かわらけ君の世界(その3)

2020-05-12 16:52:55 | 紹介
信玄ミュージアムのゆるキャラに「かわらけ君」?


なぜって、武田氏館跡からは、たくさんの「かわらけ」が出土するから。
それにしても、「かわらけ」の占める割合は本当にかなりのもの。
発掘された武田氏館跡出土品の約8割から9割が「かわらけ」!
他の場所と比較すると、その差は歴然。
館跡の周辺だと約半分。城下町になるとだいだい3割くらい。

手前が館跡(現在の武田神社)、その先が城下町跡(甲府市街地)
見晴らしがいい場所です。

出土量の差も、大名の居館であることの証になります。
当時の館で、かなりの規模の、かなりの回数の献杯儀礼が催されたという証拠。
イベントも、お金がなければできません。自ずと主催者が絞られます。

非日常パワーで無礼講の場を作り、主従関係を確かなものに。
まるでオセロの石のように、白と黒が一体化した場を作る「かわらけ」。
おもしろいのは、城下町でもそれなりの量の「かわらけ」が出土しているということ。
こうした献杯儀礼も、社会階層の枠を越え、下剋上の世の中を体現していたのでしょうか。

ところで、甲府出土の「かわらけ」の場合、3~7種類の規格が確認されています。
当然のことながら、土の質や大きさ、厚みなどに、その変遷も見られます。
「かわらけ」の移り変わりと一緒に、土地の歴史を辿ることもできる。
「かわらけ」は、時代を図るものさしにもなっちゃうんですね。
特別展示室に展示中のかわらけです。
再開の際は、ぜひ、そんなことを考えながらご覧ください。
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