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(2013年3月9日、台北で行われた脱原発集会には最終的に台北で10万人、全国で20万人が参加した)
東日本大震災、そして福島原発事故から、2年。世論調査では相変わらず「やがては原発廃止」が7割近くを占めているのに、安倍内閣は原発再稼動に動き始めています。
安倍首相は、2013年2月28日の施政方針演説で
「安全が確認された原発は再稼働する」
「エネルギーの安定供給とエネルギーコストの低減に向けて責任ある政策を構築」
「原子力規制 委員会の下で妥協することなく安全性を高める新たな安全文化をつくる」
と原発を再稼働させる考えを明言しました。新たな原発安全神話を作るの間違いでしょう。安倍首相はさらに、2013年3月7日の衆院予算委員会で
「この三年で再稼働させるものは再稼働させる。安定的な電力をしっかりと得ることが経済成長、安心できる生活にもつながっていく」
とさらに強調したのです。ちなみに、3年とは自民党の衆院選公約「再稼働の可否は三年以内の結論を目指す」に沿った答弁で、甘利明特命大臣以下、ゴリゴリの原発推進派を集めた核マフィア政権として、原発推進の姿勢をさらに鮮明にしたと言えます。
安倍自民党 究極の原発推進人事 総裁・幹事長・党三役全員が核武装論者か原発推進論者
(非常用復水器のある4階も、天井が壊れているため、自然光が差し込んで明るい。東電はこの映像はカバー設置前に撮影したものと説明していたが、実はカバー設置4日後の撮影だった=東電撮影の映像から)
このような安倍内閣の原発推進姿勢に歩調を合わせる形で電力会社各社は、再稼動に都合の悪い事実をひた隠しにしています。たとえば、2月初めに発覚したのが、2012年2月の東電による「国会事故調査委員会への検査妨害」です。
この国会事故調の立ち入り調査の目的は、福島第一原発の非常用復水器の故障原因の究明でした。非常用復水器は、全電源が落ちても自動的に原子炉を冷やす、いわば最後の安全装置。もし、故障原因が津波ではなく地震なら、全国の原発の耐震基準を大幅に上げねばならないわけです。
福島原発事故 冷却機能停止→炉心溶融・メルトダウン 原因は津波ではなく地震 受電鉄塔倒壊と復水器停止
これに対して、東電の担当者は、
「建屋内は真っ暗、道を間違えると放射線量が高い区域に入ってしまう。案内できない」
と調査を断念させました。ところが、実際は建屋内には上の写真のように自然光が入って明るく、さらに水銀灯が煌々と点いていて、作業員が仕事をしていたのであり、これは悪質な調査妨害だったのです。
さらに、全国の原発再稼動の条件として、原発立地地域の「活断層問題」では、原子力規制委員会は青森 にある東北電力の東通原発直下の活断層の危険性を指摘しているが、肝心の東北電力が詳細なデータを出さないのす。しかも、東北電力の梅田赳夫副社長は記者会見で、
「活断層を否定するデータを集める」
と開き直っています。こんな原子力ムラ内閣と核マフィアに原発再稼働をする資格はありません。
安倍原子力ムラ内閣がとうとう電力自由化・発送電分離も見送る
衆議院総選挙の争点1 「脱原発」 安倍自民党はなおも原発を推進する
他方、全国の9条の会が憲法改悪志向の安倍政権発足で再び活発化しているように、一時下火に見えた脱原発デモや集会も、原発事故2年を迎えて全国、いや、全世界で行われています。
それはそうでしょう。いまだに、福島第1原発事故が収束するどころか、メルトダウンして原子炉から飛び出てしまった核燃料さえ運び出せず、原発全体から空へ海へと放射性物質がダダ漏れに漏れているのに、最も責任のある安倍内閣が原発を推進しようとしているのですから。
メルトダウンの危険を無視した安倍首相に原発を再稼働する資格はない
3月9日は、明治公園では「つながろうフクシマ!さようなら原発大行動」と題した集会があり、約1万5千人が参加し、ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが「私たちの思いは福島の人たちと共にある」などと訴えたそうです。
集会は、脱原発を目指して1000万人署名運動を続ける市民グループ「さようなら原発」一千万署名市民の会」が主催し、9日現在で約820万人分の署名が集まったということです。
(2013年3月9日 空撮による明治公園「つながろうフクシマ!さようなら原発大行動」)
3月10日も国会前や福島など全国各地で、脱原発を求める大規模なデモや集会が行われています。
国会前を埋め尽くす大勢の人々。東京・霞ヶ関では、脱原発を求める大規模なデモが午後5時から行われています。参加者は子供から大人まで幅広く、「命と原発は共存できない」などと書かれた横断幕を持って脱原発を訴えています。
主催者の市民グループによりますと、2012年3月から始まった官邸前の抗議活動はこれまでに45回行われていて、のべ128万人が参加しているということです。
また、福島市では福島の現状や復興への願いを全国に訴えようと、およそ700人が集会に参加し全ての原発の廃炉を訴えました。さらに、東通原発がある青森県でも、およそ1300人が脱原発デモに参加。東通原発の再稼働中止や核燃料サイクル施設の撤去などを訴えました。
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原発安全神話を作りだし、ずさんな安全基準で建設を促進し、その結果として原発は取り返しのつかない事故を起こした責任者は誰なのか。
福島原発事故当時、たまたま民主党が政権を握っていたわけですが、原発の安全基準がずさんであったことの責任は、主に自民党政権にあるのは自明のことでしょう。
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作用と反作用の力は均衡すると言いますか、安倍政権が原発を推進しようとすればするほど、脱原発市民の力も増すのではないでしょうか。
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3年内に原発再稼働 首相答弁「代替エネ獲得まだ」
2013年3月8日 朝刊 東京新聞
衆院予算委員会は七日午後、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、二〇一三年度予算案に関する基本的質疑を続けた。首相は、施政方針演説で原発を再稼働 させる考えを明言したことに関連し「この三年で再稼働させるものは再稼働させる。安定的な電力をしっかりと得ることが経済成長、安心できる生活にもつな がっていく」と重ねて強調した。
「三年」は施政方針では触れていなかったが、自民党の衆院選公約「再稼働の可否は三年以内の結論を目指す」に沿った答弁で、政権として原発維持の 姿勢をさらに鮮明にした。首相は再稼働への手続きとして、原子力規制委員会による安全確認が前提との方針をあらためて説明し「原発比率を低減させていくの は目指すべき方向だが、今の段階では代替エネルギーを獲得していない」と指摘した。
首相は「三年でできる限り再生可能エネルギー(の普及)、イノベーション(技術革新)を促すために国家資源を投入し、原子力の代替エネルギーにしていく」とも述べた。
一二年度補正予算と一三年度予算案に盛り込んだ公共事業費に対し、バラマキとの批判が出ていることには「地域の成長力、生産性の向上につながるものを厳選し、今回の予算に盛りこんだ」と反論した。
【動画】虚偽説明の音声も
【木村英昭】東京電力が昨年2月、福島第一原発1号機の現地調査を決めた国会事故調査委員会に、原子炉が入る建物の内部は明かりが差し、照明も使えるのに、「真っ暗」と虚偽の説明をしていたことがわかった。国会事故調は重要機器の非常用復水器が、東電の主張と違って地震直後に壊れた可能性があるとして確かめるつもりだったが、この説明で調査を断念した。
国会事故調は解散しているが、現地調査の責任者だった田中三彦元委員(元原子炉設計技術者)は東電の虚偽説明で調査を妨害されたとして7日にも、衆参両院議長に非常用復水器の調査実施を申し入れる方針。
国会事故調は、2011年3月11日の地震発生直後に1号機原子炉建屋の4階で「出水があった」との目撃証言を複数の下請け会社の労働者から得た。
4階には水の入った非常用復水器のタンク2基と配管があるため、地震の揺れで非常用復水器が壊れた可能性があるとして4階部分の調査を決めた。
これに対して東電は、昨年2月28日午後7時ごろ、玉井俊光企画部部長(当時)らが衆議院第2別館を訪問。
田中元委員らに、ところどころ明かりの差す4階の映像を見せながら、この映像の撮影時は、原子炉建屋に放射性物質の拡散を防ぐカバーをかける前だったので明るさがあると説明。そのうえで「今は真っ暗だ」「照明もついておりません」と話した。
田中元委員は最終的にこの「今は真っ暗」を理由に調査を断念した。
ところが、実際は、映像の撮影日はカバーをかけた4日後だった。カバーは太陽光を10~16%通すので、物を搬入する穴があり、天井が爆発で破損している4階に明かりが差していた。さらにカバー内側の天井には強力な水銀灯が取り付けられ、11年10月28日から使用可能になっており真っ暗になり得ないのに真っ暗と虚偽の説明をした。
東電広報部は説明に誤りがあったと認めたうえで、「何らかの意図を持って虚偽の報告をしたわけではない」と話している。
非常用復水器は、電源を失っても、原子炉の蒸気を水に変え、重力を使って原子炉に戻すことで、炉の圧力を下げ、冷やす重要装置。地震の揺れで壊れていたとなれば耐震基準を強化する必要が出て、再稼働問題にも影響を及ぼす。
貫く脱原発 福島と共に 1万5000人集会
2013年3月10日 朝刊 東京新聞
脱原発を訴える集会に集まった大勢の参加者=9日、東京都新宿区の明治公園で、本社ヘリ「まなづる」から(河口貞史撮影) |
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東日本大震災からあす二年を迎える。市民らが脱原発を訴えるイベントが九日、各地で開かれた。東京都新宿区の明治公園では「つながろうフクシマ! さようなら原発大行動」と題した集会があり、約一万五千人(主催者公表)が参加。ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが「私たちの思いは福島の人たちと共 にある」などと訴えた。
集会は、脱原発を目指して署名運動を続ける市民グループが主催。九日現在で約八百二十万人分の署名が集まったという。
壇上で大江さんは「東京電力福島第一原発事故をなかったかのようにしようとする人々と闘う」と決意を語った。作家の沢地久枝さんは「福島の事故を二度と繰り返さないために、私たちに何ができるか。一人一人が考えることが、世直しにつながる」と訴えた。
集会の最後、最近になって福島市から京都に避難した斎藤夕香さん(40)が「私たちは忘れられるんじゃないかと不安。原発事故は終わっていない。さらに状況が悪化していることを知ってほしい」と壇上から訴えると、会場から大きな拍手が湧き起こった。
集会後に参加者は会場周辺をデモ行進し、「原発やめろ」「子どもたちを被ばくから守れ」と声を上げた。
反原発集会で避難者が丸2年の心境 事故収束せず「町は消滅」と吐露
(2013年3月10日午後6時28分 福井新聞)
東京電力福島第1原発事故から丸2年を迎えるのに合わせ、福井県内の反原発団体などが 呼び掛けた集会「3・11メモリアルアクション―原発のない新しい福井へ」が10日、福井県福井市のフェニックスプラザで開かれた。福島県内の被災者らが 「福島の苦しみを二度と繰り返させない」などと訴えたほか、参加者が全原発の廃炉を求めて市街地をデモ行進した。
集会は、昨年3月に敦賀市で開いたのに続き2回目。県内の反原発団体や市民ら約1千人(主催者発表)が参加し、リレートークや反原発の歌を合唱するなど多彩なステージを繰り広げた。
福島第2原発が立地する同県楢葉町出身で反対派の早川篤雄さんが「フクシマのいま」と題して講演。事故の収束はいまだに見えず、早川さんは「立地4町は元の町の姿を取り戻すことはなく、消滅したと思っている」と故郷を追われた避難者の心境を吐露した。
また、県民にとって今は賠償問題が切実だとし「東電は賠償額を一方的に押し付けている。苦痛に応じた損害、どこで生活しても再出発できる賠償を求める」と訴えた。
県内の反原発団体の代表者らも次々と登壇し、「第二の福島事故を防ぐためにも再稼働を認めず、廃炉を急ぐべきだ」などと強調。集会のスローガンとして▽原 発のない新しい福井をつくる▽大飯原発3、4号機を止める▽高速増殖炉「もんじゅ」を今すぐ廃炉にする―の三つを宣言した。
集会後、参加者はフェニックス通りなど約2キロをデモ行進し、「福島を忘れるな」「危険な原発はやめよう」とシュプレヒコールを上げた。
独 原発の即時停止求めるデモ
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東京電力福島第一原子力発電所の事故発生から2年になるのを前に、脱原発に向けてかじを切ったドイツでは、運転を続けている原発の周辺で、即時停止を求めるデモや集会が行われました。
福島の事故を受けて、ドイツ政府は脱原発に向けてかじを切り、2022年までに国内すべての原発を閉鎖する方針を決めています。
現在、9基の原子炉が稼働を続けていますが、9日、原発の周辺など4か所で、主催者の発表で合わせて2万8000人が参加して、即時停止を求めるデモや集会が行われました。
このうち、原発に近いドイツ北部の町、ヒルデスハイムでは、数百人が手をつないで「人間の鎖」を作り、原発の運転に抗議しました。
このあと、町の広場で集会が開かれ、福島県在住の母親でつくる団体によって書かれた、子どもたちへの影響などを心配する手紙が読み上げられると、集まった人たちは、日本語で「原発反対、再稼働反対」と声を上げていました。
参加した男性は、「福島の事故は私たちへの警告です。原発は私の子どもや孫を常に危険にさらすものです」と話していました。
ドイツでは、原発事故の発生から2年となる11日にも、首都ベルリンなど各地で原発の即時停止を求めるデモや集会が予定されています。
■台湾
【台北=村上太輝夫】東京電力福島第一原発の事故から2年になるのに合わせ、台湾各地で9日、大規模な反原発活動があり、台北では市民団体主催のデモに約10万人が参加した。世論の高まりに伴い、原発建設の是非を問う住民投票が争点として急浮上している。
台湾では1999年に建設が始まった第四原発(新北市)が与野党の政治対立で建設が一時凍結され、完成が先延ばしされて安全性に疑問が持たれている。
先月末、建設を進めたい馬英九(マーインチウ)・国民党政権が「原発建設中止を支持するか」と問う住民投票を提案する方針を決めた。全有権者1800万人の過半数が投票し、その過半数が支持すれば可決だが、このハードルは高く、「建設を中止しない」という結論が出るのを国民党は狙っている。
だが、これが反原発の立場の野党・民進党や運動団体を刺激し、文化人も立ち上がった。日本のドラマ出演で知られるリン・チーリンさんらも加わっている。
第四原発には2800億台湾ドル(約9千億円)以上を投入済み。江宜樺(チアンイーホワ)・行政院長(首相)は「原発を止めたら電力料金が上がる」と弁護するが、公営企業の台湾電力に対しては経営努力が足りないとの批判がつきまとう。
投票は今年後半に行われる見通しだ。デモ参加者には「原発には反対しないけど第四原発は心配」(台北・輔仁大3年の鄭馨宜さん)といった穏健な声が目立った。第四原発は6割以上が反対とする世論調査もあり、住民投票は国民党政権の思惑を超えた結果が出る可能性がある。
■韓国
【ソウル=中野晃】ソウル中心部の広場で9日、東日本大震災の犠牲者を追悼するとともに、緊迫する朝鮮半島を含むアジアや世界の「非核化」を訴える集会があり、在韓被爆者らも参加した。
環境保護団体などが呼びかけ、韓国各地から数千人が参加。広島・長崎の被爆者やその子孫らも参加し、合唱で「核兵器も、核発電所(原発)もない世界を」と呼びかけた。慶尚南道の陜川(ハプチョン)に住むペク・トゥイさん(86)は広島で被爆。間もなく母が亡くなり、日本の敗戦で韓国に戻った十数年後、後遺症で夫や親類を次々と失った。「原爆の怖さを知らない人が多い」と話した。
盧武鉉(ノムヒョン)政権時代に首相を務めた韓明淑(ハンミョンスク)・民主統合党元代表も参加。北朝鮮の核実験と韓国で広がる「核武装論」に関連し、「いまこそ、北東アジアの非核化を明確な目標にすべきだ」と述べた。
■ドイツ
【ハーメルン=松井健】ドイツの反原発市民団体が9日、北西部ニーダーザクセン州のグローンデ原発の事故を想定した訓練を行った。「大災害が9千キロ離れたところではなく、あなたの家の前で起きたと想像して」と呼びかけ、原発の即時運転停止を訴えた。
長年、反原発デモが盛んなドイツでも実際の事故を想定した訓練は珍しい。放射能漏れで原発の周囲40キロが立ち入り禁止になったとの想定で、主催者によると約2万人が参加。原発周辺の町で、避難してきた人の車を防護服を着た人たちが除染したり、子供たちがペットの犬を連れて避難したりする訓練をした。
グローンデ原発は「笛吹き男」の伝説で有名なハーメルンの近くにある。1985年に営業運転を始め、ドイツ政府が福島事故後に決めた「脱原発」政策により、2021年までの閉鎖が決まっている。
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