに多分一番重い部分、輝きの激しいポイントが有り、それを中心に破片が広がりながら秒速6㎞で等速で移動してるわけです。
む~ん、なんかドラマチックで殺伐とした景色だったでしょう。
旅客機から撮影されたもの
夢のような景色・・・ただし当事者にとってはかなり不吉な景色だったでしょうね。
動画の和訳
私は2025年1月16日(木)、バルバドス(BGI)からアトランタ(ATL)へデルタDL1984に乗って旅行していました。
スターシップの打ち上げが予定されていることを知っていたので、西の方向を見て航跡が見えることを期待していました。
このビデオは、東部標準時(ET)午後17時49分頃撮影しました。
ブリッジタウン(バルバドス)発
飛行時間:約5時間14〜32分(直行便)
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ちなみに実際のDL1984の航跡(18日)
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観測者は、スターシップのスケジュールをきっちり把握してこの動画を撮影できたわけですので撮影時間とか搭乗した飛行機の航路や撮影した時間等をきっちり記載してくれてました。
この上の図の黄色線は空港間を直線で結んだ予想航空路線ですので、微妙にズレているとは思いますが左舷の窓から後方に飛び去って行く散華したスターシップを捉えているので、まあ大よそ位置関係などは合っている気がします。
ただ、撮影時間が離陸後ちょうど1時間程度(所要時間5時間14分)で、バルバドス→アトランタまでの全行程3,400㎞の5分の1の620㎞の位置か?というと、ちょっと整合性がおかしくなってきます。
良く調べてみると、
Atlantic Standard Time(AST)の土曜日 23:14 は、
Eastern Time(ET)の土曜日 22:14 です
ってことで、出発時間が撮影者の時計より1時間早かった。
なので動画撮影は出発してから2時間後となります。これなら1,500㎞位飛んでいてもおかしくないので、位置関係の整合性は取れました。
あそうそう、打ち上げが17時38分で旅客機で撮影したのが17時49分なので、キラキラしてたのは約11分後って事です。発射から8分30秒ほどで爆発?146㎞から2分30秒前後で再突入かぁ・・・重力?引力って凄い。
こういった宇宙船の再突入時の事故・・・約22年ほど前のスペースシャトル「コロンビア号」の崩壊時の映像
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※画像クリックでX(旧ツイッター)に飛びます
この場合、突入時には機体が分解していた訳ではなく、剥離した耐熱タイルの部分から内部に熱が入ってしまい、段階的かつ、かなり急速に崩壊していったので、最初光点は一つでした。