除雪作業と正月のお買い物してたら、午前中に起きたこの大事故を全然知らずにいました。
まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
で、現在判ってる情報ではちょっと納得出来ない為、衛星写真・報道された動画等からの推測できる事故状況を書いていきますよ。
グーグルアースの現場付近の様子
撮影クルーが居た(と思われる)場所付近から見た、最後に飛行機が当たった土手(ILSの小山)
報道動画から判る誘導路付近とカメラ位置関係の特定
↓の赤丸で囲んだ白い部分は滑走路の誘導路出口に塗装された白線。
上の画像の赤丸部分を真上から見た場合、こんな風に見えます。
この黄色線の方向に居ますね~。L時型の建物の屋根に上って撮ったような気がします。
↓飛行機止め&ILSアンテナ設置用&ジェットブラスト・ディフレクター用に滑走路の南に設置された土盛り(コンクリ-入り)
この動画から読み取れることは、
:接地してからカメラクルーの真正面、誘導路の出口までの時間(タイムスタンプ)
:誘導路から土手に衝突するまでの時間
:それぞれのフェーズの速度
が判ります。
ざっとですが誘導路からILSの小山までの距離が265m、正確に計測して3.5秒で当たってるので終末速度は270㎞/h
また、接地位置が滑走路の北端から1,200mという情報が出てるので、その位置から誘導路までは1,600m、そっちのタイムは11.25秒で平均すると512㎞/h!途中で接地抵抗や逆噴射で減速してる筈なので、接地時は600㎞/h超えかもですね・・・ちょっとどう考えていいのか判りません。
ランディングギアも出ず、フラップも出ないなんてどういった状態だったのか全く見当もつきません。
※12月31日追記
ヤフー知恵袋で質問した結果、Vle( Maximum Landing Gear Extended Speed : 車輪を下ろせる最高速度)がそれぞれの機種に設定されている、という回答が有りましたので色々検索すると
海外のフォーラムで事故機の787‐800に関しては
伸長時最大 270 ノット、
伸長ギアで飛行時最大 320 ノット、
収縮時最大 235 ノット
という回答が有ります。
Boeing 737 Landing Gear Limitations - PPRuNe Forums
伸長時というのがギアダウンを指してるようなので、270ノット=432m/h以上の機速ではギアダウンできない。
これは規則なのか機構上無理なのか?・・・いずれにして事故機は700km/h前後でアプローチしたっぽいので、故障でギアダウン出来なかったんじゃなく機能上の問題だった可能性もある。絶句っすな・・・・
追記
以下の動画は、事故機がバードストライクに遭う瞬間を捉えたとされるもの
※画像クリックでYoutubeの当該シーンに飛びます
上記添付動画の撮影地点であろうと言われている建物の位置↓滑走路までの距離が1,100mというかなり近い場所である事から、この位置を通過する際の通常の航空機の高度は50m位だそうです。
※着陸時の降下率700フィート/分 進入速度140ノット(224km/h) 1,100m進むのにかかる時間=15秒 ←で算出
防犯カメラに映り込んだ事故機と鳥の群れが当たった?と見える動画
通過するセスナ機?の高度が結構低いのが判る画像
事故機は50mはおろか400m位を飛行中に見える。ボーイング737-800(738)の機体サイズは、次のとおりです。
全長:39.5m、全幅:35.8m、 全高:12.5m
ちなみにこの映像が撮影された建物、ベランダのガラスの落下防護柵や浜辺に生えている樹木の高さ・水平線のレベル、島影等々・・・
このホテル?で間違いないようです。↓
소나무 숲 펜션 (松の林ペンション)
外人さんの検証動画
上に貼ったそれぞれの画像から情報を整理すると、
もうじき到着予定だった同機は管制官からの鳥警報を受けて復行を決定。
それまでは機体の異常などは訴えていない為、復行決定の直前までは正常にフラップ展開、ギアダウンしていた?
空港まで残り1kmを飛行中に、2番(右)エンジンが鳥を吸い込み結構なダメージを受けた。
ちなみに事故機はボーイング737‐800というのは特定済みで、
ボーイング737などの双発ジェット機は、緊急着陸時に十分な上昇力を確保できるため、燃料投棄システムを備えていません。
ただ解せないのはスピードが速すぎ!
※22時追記
どうも1番(左)側のリバースが機能して無いみたいな画像
バードストライクして損傷を受けたと謂われている2番(右)エンジン側は逆噴射カバーが開いているのですが、奥の1番左エンジンはカバーが閉じているように見えます。最悪の場合、地上に降りた後にリバースじゃなく普通にエンジン全開にしていたような気がしてきました・・・・う~ん
ちなみに伊丹空港での同型機逆推進装置展開時の画像
※画像クリックでYoutubeの当該機シーンに飛びます
現時点での確定事項
済州航空2216便が着陸地点を越えて滑走路を使い果たし、務安空港に墜落
ボーイング737-800は滑走路の3分の1の地点に着陸し、間に合わず空港施設に衝突した。
事故に至るまでのタイムラインを以下にまとめた。
■発生概要
①午前8時54分:管制が着陸を許可
②午前8時57分:管制から鳥群回避の注意喚起を提供
③午前8時59分:操縦士から鳥群衝突による緊急事態・ゴーアラウンドを宣言
④午前9時00分:ゴーアラウンドの後、同機が着陸を試みる
⑤午前9時1分:滑走路19方向での着陸を許可
⑥午前9時2分:同機がランディングギアを使用せずに着陸
⑦午前9時3分:滑走路末端地点を逸脱して空港内施設に衝突して停止。火災発生
午前10時3分:総括対策本部が任務に移行し、遂行
午後2時00分:チェジュ航空航空公式ブリーフィング実施
午後5時30分:現場対策本部総括支援チームが務安空港に到着
午後6時26分:乗員乗客181名中、死亡176名、負傷2名、行方不明3名
同機が衝突した空港内施設↓
特記すべきは、この空港は通常は滑走路01(機首北方向)から進入するお約束の所、一回フライパス後Uターンして滑走路19(機首南方向)・・・自ら死地に向かってしまったという事実。
北方向なら空港延伸作業中で・・・ソッチ向きで降りれていたらここまで酷い数の犠牲は出なかったでしょう。
土手ないしね、ただの空き地が1,000m位広がってたっていうのによう・・クソだらぁが
※12月30日追記
着陸の様子を別角度から撮ってる動画を発見
この動画を注意深く視ると、ちょっとおかしなことが起こってる事に気が付きます。
11:00辺りから2番(右)エンジンのジェット陽炎がかなり強烈に確認できますね。
※ジェット陽炎とは?↓これは離陸時のジェット陽炎を撮った写真ですが、エンジンから噴出される高温高圧の気体と大気の温度差によるシュリーレン現象のモヤモヤを指します。
通常、着陸時はエンジンがアイドリング回転位まで下がっていて、このジェット陽炎はあまりはっきりとは見えない筈ですが、事故機の2番は結構強烈にジェット陽炎が確認できます。それに比して1番はほぼ確認できません。
14:00辺りからなかなか接地できずにグランドエフェクト効果で地上スレスレをかなり高速で移動してるんですが、機首に注目!現地はほぼ無風なのにも拘らず、機首はカメラ方向を向いています。これはどういう事か?
察するに、1番はスロットル操作を受け付けていてアイドル回転まで落ちているのに、バードストライクしたとされる2番はスロットルが利かずに暴走状態だったという可能性が大きい。
なので機首が左に向いてしまう事象が起こっているんじゃないんだろうか?
接地時の異常な高速・終末の300㎞/h超えの不思議・・・ある程度当たっていると思います。
滑走路に残るエンジンナセル接触によって刻まれた擦過痕
↑この画像は、空港を真南の少し高い位置から俯瞰した画角なので、上に出てきたホテルの屋上辺りから結構な望遠レンズで撮影したと思われます。
滑走路の中ほどに見える黒い煤?のような物は、通常着陸時のタイヤ痕、要するにゴムがアスファルトにこびり付いた跡です。
資料として、外人さんの推理動画を貼っておきます
※1月12日追記
新情報として、8時59分にボイスレコーダー(CVR)並びにフライトレコーダー(FDR)が機能停止、及びADS-Bの信号が途絶えたという事で、バードストライクを原因としたフレームアウトが起こり、電源が落ちたという線が濃厚になりました。
2010年以降に製造された航空機はエンジン停止時でもそれぞれの機能が維持できるように、バッテリーが搭載されていますが、事故機の製造は2009年という事で、バッテリー搭載が義務付けられていません。
ただし、上の方でも触れていますが着陸時は右はエンジンが回っていました。これは止まった後に再始動を試み、右だけは再始動した?という感じかもです。
電源は回復しなかったものの、油圧等の補助翼操作は出来ていたという見方がもっぱらです。
あと、ちょっとビックリですが12月28日18:00CETに同型機が同じような事故を起こしてました。
日本時間の今朝未明2:00の出来事ですね。
※画像クリックで記事に飛びます
詳しい事はまだ良く判りませんが、737危ない!って事は確かです。