2024年2月4日、アメリカがウクライナに長距離ロケット弾を供与すると発表したことに対し、ロシアが一方的に併合したクリミア半島が攻撃されれば「ウクライナ全土が炎に包まれる」と警告したメドベージェフ前ロシア大統領。
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ロシアのプーチン政権が何をしてももうそんなに驚かないと思っていたのですが、これは報道を見て目を疑いました。
モスクワ州の裁判所は2024年6月11日、ウクライナ侵攻に抗議したマキシム・リプカンさん(19)について、精神科病院での強制的な入院治療を続けるべきとの一審判決を維持した、というニュースです。
そんな一審判決があったことは見逃していたのですが、リプカンさんは18歳だった2023年2月、ロシア軍によるウクライナ侵略開始から1年の節目にモスクワで抗議デモを計画したところ、
「ロシア軍に関する偽情報」
を流布したという容疑で逮捕されたそうです。
ところがなんと、一審は2024年2月、リプカンさんが「犯行当時」に心神耗弱の状態だったとして公訴を棄却し、刑務所に入れる代わりに精神科病院で
「強制的な入院治療」
を受けさせるとの判断を下したんだそうです。
そして信じられないことに、リプカンさんは判決前の2023年11月からすでにモスクワ州の精神科病院に入院させられており、この一審の裁判も欠席判決だったというのです。
日本の高裁にあたるモスクワ州裁判所。
ちなみに、ロシアの人権団体「メモリアル」は、リプカンさんを政治犯リストに記載しています。
そして、リプカンさんは米政府系ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーとのインタビューで、プーチン大統領を
「戦争犯罪人」
と呼び、ウクライナ侵略に抗議したのは
「ウクライナ国民の犠牲者数に衝撃を受けた」
からだと話していたそうですから、精神状態は病気どころか非常にまともです。
ちなみに、ロシアはウクライナ侵略への批判をさまざまな法律を作って厳しく取り締まっていますが、被告人を精神科病院の閉鎖病棟に送るという旧ソ連の指導部が反体制派に用いた手法を取るのは異例とのこと。
そういえば、プーチン大統領はソ連の独裁者スターリン復権をあの手この手で進めていますが、政府に反抗したら精神病院に入れてしまうだなんて、西欧では18世紀の近代市民革命までの話です。
精神病院に入れられているリプカンさんは「病気」が治った=洗脳されないと外に出てこれないわけで、終身刑も同じこと。
リプカンさんよりプーチン大統領とその政権のほうがよほど病気です。
ロシアのプーチン政権がソ連時代の記念碑の撤去を進めたエストニア首相らを指名手配。ロシアでスターリン礼賛が復活。殺人犯を釈放して兵士に、ライバルは政治犯として投獄。ソ連時代に逆戻りするロシア。
さて、プーチン政権で「重病人」の最たるものと言えば、この人、メドベージェフ前大統領。
現在、国家安全保障会議副議長を務めている同氏はプーチン大統領が言いたいことを思い切った表現で言う役割の、うちのブログに言わせれば「プーチン政権の口先尖兵」。
ウクライナ侵略を開始してからもつどつど核兵器を使用するぞと威嚇し、2023年7月5日にテレグラムに公開した動画では
「世界大戦を含むあらゆる戦争はすぐ終わらせられる。
講和条約を結んだ場合、あるいは1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをした場合だ」
ロシアのメドベージェフ前大統領がウクライナの反転攻勢に「1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをしたら戦争はすぐに終わらせられる」と威嚇したことは国際法違反で絶対に許されない【改】
さて今年6月になって、NATO諸国ではウクライナに提供した兵器を使ってロシア領内の一部地域の軍事施設に攻撃することを許可するとアメリカやドイツなどが次々と決めたり、EU各国がロシアの侵略行為に対する経済制裁として凍結したロシアの資産をウクライナへの援助に回すと決定しています。
これはロシアにとっては大きな打撃になるので、ロシアが追い詰められたことに反発したメドベージェフ氏は、今度は欧米にいる「支持者」に対して欧米諸国へのテロを公然と呼びかけました。
同氏は6月13日に自分のテレグラムチャンネルで、ロシアに制裁を科している米欧などに対して
「最大級の損害を与える努力が必要だ。文字どおり、エネルギーや産業、交通、銀行を破壊する」
「彼らの経済の弱点を探し続け、あらゆる分野で打撃を与えなければならない」
「すべての重要インフラの崩壊が迫る恐怖を抱かせる」
「彼らの生活を、虚構と現実の区別がつかないほどの悪夢に変えよう」
とテロを呼びかけたんです。
こんなんもう、B級アクション映画のチープなテロ指導者の具現化じゃないですか。
Medvedev uses the tragedy of the upcoming 9/11th anniversary to make more threats towards the West.
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) September 10, 2023
The rhetoric of former Russian president and current state official indicates that Russia sees threats and blackmail as its preferred diplomatic method.
I wonder if Medvedev… pic.twitter.com/sDjLpG0Zeh
9・11テロから22年目を迎えようとしていた前夜の2023年9月10日、
「多くの人々が、西側諸国の、特に、アメリカの傲慢さと嫌悪すべきナルシシズムに慣れてしまったようだ。彼らが自分たちの正義や独占に絶対的自信を持っていることに」
「予言したくはないが、アメリカはいつかまた、テロリストから9.11のような攻撃を受けるだろう。その攻撃は核兵器か生物兵器によるものになるだろう。あるいは、さらに悪いことには、核保有国の指導者の1人が、冷静さを失くし、大量破壊兵器を使用するという感情的な決断を下すかもしれない。
特に、核保有国は絶えず核兵器を拡大しており、その多くは(協定などにより)拘束されていないからだ。そして、その時(核兵器が使われた時)は終わりだ。ゲームオーバーだ。せいぜい、グラウンド・ゼロのそばに、新しい記念碑を作るためのお金を集めることしかできないだろう」
と投稿したというメドベージェフ前大統領。
アイアンマンに出演している名優ベン・キングスレーを思い出した。アイアンマン1と3はA級映画。
さらにメドベージェフ前ロシア大統領は
「我々の武器を西側の敵に渡すのを恐れているのか。
核兵器以外の可能な兵器はすべて渡し、攪乱を助けるべきだ」
と、ロシア政府がテロ組織などに武器を供給してテロを支援する可能性さえ示しました。
しかし、そもそも、まずロシア軍に侵略されているウクライナがウクライナ領内だけで戦う義務は全くなく、ロシア領内の軍事施設を攻撃することは国際法上、最初から自衛権の範囲内の行為です。
これまでがむしろ侵略者であるロシア軍に比べて、ウクライナ軍だけが片手を縛ってボクシングをしていたようなものなんです。
しかも、バイデン大統領など欧米首脳は、ウクライナに提供した武器をロシア領内で使うにしてもそれはウクライナに越境して攻め込んでくるロシア軍からの攻撃を防御するためであって、欧米諸国の兵器を使ってモスクワやクレムリンは攻撃してはいけない、アメリカの武器を使ってロシアを攻撃できるのは国境付近の軍事施設を攻撃する場合だけだと兵器使用の対象制限を明示しています。
また、国連憲章に違反し、さまざまな戦時国際法に違反して戦争犯罪を繰り返しているロシア政府は、戦後にウクライナに戦争被害を賠償する法的責任があるのですから、欧米諸国が凍結したロシアの資産をウクライナへの援助に利用してももちろん合法です。
それにもかかわらず、ロシアにとって痛手なことを欧米がするなら欧米でテロを起こせと呼びかけるだの、テロリストにロシアの兵器を渡してテロを起こさせると恫喝するなど、これ自体がもうNATO諸国に対する宣戦布告も同然です。
プーチン政権はこういう人間こそ精神病院に入れるべきで、またまたメドベージェフ氏の暴言を放置して全世界を敵に回して威嚇するなら、もう何が起こってもすべてロシア政府の責任です。
こんなふうに、旧ソ連どころか中世の帝政ロシアに戻ったかのようなプーチン政権のロシア軍によるウクライナ占領を温存して、ウクライナ人民に耐えろと強要する親露派即時停戦論者は本当に残酷です。
そして、親露派陰謀論者たちは西側諸国が自国の市民に経済的負担を負わせてまでウクライナを支援することを「人権侵害」だと批判していたのですから(-_-;)、欧米諸国の市民の負担にならないように、侵略国ロシアの資産でウクライナを支援する策は批判できないでしょう。
トランプ米大統領候補の言うように「ロシアのやりたいように」させたら(フォーブス誌)。「ロシアの軍人による強制性交の被害に遭ったウクライナ人には、妊娠中だった16歳の少女や、83歳の老婆も含まれる。」
ISがモスクワで襲撃テロ。ロシア軍が4人の容疑者に電気ショック・耳を切るなどの拷問をする映像を公開。そしてテロの濡れ衣をウクライナに着せ侵略と戦争犯罪を正当化しようとするプーチン大統領は最低の独裁者だ
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侵攻に抗議の19歳、精神科病院に強制入院 一審判決維持 ロシア
【6月12日 AFP】ロシア・モスクワ(Moscow)州の裁判所は11日、ウクライナ侵攻に抗議したマキシム・リプカン(Maksim Lypkan)さん(19)について、精神科病院での強制的な入院治療を続けるべきとの一審判決を維持した。
ロシアはウクライナ侵攻への批判を厳しく取り締まっているが、被告人を精神科病院の閉鎖病棟に送るという旧ソ連の指導部が反体制派に用いた手法を取るのは異例。
リプカンさんは18歳だった昨年2月、侵攻開始から1年の節目にモスクワで抗議デモを計画。「ロシア軍に関する偽情報」を流布した容疑で逮捕された。
だが、一審は今年2月、リプカンさんが「犯行当時」、心神耗弱の状態だったとして公訴を棄却。代わりに精神科病院で「強制的な入院治療」を受けさせるとの判断を下した。
リプカンさんは昨年11月からモスクワ州の精神科病院に入院させられており、欠席裁判となった。
ロシアの人権団体「メモリアル(Memorial)」は、リプカンさんを政治犯リストに記載している。
リプカンさんは米政府系ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーとのインタビューで、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を「戦争犯罪人」と呼び、ウクライナ侵攻に抗議したのは「ウクライナ国民の犠牲者数に衝撃を受けた」からだと話していた。(c)AFP
アメリカのバイデン大統領は、ロシア軍の侵攻を受けるウクライナに対してアメリカが供与した兵器で国境近くのロシア領内を攻撃することを許可したとする一方、首都モスクワへの攻撃では認めないと強調しました。
ロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州で攻勢を強めていることを受けて、アメリカのバイデン大統領は5月下旬、アメリカが供与した兵器をウクライナ国内での使用に限定してきたこれまでの方針を転換し、ロシア領内の一部の地域で軍事目標への攻撃に使うことを許可しました。
これについてバイデン大統領は6日、アメリカ・ABCテレビのニュース番組で、キャスターのデイビッド・ミュアー氏の単独インタビューに応じ「ウクライナは国境近くで使用することが許可されている」と述べました。
一方で「われわれはモスクワやクレムリンへの攻撃では許可していない」と述べて、アメリカの兵器を使ってモスクワを攻撃することは認めないと強調しました。
アメリカなどが自国が供与した兵器を使ってロシア領内を攻撃することを許可したことについて、ロシアのプーチン大統領は5日、報復措置をとる用意があると警告しました。
バイデン大統領としてはロシア側との対立がエスカレートしないよう、アメリカの兵器の使用は国境付近への攻撃に限定するとした方針を強調したものとみられます。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)はイタリア南部プーリア州で現地時間13日午前(日本時間同日午後)、開幕した。G7は欧米などで凍結されたロシア資産の運用益を活用し、ウクライナに対し、500億ドル(約7兆8000億円)規模の資金支援を実施することで合意した。米政府高官が明らかにした。
米政府高官によると、G7が資金を調達し、新設する基金に融資。基金が年内にウクライナに供与する。調達した資金の返済に凍結したロシア資産の運用益を充てる。多額の支援資金を一度に調達し、時間をかけて返済する方式だ。
欧米が凍結したロシア資産は総額約3000億ドルに上り、その3分の2は欧州の証券集中保管機関「ユーロクリア」で保管されている。ユーロクリアは、凍結資産から年間で最大50億ドル程度の運用益を出している。
この運用益をウクライナ支援にどう使うかを巡っては、米国と欧州で意見が割れていた。欧州連合(EU)は運用益を欧州の基金に移し、軍事支援などに充てることを5月に決めた。だがこの場合、ウクライナへの供与額は年間30億ドル程度にとどまる。米国は戦況に大きな影響を与えられるメリットなどから、10倍以上の額を一度に供与できる案を主張し、G7各国を説得した。
ただ、戦争終結などでロシアの資産凍結が解除された場合などに、返済資金の元手がなくなるなどの問題が残っており、G7は今後、制度の詳細を協議する。
また米政府は12日、ウクライナに侵攻するロシアに対する追加制裁を発表した。軍需物資の生産などに関わるロシア国内外の300以上の団体や個人が対象。中国の金融機関などを念頭に、制裁の対象者と取引した金融機関は制裁を受ける可能性があるとしており、制裁逃れの「抜け道」をふさぎたい考えだ。
一方、G7は共同声明で、中国政府が補助金を出して電気自動車(EV)などの自国製品の輸出を後押しする「過剰生産問題」に対し、一致して取り組むことなどを盛り込む方向で調整している。米政府高官が明らかにした。中国は「過剰生産は存在しない」と一貫して主張しており、G7は結束して中国への圧力を強める方針だ。
岸田文雄首相は13日の討議で、「アフリカ諸国との連携を一層強化したい」と表明。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持と、グローバルサウス(新興・途上国)をはじめとするG7を超えた国際的なパートナーへの関与の強化は、中東情勢の緊迫化など新たな挑戦に直面している中で一層重要だ」とも強調した。【バーリ(イタリア南部)松井聡、宮川裕章、影山哲也】
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プーチンの駒の1つ、まだいたんですね
(しかも「前」っていつのことだよ!(笑)
でも、こういう輩こそ、本当に信用できないんですよね。
独裁者プーチンの、死ぬまで権力を握り続けなければならない「心痛」がよ~くわかります(爆)片腹痛)