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一方、イタリアの現状、「極右」とは

今年の9月の総選挙で

「イタリアの同胞」が

首班となる政権が誕生した。

 

排外主義的なネオファシスト政党の

流れをくむ「極右」とされ、

ムソリーニの墓の炎を表すロゴが

あしらわれた党の旗をもちいている。

 

 

極右はあいまいな表現で、英語で、far right 。

ポピュリズム研究の政治学者

カス・ミュデ(オランダ出身)によると

極右はさらに二つあると分類。

 

「極端な右」と「急進的な右」とに。

共通点は、

自由民主主義の根幹である多様性を否定し、

マイノリティーへの差別や移民排斥などを

主張しているが、その手段が違うという。

 

●「急進的な右」は、

選挙や議会などの民主主義を受け入れる。

 

●「極端な右」は、

民主主義を破壊しようとする。典型はナチス。

 

「イタリアの同胞」は穏健化をはかり、

民主主義のルールの中で変革しようとしている。

「革命的でなくアンチシステムではなく、

『社交的』にみえるがゆえに安心できる」

「極端さ」を抑え、「急進的な右」に徹しているから

支持を集めている。

 

しかし、暴力を使ってシステムを

変えないからといって安心はできない。

「急進的な右」は多様性を否定し、

移民や性的少数者を迫害する。

指導者が憎しみをあおれば、

むき出しの負の感情が社会をおおう。

 

処方箋として、

同志社大学、吉田徹教授(比較政治)は、

既成政党と有権者に努力と注意を呼びかける。

 

○既成政党には、

極右が単独では政権を取れないうちに、

「妥協と交渉を通じて、

極右を穏健的な方向に導いていく努力が求められる」。

 

○有権者には、

感情にあおられても冷静さを保ち、

「民主主義のルールが破られていないかを

恒常的に気にかけることが求められる」と言う。

 

*参照

(2022年11月29日 朝日新聞33面文化 田島知樹)

 

「多様性の豊かさ」「フルインクルーシブ」が

イタリアから消えないように、

また、この国で育ちますように。

無知の一歩を、

田島さんを通して吉田教授が教えてくれました。

この国での処方箋は、

(穏やかではあるが、)

強いクスリの必要性があると思う。

まずは、その処方箋の前に、

自分が、そして、みんなが、

「多様性の豊かさ」を知り理解することから

始めなければいけない。

 

 

 

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