脱原発のために、よろしければ上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
国際放射線防護委員会(ICRP)は累積100ミリシーベルトを超えるとがんになる確率が0.5%増えるが、100ミリシーベルト以下の放射線を被曝しても発がんリスクが増えるかどうかは不明であるとしています。
国やマスコミはこのICRPとその基準を金科玉条としてきました。
細野原発担当相はこの基準を元に
「100ミリシーベルト以下になると、放射線による発癌リスクは、明らかな増加を証明することは難しいという報告が出ております。」
などと述べています。
しかし、実際には、この見解は低線量放射線による内部被曝を著しく過小評価したものです。
内部被曝の恐怖24 ICRP(国際放射線防護委員会)の放射線被曝限度年間1~20ミリシーベルトの安全基準はまだ甘い
NHK総合テレビで、このICRP基準の問題に迫る、追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」が12月28日夜10時55分~11時23分に放映されました。
私もツイッターで視聴を呼びかけましたが、やはり画期的な内容でした。
番組動画はこちら。
極端な原発推進派は、このICRPの見解さえ、放射線の影響を過大評価していると言います。
いずれにしてもICRP頼みだった原発推進派は、ICRPの問題点を追及したこの番組にはかなりあわてたらしく、経産省関係者などがやっきになって、さっそくこの番組はデマだというキャンペーンを始めています。
動画は削除されるかもしれませんが、文字起こしされた方がいらっしゃいますので、是非お読みください。
見逃した方のために…NHK 追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」文字起こし
この番組では、米国イリノイ州の3基原発が集中している地帯の小児ガンの発生が、平均の2倍であることを伝えています。
また、チェルノブイリ原発事故後、チェルノブイリから1500キロも離れたスウェーデン北部のベステルボーテンケンの村で34%もガンが増えていること、そして、その村の当時の空間線量は、日本で今また取りざたされている年20ミリシーベルトより遥かに低いのはもちろん、国際基準値の1ミリシーベルトよりさらに低い、年0.2ミリシーベルトでした。
しかし、この番組が伝えたことの中でもっと大事なのは、日本政府やマスコミが金科玉条にしてきた「100ミリシーベルト以下は発がんのリスクがない」という「安全基準」、日本や世界各国で「国際基準」とされているICRPの「低線量」放射線の「安全」基準値が、じつは科学的根拠のないものであったことを、この基準を定めた科学者たちが自ら認めたことです。
子どもの日 内部被曝の恐怖25 近畿原爆症集団認定訴訟 大阪高裁判決文よりICRP基準の問題点
この番組で明かされるICRP(国際放射線防護委員会)の組織とその基準が実にいい加減です。
ICRPの科学事務局長のクリストファー・クレメントという人が、上の二枚の写真のように広島・長崎の被爆者実態調査で実は被爆の影響は2倍だと分かったのに、「低線量のリスクを半分にした」が、なぜ引き上げなかったのかについては「委員になる前なのでわからない」と述べています(苦笑)。
さらに、ICRPは各国政府からの寄付で運営されており、国連の機関でも何でもない、任意団体である事や、低線量被曝の基準を緩和した当時のICRPの委員17人のうち13人が、各国の原発・核兵器関係者で原子力推進派であったことが明らかになります。
また、チャールズ・マインホールドICRP名誉委員が
「原発・各施設への配慮があった。労働者の基準を甘くしてほしいという要望があった」
「施設の安全コスト莫大になるので引き上げに抵抗」ので低線量のリスクを半分にした上に、さらに労働者の基準を20%引き下げたが、その科学的な根拠はなかった」
と述べています。
そんなICRPの中でも、低線量被ばくの見直しを求める意見が相次いでいることも明らかになります。
年間100ミリシーベルト以下の放射線の発がんリスクが高いことは原爆症認定訴訟の判決で決着がついている
このように政治的に決められたICRPの基準が適用され、チェルノブイリの原発事故では数十人しか亡くなっていないだの、最大の健康被害は放射線被曝を気にしすぎるストレスだっただのというデマが原発推進派から流され続けています。
福島第1原発事故のせいで生じた放射線被ばくによる後障害が本当に問題になってくるのは、今後数年から数十年にわたってのことです。
我々日本人が震災にしても原発事故にしても、熱しやすく冷めやすいという欠点を克服して、冷静に粘り強く被ばくの問題に向き合っていけるかも、2012年以降にかかっている課題です。
原爆症認定訴訟でも証拠として採用された、低線量被ばくの実態に迫る3冊をご紹介します。
原爆症集団認定訴訟また被爆者勝訴 原発推進のため被曝の影響を矮小化する国の原爆症認定行政は許されない
低線量内部被曝の脅威─原子炉周辺の健康被害と疫学的立証の記録
ジェイ・マーティン・グールド[著]肥田舜太郎・斎藤紀・戸田清・竹野内真理[共訳]
本書はアメリカ合衆国の核施設がもたらす健康被害について、大気圏核実験時代(1945年~63年)に続く核被害を参照としながら、徹底した疫学調査をもとに、簡明な図表と明快な論調で解説する。
とりわけ、アメリカ全土3,053の郡における人口および死亡数を追跡し、年齢グループを18に分けた上でのグループ別年齢調整死亡率を5年を1期間とした3期間を通じて割り出すという、膨大な基礎作業を通じて、核施設周辺での癌死亡率を分析していく姿勢は圧巻である。
また大気圏核実験、チェルノブイリ核事故が、地球規模で影響を与えていったことについて、様ざまな統計データをもとに実証。放射能汚染が地球全体の問題となることについて象徴的に示し、高リスク地域から低リスク地域への移住が問題の解決にはならないことを指摘する。
レイチェル・カーソンの予見を裏付けた、手ごたえのある警世の書。
人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために
ラルフ・グロイブ (著), アーネスト・スターングラス (著), 肥田 舜太郎 (翻訳), 竹野内真理 (翻訳)
ノーベル賞に匹敵するといわれる「ペトカウ効果」をつぶさに紹介、原発・核実験の放射能汚染を徹底検証した世界的労作の初邦訳。
内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることである。恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、癌 などを誘発するといわれている。だが、このリスクを見極める研究は少なく、人体への影響をめぐっては議論百出だ。本書では、ヒロシマでの被ばく後、六十年 にわたり内部被曝の研究を続けてきた医師・肥田舜太郎と、気鋭の社会派ジャーナリスト・鎌仲ひとみが、内部被曝のメカニズムを解き明かし、その脅威の実相 に迫る。「劣化ウラン弾」などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。
今年一年、お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
脱原発のためにろしかったら上下ともクリックしてくださると大変嬉しいです!
年間20ミリシーベルト「発がんリスク低い」 政府見解
朝日新聞 2011年12月15日21時22分
低い放射線量を長期間浴びた影響をめぐり、内閣府の有識者会議は15日、年間20ミリシーベルト(Sv)の放射線量を避難区域の設定基準としたことの妥当性を認める報告書をまとめた。そのうえで、線量を少なくするよう除染の努力を要請。子どもの生活環境の除染を優先することも提言した。
東京電力福島第一原発の事故後、避難基準の健康への影響を判断したのは初めて。細野豪志原発相は会議後、記者団に「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と述べた。野田政権はこれを踏まえ、原発事故による避難区域を縮小する準備に入る。
この有識者会議は「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(共同主査=長瀧重信・長崎大名誉教授、前川和彦・東大名誉教授)。発足からわずか1カ月余りで、報告書をとりまとめた。
避難区域の設定基準については、国際放射線防護委員会が原発事故による緊急時被曝(ひばく)を年間20~100ミリシーベルトと定めていることから「安全性の観点からもっとも厳しい値を採用」と指摘。チェルノブイリ原発事故後1年間の被曝限度が100ミリシーベルトだったことを挙げ、「現時点でチェルノブイリ事故後の対応より厳格」と評価した。
年間20ミリシーベルトを被曝した場合の影響は、「健康リスクは他の発がん要因と比べても低い」と明記。「単純に比較することは必ずしも適切ではない」とことわりながら、「喫煙は(年間)1千~2千ミリシーベルト、肥満は200~500ミリシーベルト、野菜不足や受動喫煙は100~200ミリシーベルトのリスクと同等」などといった目安を例示した。また、一度の被曝より長期間にわたって累積で同じ線量を浴びた方が「発がんリスクはより小さい」との考えを示した。
被曝によるリスクを減らすために、除染の目標として「2年間で年間10ミリシーベルト、次の段階で同5ミリシーベルト」と段階的な目標の設定も提言。一方、放射線の影響を受けやすいとされる子どもについては、「優先的に放射線防護のための措置をとることは適切」と要求。避難区域内の学校を再開する条件として、学校での被曝線量を年間1ミリシーベルト以下にするよう主張した。
遺伝子が破壊されるのなんて本人には解らんしな。
「事実ではない」とするあなたの意見の方が事実では有りません。
提訴したのはこの方々。
丹羽太貫(京都大学名誉教授)
中村典(放射線影響研究所)
石榑信人(名古屋大学)
遠藤章(日本原子力研究開発機構)
米倉義晴(放射線医学総合研究所)
甲斐倫明(大分看護科学大学)
本間俊充(日本原子力研究開発機構)
酒井一夫(放射線医学総合研究所)
それこそ原発マネーで多額の報酬を得てきた原子力村の住人ばかり。番組に登場した委員本人が訴えたものでもなく、事実でないという証明は出来ておりません。
この村の住人達は事故直後にメルトダウンは認めていたのでしょうか?おそらくは沈黙するか火消しに走ったことだろうと思います。その為多数の方が大量被爆を知らぬまま、放置される羽目になりました。長年、現場から事故の危険性を指摘されながら、これを隠蔽し、政治家に何等対策を取らせようとしなかったこの方達にも事故の大いなる責任が在ると思います。そういう方々が今度は被ばくの影響を過小評価するように仕向けるのは感情として当然の流れでしょう。「恥を知れ」、と言いたいです。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-96.html
事実ではないので、このブログの削除をお願いします
番組の主旨は「ICRPの安全基準には科学的根拠が有るのか」という疑問の解明ですが、結果的には「有りません」ということです。ここは提訴理由に含まれていません。
ここが事実で有るなら、大きな問題は無いと思います。
「捏造」だったり、「嘘」であるなら、とっくにICRP側から訴えられていることでしょう。
ICRPの基準は被曝から5年も経った後からの広島・長崎のデータで成り立っており、しかも内部被曝を無視したものなので、今回の福島原発苛酷事故後の人体的影響に当て嵌めるのは妥当では有りません。
なので「低線量被曝が安全であるかのように伝えるのはおかしい」ということが大事なことであって、その他の小さなことを持ち出して番組の信頼性を損なおうとするのは、国民の安全無視のやり方だなと呆れてしまいます。
捏造した訳を字幕でのせていると提訴されてましたよ。
ICRP側もインタビュー時、録音していたので証拠もあるようですねぇ。
NHKは提訴されても不誠実な対応しかしてないようですけどね。
少しは勉強なさったんでしょうか?
隠蔽やら陰謀やらと言う前になにが真実なのかすら見抜けない知識じゃすぐに騙されますよ。
まず準を引き下げられずとあるグラフ
あれ、DDREFのグラフですから。
それを2のまま据え置いたとNHKは言ってます。
ここで勘違いされてる人多いと思いますね。
DDREFすら知らない人が見たら、安全基準を緩いままに据え置いたと、大きな勘違いすることでしょうね。
おそらくNHKはそれを狙って捏造番組作ったんでしょう。
問題なのはICRPは安全基準はあの会議の後、5倍も厳しくしています。
さて、いったい基準が緩いというのは何の話?って事になりますね。
ここで隠蔽だの陰謀だのと言ってる人達がいかに無勉強で騒いでるか、丸わかりですよね。
勉強していたらあの番組のいたるところでおかしな点があると見抜ける筈。
しかも0.2msv/yで癌が増えたなら、もっと線量の多い日本で何故長寿国になっているのか矛盾が多いですな。
ヨーロッパの中心ベルギーからです。
私もこの番組見て、それにいちゃもんつけてる
爺さん達にめちゃくちゃ腹たっています。
なんか、今の日本、外からみてて悲しくなります。
余談ですがLECで学んだことあります。
メインはTACですが(笑)宅建・社労士・鑑定士
資格マニアでした。(日本在の頃)
今はベルギーから、脱原発マンガ書いています。
お時間があるときでも覗いてくださると光栄です
http://d.hatena.ne.jp/naomieu/
「1965年暫定線量推定方式 (T65D)」から、1986年に被ばく線量の評価が大きく見直され、「1986年線量推定方式(DS86)」になり、リスク評価も(約 2 倍程度の)変更を受けた。その根拠は以下の放射線影響研所(放影研)の「原爆被爆者の線量推定方式の改定による癌死亡リスク推定値への影響」だと思うのですが、
▼原爆被爆者の線量推定方式の改定による癌死亡リスク推定値への影響
(財)放射線影響研究所
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V32/N09/198708V32N09.html
田崎晴明(以下参照)は、このときには低線量の放射線をゆっくりと浴びた場合は、強い放射線を一気に浴びた場合よりも健康被害が少ないので、それを補正するために「線量・線量率効果係数(DDREF)」2を使い、2倍÷2=1で、結局リスク評価の据え置きをしたのだと解釈しているようです。
素朴な疑問ですが、T65Dの時には「線量・線量率効果係数(DDREF)」2は使わず、20年経過後の疫学調査の結果を見て、86年以降はその数字を使っていると解釈すべきなのでしょうか?
▼田崎晴明
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/1112.html#29
公式の理屈は、
低線量の放射線をゆっくりと浴びた場合は、強い放射線を一気に浴びた場合よりも健康被害が少ないので、それを補正するために DDREF(線量・線量率効果係数)で割ることにする。 ICRP では DDREF を 2 に選ぶ
このようなことは、日常でも、非常に多い。 その結果、市民、国民など住民達、子供の関係者らへ、危険が及ぶことうを厭わないという、人道に反する日本固有の文化があって、政府、地方公共団体、町内会などは、悔い改める必要あり!
反省を要する問題です。
日本の政府、研究者等は、故意にその情報を、隠蔽したり又周知することを、敢えて怠ってきた。
これは、非人道的であり憲法第13条、第25条に反すると、言わざるを得ない。