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韓国映画「トガニ 幼き瞳の告発」

2018-07-25 | 韓国史劇・ドラマ・映画
この映画は、「万引き家族」のコラムにもあったように
正に「映画は時に、世界中に向けてそれぞれの国が抱える現実を発信する役割を果たす。
そして、それが世界中が注目する映画祭で最高賞を獲れば、なおさら世界にその実情が知れ渡るということだ。」

を実証した映画でした。
この映画によって法律が定められ、再検証も行われて良かったのですが、
隠ぺいしたのが「教育者たち」であったことに怒りがこみ上げてきます。
イントロダクションにもあるように、あまりにもむごい真実の物語に戦慄した映画でした。


■韓国映画「トガニ 幼き瞳の告発」


韓国の作家孔枝泳の小説。「トガニ」とは朝鮮語で坩堝(るつぼ)を意味する。
性的虐待と、それを施設や地域ぐるみで隠蔽していたこととその顛末を題材にした本作は、
『マイ・ファーザー』のファン・ドンヒョクが監督と脚本を務め、
実話を基にしたコン・ジヨンの小説「トガニ-幼き瞳の告発-」を映画化した衝撃作。



聴覚障害を持つ子どもたちに暴行や性的虐待を行い、それを隠ぺいしようとした教育者たちの本性を暴き出す。
映画の出演を熱望したコン・ユがこれまでのイメージを一新し、悩める教師役で新境地を開拓。
国をも動かした、あまりにもむごい真実の物語に戦慄(せんりつ)する。

この映画によって事件が再検証され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待を厳罰化と
公訴時効を廃止する法律、通称「トガニ法」が制定されるとともに、
加害者に対する再捜査が行われた結果、当初不起訴とされた加害者らは逮捕・起訴され、
そのうち1名については2013年に懲役8年・電子足輪装着10年、個人情報公開10年の刑が確定した。



また光州インファ学校は2012年に廃校となっている。
映画の日本公開に合わせて、蓮池薫による日本語訳が2012年に新潮社から刊行されている。



■STORY


カン・イノ(コン・ユ)は大学時代の恩師の紹介で、ソウルから郊外のムジンという町の
聴覚障害者学校に美術教師として赴任する。
着任早々彼は校長の弟の行政室長(チャン・ガン)に、教職を得た見返りとして
大金を要求される。



最初から学内の重苦しい雰囲気を奇妙に感じていたイノは、ある晩、帰宅しようとして
子どもの悲鳴を聞きつけるが・・・。



この映画では、暴行を行った教員らに対する判決があまりにも軽かったことや
社会の関心があまりにも低かったこと、実刑を逃れた関係者がそのまま学校に復帰したことを描いている。
映画公開後に韓国国内で関係者に対する非難の声や再捜査を求める声、
同様の事件に対する厳罰を求める声が上がった。





この聾学校は事件後も生徒を受け入れていたが、光州広域市教育庁は廃校を決定した。
映画の影響を受けて、韓国政府は障害者の女性への虐待に対する罰則の厳罰化や、
障害者や13歳未満への虐待に対する公訴時効の撤廃を定めた『トガニ法』を制定した。

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