映画「タイタニック」でご存知の通り、客船の中は階級社会である。
今もその名残が残っている。船底部屋からバトラー付きのスイートまで船室がカテゴリーで分けられている。昔と違うのは、船底部屋でも同じレストランが使えたり、ショーの席が「ラーメン屋の行列」をすれば良い席に座れるくらいは平等?になっている。
テレビで〇〇ネットTが「豪華客船、セレブの旅」と大声で喚くのは笑ってしまう。
船底部屋、せいぜいバルコニーくらいまでは、船のグレードから言っても外国の旅行会社から乗船券をゲットすれば1人10万円しないのに。
外国人の友達は「船は安くて体に負担がかからないから日本に来るには丁度いい」と言う。外国船籍のクルーズ船のゲスト達はバーでお酒を飲みながら、おしゃべりをしている。私も必死に赤ちゃん英語で話す。
今春から、ダイヤモンドプリンセスが定期運行を再開した。コロナ隔離クルーズの時には、殆どゲストは日本人で行列と「偉そうなジジイども」にうんざりした。退職金が出たばかりくらいの年齢のジジイ。セレブな気分に浸ってるんだろうなと思った。小さなトラブルがあって頭ごなしに「ここから出ていけ」と怒鳴った手の震えが、人に指示をしたことのない(偉くなれななかった)ジジイだと見抜いたので「謝りますが2回目はありません。この事と私が居たいところにいることは問題が別です。あなたの命令に従わなくてはならない決まりはありますか?」と冷静に言い返してフルシカトしてやったぜ。
屋外プールサイドでデッキチアーに座って本を読んでいたところに、娘から緊急電話がかかってきて、ほんの1、2分話したことで「出ていけ」と言われたのよ。屋外デッキで電話してはダメというルール自体ないのよね。
私の二つ目の仕事は、私をさらに強くした。女をみくびる団塊ジジイになんか決して引かない。エセセレブで偉そうな気になるようなバカは「なめんなよ!」といった対応を取る。
富裕層と呼ばれる人は「現金資産を1億以上持っている人」だという。不動産や有価証券は入っていない。そういう人は日本に220万人いるらしい。そういう人は最低一泊6万円の日本船やシーボーンやセブンシーズに乗るのよ。
日本船は毎晩、おめかししないとならないからお金があっても乗りたくない。シーボーンやセブンシーズは乗ってみたい。オールカジュアル、オールスイート、バトラー付き。この超セレブ船のカジュアルの服装はブランドのロゴが入っているレベルのカジュアルじゃないんだ。ロゴ物なんか着てたらバカにはされないけれど、お里が知れてしまう。わかりやすく言えば「和光」で売ってるような服と持ち物でなければ恥ずかしくて乗れない。
エセセレブな旅は行列。
10月のクルーズはスイート客室。これは、コロナのお詫び代も入っている。
私もエセセレブである。でも、私はパーティー以外はフォーマルな格好もしないし、普段着で船の中をふらふらしている。それで良いって知ってるから。
船は若い頃からの憧れだったけど、そろそろやめようかなと思ってる。
1番行きたかったグレーシャーベイには2回行った。氷河の崩落も見た。
7日間、360度、海。上る太陽、沈む夕日。
乗るとしたら、飛行機でブエノスアイレスまで行って南極に行きたい。
これは多分夢で終わる。
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