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2022年1月27日、東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、17~27歳の男女6人が東電に計6億1600万円の損害賠償を求める訴訟
を東京地裁に起こしました。
原告らは2011年の原発事故時に6~16歳だった子どもたちで、皆さん福島県内に住んでいました。
この子たちは福島県の調査などで甲状腺がんと診断され、2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発によって全摘したのです。
福島原発事故による放射性物質で甲状腺がんになった17~27歳の男女6人が東京電力を提訴。原告のうち2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発によって全摘!原発と核兵器ゼロしか人類の生き残る道はない。
2021年10月に公表された福島県の調査によると、事故当時18歳以下だった県民38万人のうち、266人が甲状腺がんかその疑いがあると診断されています。
小児甲状腺がんは非常に珍しい病気で、福島原発事故前は100万人に1~2人しか罹患しないとされてきていたので、この数字は誰が見ても異常です。
ところが、福島県の専門委員会である福島県県民健康調査検討委員会は2015年に公表した中間報告で、事故による被曝とがんとの因果関係は
「現時点で認められない」
としています。
その理屈は、「スクリーニング効果」とか「過剰診断」と言われるもので、福島原発事故が起きたので子どもたちをみんながん検診するということを初めてしたので、これまでなら見つからなかったであろう治療の必要のない甲状腺がんが見つかってしまったのだというのです。
しかし、266人中211人が甲状腺がんの手術をしているのですから、治療の必要のない微細ながんだという福島県の専門委員会の意見は的外れです。
さらに、この訴訟の原告になった6人のうち、2人は甲状腺の片側を切除し、4人は再発によって全摘したというのですから、この深刻な甲状腺がんを過剰診断だとかスクリーニング効果で説明するのは全く不合理です。
そこで、
EUが原子力発電を「グリーンエネルギー」と認定するのに対して「原発推進は未来を脅かす亡国の政策」だと抗議した日本の元首相5人が正しく、これを批判する岸田首相と高市自民党政調会長らの方が間違っている。
で書いたように、EUの行政機関であるヨーロッパ委員会は2022年2月2日、原子力と天然ガスを使った発電などについて脱炭素への移行を支えるとして一定の条件のもとで、
「持続可能な経済活動」
と認める方針を正式に発表したのに対して、日本の5人の元首相が
「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ、莫大な国富が消え去った。この過ちをヨーロッパの皆さんに繰り返して欲しくない」
と訴える書簡を出しました。
ところが、この5人の元首相の書簡提出に対して、山口環境相が
「誤った情報」
と決めつけ、岸田首相は衆議院予算委員会で
「福島県の子どもに放射線による健康被害が生じているという誤った情報を広め、言われのない差別や偏見を助長することが懸念されるものであり適切ではない。きのう山口環境大臣からそのことを指摘し風評被害を払拭するべく書簡を発出した」
と述べ、自民党の高市政調会長も
「誤った情報に基づいて風評が広がることは農林水産品の輸入規制の解除に向けたさまざまな方の血のにじむような努力を水泡に帰しかねない。5人の総理大臣経験者に対し抗議の意思を表明する」
と言い切りました。
そして、福島県の内堀知事も
「科学的な知見に基づき発信するよう」
要請するなど猛攻撃がされました。
そこで、この「311子ども甲状腺がん裁判」の弁護団(井戸謙一団長)は2022年2月4日、政府や福島県に対して抗議する声明を発表しました。
弁護団は声明で、
「福島県では、事故後11年間に、福島県民健康調査で266人、それ以外で27人、少なくとも合計293人と多発していること、そのうち少なくとも222人が甲状腺の片葉または全葉の摘出術を受け」
ていることを指摘し、
『「多くの子供たちが苦しんでいること」は紛れもない事実である。』
と反論しています。
そして、
弁護団は
「東電は事故との因果関係を認め、補償制度をつくるべきだ」
として、国や行政はがんの原因が被曝かどうか調べ、市民と議論し、否定できなければ東電に補償させ、福島の若者の支援体制をつくるべきだと訴えたのです。
さらに、5人の元首相らの書簡をとりまとめた民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」も2月3日、山口環境相に対し
「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ」
という点を否定するか、福島県の検査で266人ががんや疑いと診断された理由は何と主張するのか、2月10日までに回答を求める質問状を公開しました。
岸田首相や高市政調会長が、100万人に1~2人とされてきた小児甲状腺がんに何百人もの子どもたちがり患して手術している現実を無視して、福島県の検討委員会の中間報告を絶対視することの方が非科学的です。
この裁判の子どもたちの中には、差別を恐れて甲状腺がんであることを隠したり、そのため就職をあきらめた人もいるのです。
岸田政権のやっていることは、福島原発事故の影響を矮小化するために、被害者の子どもたちへの差別や偏見を増す「セカンドレイプ」のようなものなのです。
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福島県小児科医会が甲状腺がん検査の規模縮小含め見直し要望。「がんが見つかって県民に不安」の本末転倒。
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2022年2月4日
311子ども甲状腺がん裁判弁護団
弁護団長 井 戸 謙 一
副団長 河 合 弘 之
同 海 渡 雄 一
日本の将来を真に憂いておられる元首相5名(小泉純一郎氏、細川護熙氏、菅直人氏、鳩山由紀夫氏、村山富市氏)が2022年1月27日付で欧州委員会委員長に対し、「脱原発・脱炭素は可能です ―EUタクソノミーから原発の除外を―」と題する書簡を発出された。
その文中、福島の現状について「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ」との一節があったことに対し、細野豪志議員がツイッターで、山口壮環境大臣が元首相5名あて書簡で、自民党高市総務会長が抗議表明で、福島県内堀知事が申し入れで、岸田総理が予算委員会の答弁で、自民党福島県連が抗議文の送付によって、それぞれ非難、攻撃し、政府・自民党による総バッシングというべき様相を示している。
その理由は、上記の一節は、「誤った情報であり」(環境大臣、岸田首相)、「誤った内容であり」(高市総務会長)、「科学的事実に反し」(細野議員)、「いわれのない差別や偏見を助長する」(環境大臣、岸田首相)、「福島の若者に不安をもたらす」(細野議員)、「誤った情報に基づいて風評が広がる」(高市総務会長)等というのである。
しかし、福島原発事故前は発症数が年間100万人に1~2人といわれた小児甲状腺がんが、福島県では、事故後11年間に、福島県民健康調査で266人、それ以外で27人、少なくとも合計293人と多発していること、そのうち少なくとも222人が甲状腺の片葉または全葉の摘出術を受けていて、「多くの子供たちが苦しんでいること」は紛れもない事実である。
政府自民党による上記非難は、小児甲状腺がんの多発の原因が被ばくではないと言いたいのかも知れないが、これは科学的に決着がついた問題ではなく、彼らの発言こそ「不正確な情報」である。福島県県民健康調査検討委員会やUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が被ばくとの因果関係を否定しても、これらの組織が因果関係の有無を決する権限を持っているわけではない。他方で、因果関係を認めるべきだと主張している多くの専門家がいる。
この点について環境省は、福島県県民健康調査のスクリーニングによって、放置しても進行しないラテントがんを多数見つけているだけであるという、いわゆる過剰診断論にたっているようであるが、過剰診断論は、実証された説ではない。逆に福島県県民健康調査のスキームは、甲状腺がんにラテントがんがあることを十分認識しつつ、過剰診断、過剰治療に陥ることのないように慎重に作られている。
がんを見つけたら拙速に切除するのではなく、その進行状況を見極め、周辺の組織への浸潤状況、周辺リンパ節への転移状況等も慎重に調査して、甲状腺治療ガイドラインが定める手術適応を満たした事例についてのみ手術を実施している。福島県で小児甲状腺がんの摘出術をした甲状腺外科医は、過剰診断であることを明確に否定している。
小児甲状腺がんは、大人の甲状腺がんに比較して進行が速いといわれている。福島県は総数を明らかにしていないが、相当数の子どもが手術後再発しているようである。さる1月27日東京電力を相手取って損害賠償請求を起こした小児甲状腺がん患者6名のうち4名は手術後がんが再発しているのである。環境省は、これらの症例も過剰診断だというのだろうか。
福島県の子どもたちは全員がそれなりの被ばくをした。被ばくによって発症する極めて稀な病気に罹患した子どもたちが、その原因が被ばくではないかと疑うのは自然なことである。国や行政が押さえつけてもその不安を抑えることはできない。NPO法人3.11甲状腺がん子ども基金の調査によれば、甲状腺がんに罹患した子どもやその家族のうち、約6割は原因が被ばくであると考えているとのことである。
しかし、小児甲状腺がん患者による損害賠償請求訴訟はやっと提起されたばかりである。原告の一人は、提訴の記者会見で、自分が甲状腺がんに罹患していることすら話せなかったと述べた。今回の一連のバッシングによって、小児甲状腺がん患者や家族が今まで以上に気持ちや疑問を口にできなくなることを強く危惧する。彼らの発言こそが「差別や偏見を助長」するのであり、福島の若者やその家族に二次被害を与えるものであることを自覚すべきである。
国や行政がするべきことは、この小児甲状腺がんの多発が被ばく由来であるのか否かについて、徹底的に調査し、そのデータを公開し、市民を交えてオープンに議論し、因果関係が否定できないのであれば東京電力をして速やかに補償させること、福島の若者たちの苦しみを少しでも取り除けるような恒久的な支援体制を構築することである。
小児甲状腺がん患者や家族が抱いている不安を押さえつけ、その口を封じるのではなく、事実が明らかになることによって一部に差別や偏見が生まれるのであれば、それを無くすよう努めるのが行政の役割であるはずである。
福島県で多発している小児甲状腺がんの原因については、今後も調査を続けなければ科学的な決着はつかない。患者による東京電力を相手取った裁判も始まったばかりである。当弁護団としては、今回の一連の政府自民党等の元首相5名に対する不当なバッシングに対し、強く抗議するものである。
以上
「苦しんでいるのは事実」 甲状腺がん患者の弁護団が抗議(福島県)
2/4(金) 17:20配信 テレビユー福島
(写真:TUF)
小泉純一郎氏ら首相経験者5人が「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」とした書簡をめぐり、岸田首相などが「誤った情報」と発言していることに対し、東京電力を提訴している甲状腺がん患者の弁護士が、抗議声明を出しました。
小泉氏や鳩山由紀夫氏など首相経験者5人は、先月、EUに対し、原発をめぐる方針の撤回を求めて書簡を送付しました。この中に「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」と記載されていることに対し、岸田首相や山口環境相が「誤った情報」などと発言したほか、福島県の内堀知事も「科学的な知見に基づき発信するよう」要請しています。
これに対し原発事故後、甲状腺がんと診断され、東電を提訴している患者の弁護団が抗議声明を公表しました。声明では200人あまりの子どもが、手術を受けていることについて触れ「多くの子どもたちが苦しんでいることは紛れもない事実」だと訴えています。
また、岸田首相らの発言により「患者や家族がいままで以上に気持ちや疑問を口にできなくなる」とした上で「彼らの発言こそが差別や偏見を助長する」と非難しています。
子どもの甲状腺がんは、一般的に100万人に2人程度とされていますが、福島県が原発事故後に行った調査では、これまでに266人に、がんやその疑いが見つかり、222人が手術しています。
EU2カ国、欧州委提訴へ 原発「グリーン」認定に反発
2022年02月03日08時35分
5人の元首相声明「不適切」と岸田氏 福島原発事故で甲状腺がん
国内の原発利用を40年以上禁じてきたオーストリアのゲウェッスラー環境相は2日、ツイッターで「原発は気候保護には貢献しない。あまりに高価で危険過ぎる」と指摘。「未来を危険にさらし、無責任この上ない」と批判し、欧州委の案が施行され次第、提訴すると明言した。
ルクセンブルクのトゥルメス・エネルギー相もツイッターで反対姿勢を強調。「オーストリアと共に法的措置を検討する」と訴えた。
小泉元総理大臣ら5人の総理大臣経験者が東京電力の福島第一原発の事故で多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいるなどとした書簡をEU=ヨーロッパ連合に送ったことについて、自民党の高市政務調査会長は誤った内容だとして抗議する考えを示しました。
小泉元総理大臣が顧問を務める民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」によりますと小泉氏は先月、細川護煕氏、菅直人氏、鳩山由紀夫氏、村山富市氏の総理大臣経験者5人の連名でEUに脱原発を促すための書簡を送り、東京電力の福島第一原発の事故について「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ、ばく大な国富が消え去った」などと記載しました。
これについて自民党の高市政務調査会長は記者会見で「政府に確認したところ福島県の子どもに見つかった甲状腺がんは、国内外の公的な専門家会議で現時点では原発事故による放射線の影響とは考えにくいという評価が出されている」と指摘しました。
そのうえで「誤った情報に基づいて風評が広がることは農林水産品の輸入規制の解除に向けたさまざまな方の血のにじむような努力を水泡に帰しかねない。5人の総理大臣経験者に対し抗議の意思を表明する」と述べました。
福島県知事 小泉元首相らに申し入れ 子どもの甲状腺がん記載で
福島県の内堀知事は、小泉純一郎元総理大臣ら総理大臣経験者5人が先月、ヨーロッパ委員会に送った脱原発を求める書簡の中で、東京電力福島第一原子力発電所の事故に触れたうえで、福島で多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいるとしたことについて、5人に対し、科学的知見に基づく情報発信をするよう申し入れました。
福島県では原発事故当時18歳以下だった子どもを対象にした甲状腺検査で、これまでに266人ががん、またはがんの疑いと診断されていますが、専門家でつくる県の検討委員会は、これまでのところ、「甲状腺がんと放射線被ばくの関連は認められない」などとする見解を示しています。
小泉純一郎氏と細川護煕氏、菅直人氏、鳩山由紀夫氏、村山富市氏の総理大臣経験者5人が、先月27日付でヨーロッパ委員会の委員長宛てに送った脱原発を求める書簡では、「私たちはこの10年間、福島での未曾有の悲劇と汚染を目の当たりにしてきた」としたうえで、多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいるなどと記載されています。
これについて福島県の内堀知事は2日、5人に対し、「福島復興のためには科学的知見に基づいた正確な情報発信が極めて重要であると考える」として、福島県の現状を述べる際は、県の見解や専門機関、国際的な科学機関などの知見に基づいて、客観的に発信するよう申し入れました。
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ここまで来たか、と思わされたのは、総理大臣の岸田が、広島選出であるにも関わらず、放射線の健康被害について慎重な立場を取らなかったことでした。
広島は、放射線のもたらす健康被害の壮大な人体実験場となってしまった場所。
それなのに、放射線の健康への影響について否定的な立場を取る。
それは、かねて自民党の議員や支持者が好んで口にする、「尊い犠牲への冒涜」以外の、何なのでしょうか。
甲状腺が成長に関わるホルモンを分泌する器官であり、それを全摘せざるを得ない児童や若者が1人いただけでも、たましいを強く揺さぶられるのが、やはりマトモな人間であろうかと思います。
が、自民党や公明党や維新や国民民主党や経産省には、そのようなたましいを持つ者がいないようですね。