【2月11日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は10日に放送されたFOXニュースのインタビューで、ウクライナは「いつかロシアのものになるかもしれない」と発言した。

トランプ氏は、「彼ら(ウクライナ)はディール(取引)をするかもしれないし、しないかもしれない。いつかロシア人になるかもしれないし、ならないかもしれない」と語った。

トランプ氏はまた、ロシアとの停戦案を取りまとめさせるために、キース・ケロッグ特使(ウクライナ・ロシア担当)を近くウクライナに派遣する意向であると確認した。

ウクライナ大統領府の情報筋によると、ケロッグ氏は20日にウクライナ入りする予定だが、訪問先は明らかにされていない。

トランプ氏は戦争終結を仲介したいと語っているが、ロシア、ウクライナ双方を交渉の座に着かせるための詳細な提案は示していない。

ゼレンスキー氏は10日、トランプ氏との会談について、調整中だが日程はまだ確定していないと述べた。一方、トランプ氏は先週、近いうちにゼレンスキー氏と会う「可能性が高い」と話したが、ウクライナ訪問の可能性は否定した。(c)AFP/Victoria LUKOVENKO

 

 

写真左から、ロシアのプーチン大統領、トランプ米大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領(AFP時事)

トランプ氏「プーチン氏と電話会談」 ウクライナ停戦へ「進展」示唆

 ウクライナ側はトランプ米政権が仲介を目指すロシアとの停戦交渉で領土の割譲を迫られることを警戒している。トランプ氏の発言は割譲もあり得るという認識を示したとみられ、波紋を広げそうだ。トランプ氏はウクライナでの戦闘終結に向け、各国への働き掛けを強めている。

 インタビューでは停戦交渉の見通しに関し、「先週、大きな進展があった。ロシアともウクライナとも取引している」と説明。時期には触れなかったものの「取引するかもしれないし、しないかもしれない」と述べ、話し合いが前進する可能性を示唆した。

 その上で、米国が対ウクライナ支援で拠出してきた巨額の資金を「取り戻したい」と表明。ウクライナには大量のレアアースが埋蔵されていると指摘した。5000億ドル(76兆円)相当のレアアースを米国に供給するよう要求し、ウクライナ側が「基本的には同意した」と明らかにした。