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判決から3日経ってしまったんですが、日本の被爆者援護、核兵器廃絶運動、福島の原発事故被害者にとっても極めて重要な判決です。
国の原爆症の認定基準で対象外とされた被爆者2人が国に認定申請却下処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は27日、2人を原爆症と認め、処分を取り消しました!
山田明裁判長は、国が2013年12月に定めた新基準について
「被曝(ひばく)線量を過小評価している疑いが強く、一応の目安にとどめるべきだ」
と述べました。
この新基準は、国が各地の原爆症認定訴訟で負けまくって作った原爆症の認定基準なのですが、それでも認定の基準が厳しく、狭すぎるというわけです。
その大きな理由は内部被爆を軽視している点にあり、いまだに全国の訴訟で8割の原告が勝訴し、国の不認定処分が取り消されています。
今回の原告は、奈良県の男性(84)と神戸市の女性(84)。判決によると、2人は長崎の爆心地から3・1~3・8キロで被爆し、3日後までに爆心地近くに入るなどしたため、男性は心筋梗塞と腹部大動脈瘤(りゅう)、女性は乳がんを発症しました。
山田裁判長は判決で、新基準について
「科学的合理性はあるが、内部被曝の影響を考慮していないなどの問題がある」
と指摘し、2人について
「被爆状況などに照らすと、健康に影響を及ぼす程度の被曝があった」
とし、別の要因で発症したとする国の主張を退けました。
国がいくら負けても内部被爆を考慮した基準に変えようとしないのは、原爆だけでなく、原発の安全性にも大きく影響することになるからなんですね。
日本の原子力ムラだけでなく、世界の核マフィアの顔色をうかがって、もう時間がない被爆者をないがしろにしているところが許せないところ。
皆さんも、原爆症認定訴訟に大きな関心を寄せてください!
こちら国側の代理人ではないですよ。
一番右が弁護団長の藤原精吾先生、一番左が弁護団幹事長の尾藤廣喜先生。お二人ともとてつもなく偉い先生です(真ん中の方を存じ上げなくてすみません!)
そもそも、市民が勝つことがめったにない行政訴訟で、8割も国が負けているというのが異常です。
行政処分は一件たりとも間違えてはいけないのですから、これだけ司法から否定されたらほんとにどうにかしようというのが当たり前。
国の被爆者行政の不真面目さを如実に表しています。
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原爆症
申請却下の2人を認定 大阪地裁判決
毎日新聞2016年10月27日 23時16分(最終更新 10月27日 23時16分)
原爆症の認定申請を却下された84歳の男女2人が国に処分の取り消しなどを求めた訴訟で、大阪地裁は27日、2人を原爆症と認め、国の処分を取り消す判決を言い渡した。山田明裁判長は、認定要件を緩和した国の基準について「放射線の影響が過小評価になっている疑いが強い」と指摘した。各地で同様の司法判断が相次いでいる。
訴えたのは、いずれも13歳だった時に長崎で被爆した奈良県の男性と神戸市の女性。放射線の影響で男性は心筋梗塞(こうそく)や大動脈瘤(りゅう)、女性は乳がんを発症したとして原爆症の認定を申請したが、国は2013年に却下。被爆時の爆心地からの距離などに関し、認定要件が緩和された基準でも対象外とされた。
山田裁判長は、国の被ばく線量評価について「被爆状況や被爆後の症状に照らし、内部被ばくの可能性も十分に検討すべきだ」と指摘。国側は2人の被ばく線量はわずかで病気は加齢などによるものと主張したが、判決は2人の被爆後の体調変化などを踏まえ、放射線と病気との因果関係を認めた。【向畑泰司】
神戸新聞
原爆症の認定申請を却下されたのは不当として、長崎で入市被爆した奈良県の男性(84)と神戸市の女性(84)が国に処分取り消しなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(山田明裁判長)は27日、原爆症と認め処分を取り消した。
2人は要件が緩和された2013年末より前の基準で審査されたが、判決理由で山田裁判長は新基準についても検討し「被ばく線量が過小評価されている疑いが強い」と指摘。内部被ばくの可能性なども検討の必要があるとした上で、2人の請求を認めた。
判決によると、2人は13歳だった1945年8月、原爆投下から2、3日後に爆心地近くへ行き入市被爆した。後に男性は心筋梗塞と大動脈瘤(りゅう)、女性は乳がんを患ったが、13年に申請が却下されたため提訴した。
国側は男性の心筋梗塞に関しては加齢など他の原因の可能性を主張したが、山田裁判長は「被爆の影響まで否定されるものではなく、むしろ被爆と他の危険因子が重なって発症に影響したと考えるのが自然」と退けた。
長崎で被爆の2人、原爆症認める判決
国の原爆症の認定基準で対象外とされた被爆者2人が国に認定申請却下処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は27日、2人を原爆症と認め、処分を取り消した。山田明裁判長は、国が2013年12月に定めた新基準について「被曝(ひばく)線量を過小評価している疑いが強く、一応の目安にとどめるべきだ」と述べた。
原告は、奈良県の男性(84)と神戸市の女性(84)。判決によると、2人は長崎の爆心地から3・1~3・8キロで被爆し、3日後までに爆心地近くに入るなどした。男性は心筋梗塞と腹部大動脈瘤(りゅう)、女性は乳がんを発症した。
山田裁判長は判決で、新基準について「科学的合理性はあるが、内部被曝の影響を考慮していないなどの問題がある」と指摘。2人について「被爆状況などに照らすと、健康に影響を及ぼす程度の被曝があった」とし、別の要因で発症したとする国の主張を退けた。
長崎で被爆した84歳の男女が国を相手に、原爆症の認定申請を却下した処分の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。山田明裁判長は2人を原爆症と認め、却下処分を取り消した。
原告は、奈良県の男性と神戸市の女性。厚生労働省の認定基準は2013年に緩和されたが、対象外とされた被爆者を司法が原爆症と認める判断が相次いでいる。
山田裁判長は、被ばく線量の評価方式について「過小評価の疑いが強い」と指摘し、「内部被ばくの可能性も十分に検討する必要がある」と述べた。
その上で、男性の心筋梗塞と腹部大動脈瘤(りゅう)、女性の乳がんについて、いずれも被ばくとの因果関係を認めた。
(時事通信 2016/10/27-18:23)
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被爆以外にも加齢などの原因とかまだ言うのかw
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確かに加齢も原因かもしれないが被爆と重なって心筋梗塞を起こしたと考えるのが当然
国は判決を受け入れて欲しい