■韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」 予告
2017年の韓国映画
1980年5月に起きた、韓国の歴史上最大の事件「光州事件」を背景とした、
実話に基づいて作られた作品。
光州へ取材に向かうドイツ人ジャーナリストと彼をタクシーに乗せた
運転手とのやり取りを、コミカルかつシリアスに描く。
監督は『映画は映画だ』『高地戦』などのチャン・フン。
『ヒトラー ~最期の12日間~』などのトーマス・クレッチマンのほか、
ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨルが共演する。
■光洲事件
光朴正煕元大統領が暗殺(1979年10月26日)された後の混乱期に
韓国南西部に位置する光州というところで起きた事件。
市民デモ隊と軍が衝突し、市民164人、軍人23人、警察4人が死亡した悲劇的な事件だ。
韓国内ではこの事件を軍事政権下であった80年代には市民たちが起こした
「暴動」として取り扱ってきたが、民主化後には事件に対する評価が見直され、
現在は「光州民主化運動」と呼ばれている。
さらに事件の犠牲者たちとその遺族たちは民主化の功労者として認められ、
国家から補償金の給付、医療費、交通費、光熱費の補助、税金免除、
就職や就学時の加算点の付与など、厚遇を受けている。
(Webより抜粋)
■韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」
ソン・ガンホさんの映画「弁護人」に続いて観てみました。
ペーター記者を乗せたタクシー運転手のキム・サボクさんは
一部の高級ホテルが運営していた「ホテルタクシー」をやっていて
普通のタクシー運転手と違って高級ホテルに所属し、外国人宿泊客を
乗せていたそうです。
英語も堪能で、外国人ジャーナリストをしょっちゅう乗せていたとか・・・。
この映画を観ると、軍事政権下での国家の行いがとても恐ろしく感じます。
命令のもとで、同じ国民を惨殺してしまうシーンは、恐怖です。
光洲で起きている事実を知らず、ニュースなどの報道記事だけで憶測するシーンも、
光洲で起こっていることを何とか世の中に知ってもらおうとするシーンも、
過去の事件ではあるけれど、こんなことが韓国で起こっていたのだと
知ることが出来て、やっぱり映画の力はすごいなと感じました。
重いシーンばかりではなく、外国人客を匿い、韓国の家庭料理でもてなしたり、
記者に協力しようとタクシー仲間が集結したりと、ほのぼのするシーンもあって
とても良い映画でした。
観て良かったです。
■STORY ※映画は実話に基づいて描かれていました。
ドイツマスコミの日本駐在記者であったユルゲン・ヒンツペーター(1937~2016)は
光州で動乱が起きているという情報を聞きつけ、現地へと向かった。
1980年5月19日に金浦空港へ到着。
ソウルで11歳の娘を一人で育てながらタクシー運転手をしているマンソプ(ソン・ガンホ)は、
大金に目がくらみドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せて光州に向かう。
マンソプの機転で見事に検問をくぐり抜け、二人は光州に入るが、
ピーターは「危険だからソウルに戻ろう」と言うマンソプの言葉を聞かず、
撮影を始め、二人は韓国現代史における最も重要な事件ともいわれる
「光州事件」の目撃者となった。
言語的な意思疎通は十分にはできなかったが、数日に渡り行動を共にする中で
徐々に信頼関係が築き上げられていく。
彼が光州で撮影した動画は日本を経由してドイツに送られ世界中に拡散した。
戒厳軍に対抗しデモを繰り広げる市民たち、市民に向って催涙弾を発射し
デモ隊を棒で殴る戒厳軍、戒厳軍の攻撃を受け倒れる市民たちの姿が
日本を含む世界各国に配信されると、韓国政府や軍部を批判する世論が形成され、
残虐な韓国軍というイメージが定着した。
戒厳令の下にあった当時の韓国では軍部がマスコミを徹底的に統制していたため、
光州でどのような事件が起きているのか、他の地域の国民には知られていなかった。
伝えられていたのは光州で大規模なデモが起き、混乱が起きているらしいという程度だ。
しかし、国外のマスコミへの軍部の介入には限界がある。
ヒンツペーターは閉鎖されていない抜け道を通り光州に潜入、
戒厳軍や空港の荷物検査はフィルムを隠してやり過ごした。
こうしてヒンツペーターが韓国から持ち出すことに成功した映像は
韓国で起こった凄惨な事件の証拠として発信された。
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