信玄ミュージアムでは
武田氏館跡からの出土品の展示のほかに
昭和初期の割烹料亭「旧堀田古城園」も
自由にご見学いただけます。
「旧堀田古城園」の建物群が
甲府市に寄付されたとき
多種多様なものが、建物に残されました。
当時の堀田古城園の様子を伝えてくれるもの
建物や人の歴史を語る記録
郷土資料となるものも。
その中からごく一部ですが、
割烹料亭や、堀田家の方々の
日々の営みを感じさせてくれるものが
展示物として新たに仲間入りしました。
倉庫で眠っていた箱
開けてみると・・・
ポータブルの蓄音器✨
1930年代製造です。
レバーを回せば、レコードが回りだす。
どの部屋でも、もちろん離れでも
音楽を楽しめるようにという配慮だったのでしょうか。
当時、どんな曲が好まれたのか、興味はつきません。
その他にも、ステレオや
ラジオも
残念ながら、
蓄音器とステレオで
レコードを聴くことはむずかしそう。
ですが、ラジオはコンセントをつないだだけで
驚きの(!)大音量📯
雑音もありません。
旧堀田古城園は
昭和8年(1933年)に割烹料亭として開業し、
戦時下に一時休業します。
第二次世界大戦後
昭和21年(1946年)に旅館として生まれ変わります。
昭和46年(1971年)に旅館を閉めた後は
堀田家の住まいとなりました。
信玄ミュージアムの開館と同時に
一般公開した旧堀田古城園ですが、
建設当時の姿を尊重しつつ
耐震などの基準を満たす補強を行い、
老朽化した部材は取り換えられています。
それでもやはり、築87年のお家🏠です。
廊下を歩けば、きしむような音と
風が吹けば、その音と
ガラスが反響し合います。
硝子戸や雨戸を開け閉めすれば
木のこすれる音が加わります。
気密性の高い、寸法通りに作られた
今の建物の中では聞けない音。
こうした音に
人の話し声や
風や雨の音も重なった
当時の家は、
今の家よりも
人や自然との距離感が
もう少し近かったのかもしれません。
元割烹料亭ということもあり
建物の中にも
独特のリズムがあります。
欄間や平書院の組子細工
飾り棚に床の間
ガラスのモチーフ
アールデコ調の壁紙などの細部にも
新型コロナウィルスの蔓延防止のため
臨時休館が続きますが
再び開館した折には
「旧堀田古城園」の持つ音やリズム
当時の雰囲気を丸ごと😊
ご体感いただければ幸いです。