大阪府の堺市は、会計課の課長補佐級の男性職員(59)が市外郭団体の職員名簿など不正に持ち出し、約1000人分がインターネット上に流出したと2015年9月7日に発表しています。
さらに、堺市によると、この職員は、外郭団体の業務に関連する市内の有権者などの個人情報を不正に持ち出して、民間のレンタルサーバーに誰でも見られる状態で保存し、「北区の指定病院等における不在者投票対象者の個人情報」など最大でおよそ560人分が外部に流出したということです。
その犯行の動機なんですが、この職員は、自作のシステムを開発して外部に売り込むために、持ち出した個人情報を使っていたということです。
なんか、あんまり愛がなかったらしい。
さらにさらに、堺市は2015年9月13日、新たにこの職員が約68万件の有権者情報などのデータを不正に持ち出し、自宅のPCに保存していたことが判明したと発表しました。
同市の説明によれば、9月12日にインターネット上の告発サイトに「続報・堺市の個人情報流出」と題する記事が掲載されました。
これを受けて追加調査した結果、新たに当該職員が北区選挙管理委員会事務局に在籍していた2006年度から2011年度にかけてデータ約68万人分を不正に持ち出していたことが分かったということです。
えと、堺市の人口って82万人で、有権者68万人ですから、この人が持ち帰っていた情報って、堺市の有権者全員分なんですけど!
衆議院選挙区 | 男 | 女 | 計 |
---|---|---|---|
第15区 | 15,080 | 16,481 | 31,561 |
第16区 | 151,385 | 166,272 | 317,657 |
第17区 | 156,993 | 174,817 | 331,810 |
堺市合計 | 323,458 | 357,570 |
681,028 |
堺市役所のHPより選挙人名簿登録者数より。
あのですね、この情報流出事件が発覚したのは、たまたま、500人分とか1000人分の個人情報がネット上に流れて、誰でも見られるようになったからなんですね。
それでも、10年近く前から情報有権者全員の情報が持ち出されていることに堺市は気づかないでいて、ネット上の告発サイトでそれを知らされて調べたら全容がわかってきたということなんです。
これって、めちゃくちゃ恐ろしくないですか?
だって、地方自治体は、自分のところの公務員が個人情報を持ち出すのを止めることもできないし、持ち出したことを見つける能力もないってことなんです。
マイナンバー制度の関しても、外部からのサーバーに対する攻撃に対して「ファイヤーウォール」って言って、防壁を作るだなんて言っていますが(それもイタチごっこで、日本年金機構の年金情報漏れを見てもわかるように、完全な防御は不可能)、内部から情報を持ち出されることに関しては止めようがないんですよ。
マイナンバー制度は、個人情報を国民一人につき生涯ただ一つの個人番号に全部結び付けて集約すればするほど便利だという制度なんですが、マイナンバーに集積される情報が多くなればなるほど、いったん情報漏れが起こった時の被害は取り返しがつかないものになります。
この個人番号がICで記録されるマイナンバーカードの申請は、してもしなくてもかまわないのですが、安倍政権はカードの普及を促すため、企業や学校が従業員や学生の分を一括して、申請できるようにすることを決めました。
職場や学校で一斉に申請するとなれば拒否しにくいでしょうから、マイナンバーカードまで事実上の強制になりそうです。
しかも、申請の前に地方自治体の職員が企業や学校などに出向いて、本人確認を一括して済ませるというのですが、安倍政権ってこんなところだけ、なんでとことん性善説なんでしょうか。
今、個人情報って売買の対象になっています。マイナンバーに集積される情報なんて業者から見たら喉から手が出るくらい欲しい貴重な情報ですから、高く売れるでしょう。金に困った自治体の職員や企業・学校の担当者が売ってしまうなんて事件が頻発するのは必定です。
とにかく、こんなに危険なマイナンバー制度。もう10月には個人番号が皆さんに送られてくるのですが、来年1月からの施行なんて絶対に反対しないといけません。
マイナンバー制度 個人番号カードの申請を学校や企業が一括して行うことに!→情報漏れの危険性拡大。
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堺市の情報流出、有権者ら561人の情報も
◆68万人分、無断で持ち出し
堺市会計室の課長補佐(59)が外部に持ち出した市外郭団体の職員名簿など約1000件がインターネット上に流出した問題で、市は13日、最大561人分の有権者らの個人情報も含まれていたと発表した。市の全有権者にあたる約68万人分のデータを無断で持ち出していたことも判明。市は課長補佐を処分する方針。
市によると、新たに流出がわかったのは、2011年の大阪府知事選で不在者投票の対象だった堺市北区の障害者や市内の入院患者ら計518人分の氏名、住所、障害の名前や程度など。開票所の鍵の管理者8人、市外郭団体の事業に参加した小中学生35人の氏名や住所なども含まれていた。
課長補佐は、00年から12年まで市選管などで選挙業務を担当し、選挙システムを作成。担当を外れた後も、システムの「改良版」を作るため、有権者情報が入ったシステムのプログラムを無断で自宅のパソコンに保存し、民間の公開型サーバーにも保管していた。
課長補佐は「自分のシステムが市に採用されず、他の自治体で使ってもらうため研究していた。公開型サーバーに保管して、システムを扱う業者に見てもらい、評価してほしかった」と説明しているという。
市職員が個人情報を不正持ち出し 最大560人分ネット流出 堺市
大阪・堺市は、職員が市内の有権者などの個人情報を不正に持ち出し、最大で560人分がインターネット上に流出したと発表した。
堺市によると、会計課の男性職員(59)は、市内の有権者などの個人情報を不正に持ち出して、民間のレンタルサーバーに誰でも見られる状態で保存し、最大でおよそ560人分が外部に流出したという。
職員は、自作のシステムを開発して、外部に売り込むために、持ち出した個人情報を使っていた。
この職員は、市の外郭団体の名簿およそ1,000人分を流出させたこともわかっている。
職員が不正に持ち出した個人情報は68万件にのぼっていて、堺市は被害の全容解明を進めている。 (関西テレビ)
堺市職員が選挙関連データ約68万件を不正持ち出し、自宅PCに保存
同市の説明によれば、9月12日にインターネット上の告発サイトに「続報・堺市の個人情報流出」と題する記事が掲載された。これを受けて追加調査した結果、新たに当該職員が北区選挙管理委員会事務局に在籍していた2006年度から2011年度にかけてデータを不正に持ち出していたことが分かった。複数回にわたって選挙関連システムのデータ約68万件を持ち出し、自宅のPCに保存していたという。
さらに、9月7日に発表していた約1000人分以外に、新たに「北区の指定病院等における不在者投票対象者の個人情報」など561人分(一部推計)の個人情報が、民間レンタルサーバー上で公開状態になり、外部に流出していたことが判明した。市は「市民の皆様には、多大なご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、引き続き、当該不祥事案の全容解明に向け取り組む」と説明している。
[堺市の発表資料]
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私個人は、数年前にクレジットカードナンバーの流失事件で被害を受けました。 何と、その事件は、米国の或るクレジット会社の本社から何十万件と個人情報が流失したのです。 しかも、その被害を申告した際のクレジット会社の対応に呆れ果てたことがあります。
個人情報の流出等は、日常茶飯事、と云わんばかりの拍子抜けした対応で、応対した担当者は、いとも簡単に「(情報が)洩れてますわね」と云っただけでした。 お詫びも何もありませんでした。 被害を補填すればそれで良いんでしょう、と云わんばかりの態度でした。
クレジット会社でこのような対応ですから、自治体であろうと何であろうと、行政ならば、個人情報流失があっても、もっと態度がでかいでしょう。
堺市に限らず、自治体では、情報管理はずさんです。 内部管理は出鱈目で、個人情報管理が素人に依ってなされているために常に流出の危険に晒されています。
特に、自治体職員の程度が問題です。 縁故情実で採用、昇任・昇格が行われているところが多いので、民間では何処も勤まらないような無能者が多いのです。 彼等には、個人情報の重要性も理解不能で、流出を防ぐ手法も持ち合わせていません。 今でも金になれば個人情報でも流す輩が居ますから。
近い将来、全国各地で、データ流失が報道されることになるでしょう。
一民間人の私達に個人情報のデータを預け、そこに入力するという仕事でしたが、「あ、この人うちの近所の人や」「あ、この人私の友達や」というのがザラでしたね。
ましてや生活保護である、母子家庭である、年収、家族構成・・という事までもすべてダダ漏れ。
私たちのような派遣でも、モラル上そういう事はしませんけれど、しようと思えばいくらでもデータを持ち帰ることは容易でした。
正直言ってマイナンバーにする事は、あえて自ら進んで拡散させるシステムだと私は思います。