翌朝6時前に抄花は亜遊の部屋に行った。昨日の事が余りにも悔しくて亜遊を起こしてやろうと思ったのだ。しかし、2003の部屋は消えていた。ドアが無く壁になっていた。驚いた抄花はワタリの部屋のドアを叩いた。
✳️この物語の現物は7作の中編です。組み合わせて1本にしたら、こんなに長くなってしまいました。しかし、かなり端折ってもあります。
中から出てきたワタリの雰囲気は変わっていた。昨日までのワタリは、優等生の男の子のような感じがあった。それが消えて大人の落ち着きが表れていた。抄花は少し恥ずかしくなって落ち着いて「亜遊さんの部屋がないのです。」と言った。
「うん。もう必要がないから消した。その分、私の部屋が広くなった。私と亜遊は婚約して同棲することにしたんだ。抄花さんも早起きだね。亜遊も用意ができているから3人で出勤しようか。私たちはセキ様に私たちの関係が変わったことを報告するんだ。セキ様は早起きだから、もう仕事をしている。」
セキは、やはり仕事をしていた。ワタリと亜遊の婚約と同棲の話を聞くと祝福してくれたが、「高天原の揉め事が片付いたら結婚?戦後の方が大変なんだよ。同棲じゃなくて2人はすぐ結婚しなさいな。高天原の戦が終わったら亜遊は数年はこっちに戻れないよ。我は、昨日ワタリが相談に来た時から結果は何となく分かっていた。だから、用意してある。」と言って「赤色玉の耳飾り」を出した。
「今、夫婦になれ。立会人は我とエリとハジリとサクリ、抄花だ。」
みんなが執務室に入ってきた。エリは満面の笑みを浮かべて花束を亜遊に渡した。抄花は涙をこぼしながら「エリ様にお二人のご縁を教えてもらいました。横槍を入れてごめんなさい。亜遊様、私を躾けてください。一人前の宮仕に仕立ててください。お願いします。」
ワタリと亜遊はお互いの耳に片方ずつ耳飾りをつけた。
そして手を繋いだ。
「亜遊の手紙」終わり
✳️この物語の現物は7作の中編です。組み合わせて1本にしたら、こんなに長くなってしまいました。しかし、かなり端折ってもあります。
連休中は、作業部屋の片付けをしたいと思います。
思いつきで始めたことが終わるまで1ヶ月半かかりましたw
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