レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
http://remichino.wix.com/remichino

チノサン

2014-08-25 00:15:49 | 日記・エッセイ・コラム

ひさしぶりにブログ更新しよう、いやその前に洗い物片付けようと私は給湯室に行った。
こんな夜中に「こんにちは、こんにちは」という男の声が聞こえる。
その声は割とさわやかで、推定28歳といったところでしょうか。
だけどこの時間だったら「こんにちは」じゃなくて「こんばんは」でしょう。
なんかヘンだと窓から外の様子を伺ってみたら・・

お向かいの家の駐車場で誰かが倒れている!
それを発見したおまわりさんが声をかけていたのだ。
テノールで良く通るこんにちはは、特に語尾の「ちは」に伸びがあり、
まるでドラマに出て来る俳優のようだ。

この場にもっとも適した役をもらった推定28歳テノールは、
更に「ちは~」に表現力をつけ、職務を全うしようとしている!

私は夜中のこんにちはを楽しみながらも、
もしやこれは事件?と少しドキドキしてきたところで、
やがてもう1台パトカーが到着し、ベテランぽい2人の警官が参戦。
こんにちはテノールは、先輩たちに遠慮したかのように、すっと身を引いた。
先輩たちは「ほらほら起きて~」「よいっしょー」と声をかけ、
倒れた人間を起き上がらせた。

おそらく酔っぱらって帰宅中寝てしまったらしい中年男。
おまわりさんたちとの会話がよく聞きとれない。
外は涼しくて‥‥とか、歩いて‥‥とか断片的にぼそぼそ耳に届く程度。

まあ大丈夫みたいだし、終わったな。

と思いきや、仰天の一言が
推定28歳テノールおまわりさんの口から発せられた。


「チノサン」


うち?

いやいやいや、うちの夫はベッドで寝てますよ。
え、もしかしたら、夢遊病でふらふら外に出て寝たのか?
いやいやいや、うちの夫はあんな横縞のポロシャツ絶対着ないし。

でもとりあえず、寝室で夫の存在を確認し、
次にあの酔っぱらいがうちに侵入するのを防ぐべく施錠を確認し、
再び外の様子を伺う。

もう解散したらしく、4人の姿はどこにもなかった。
チノサンどこに行ったんだ。
のうのうとパトカーで送ってもらったのならいいのだが、
うち向かいですから~とか言って我が家の物置とかで寝られたら困る!

私がこの家を守るらなければ。懐中電灯を探した。
いや待てよ。
それではいかにも泥棒っぽい。今度は私がおまわりに捕まる。

「チノサン」は空耳だと思うことにした。
ヒノサンかキノサンかもしれないし、ちんサンかもしれない。

翌日、私は仕事の下調べのためYouTubeで合唱曲を聞いていた。
「っチボウのー、ひとすじがぁー」

これで謎が解けた。
推定28歳テノールは元合唱部だったのだな。

キノサン、これからはくれぐれも酔っぱらって他人の家の駐車場で寝ちゃわないように!

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ホントは夏休みの思い出を書こうとしたのですが、
本日あさのあつこさんを講師に迎えた「ライターになろう講座」に参加して、エッセイの書き方の心得を教わったので、急遽試してみたくなった。
気楽なブログなのに、なんか渾身の力作産み出したくらい疲れ果てた。

自分的には、ちょっと作り込み過ぎ??
だけど、ブログなので脚色はあっても嘘は書きませんので。。。


そしてもう7月だ

2014-07-08 00:51:08 | 日記・エッセイ・コラム

この数ヶ月あらゆる所にご迷惑をかけっぱなしでした。締め切りを守らない、約束を忘れる、見て見ぬフリをする、臭いモノには蓋をする。ああホントに悪い子でした。
自分を責める日が続き、とうとう夢の中で私は死んでいました。
仲良くしてる人たちと普通に会話しているのですが、その周りの人が「ダメだよレミちゃんと話してるとそっちに連れて行かれちゃうよー」とやんややんやと騒ぎ、皆私から身を遠ざけていく。ああそうか死んだ者がいつまでもこの世にいちゃいけないんだ、とあっさり死者となる覚悟を決めたところで目が覚めました。
・・・・といきなりすみません。
やっと普通の生活を送らねばと思っていた6月のとある夜、お風呂にも入り後は寝るだけの状態なのに仕事部屋に戻りなぜか


絶妙のバランスで立ったまま寝てしまう→膝がゆるみ最大級の尻餅をつく

というアクシデントが。
突然すぎて何が何だかわかりませんでしたが、たぶんこういうことだったのでしょう。

あいたたたでしたが尾骶骨のダメージを診てもらうために医者に行くなんて
めんどくさいし恥ずかしくてできません。
「どうせレントゲンとって湿布くれて終わりよ」とせせら笑っておりました。

しかしこの痛みが長引く長引く。
1ヶ月たってもまだ私の尾骶骨は本調子ではありません。
椅子の形状でやばいのは
「車のシート」
「コンサートホールのシート」
です。
一日缶詰でコンクールの審査をしてバスで帰ってきた時は、
椅子の上にまな板を敷き、お尻がシートのクッションに触れないように細工をして乗り切りました!

幸いピアノを弾く姿勢の時は全然痛みがないので、演奏面ではご迷惑かけなかったと思うのですが、お尻をかばう労力とは日頃のエネルギーを相当消費するようです。起きたときの第一声が「ああ疲れたー」です。未知の世界です。

そんな悶々としたところにじっと耐えられるわけないので
3ヶ月ぶりにタンゴ踊ってきました。
ミロンガの様子↓

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久しぶりに踊って、体が軽くなりました。
タンゴは尾骶骨に影響ないようです。

そして

テニスも大丈夫みたいです。

とにかく
どうやったら自分の体を長持ちさせられるのか
ってのが
これからの人生の課題であることをひしひしと感じてます。

最後に
可愛い赤ちゃんとのツーショット。
夫の3人目のお孫ちゃんです。
二人ともパジャマ。
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7年たちました

2014-06-12 00:19:49 | 日記・エッセイ・コラム

ブログ始めたのはたしか6月だったなあと思ってみてみたら、2007年でした。
レミのソラなどと清涼感溢れるタイトルつけてますが、この7年間大したこともなくつまりネタもないので、無理矢理ドラマティックに仕立て上げようとする私のどす黒いでっち上げで出来上がってるようなもんでございます。

もうこの辺で本音をぶちまけてみようじゃないか。皆きいてくれ!!




わたくしはレリゴーが虫酸が走るほどキライです。

このばか騒ぎが早く終わってくれることを心から願っている。


と友だちに言ったら、パッヘルベルのカノンよりはましじゃないかと。



わたくしは花が咲くが虫酸が走るほどキライです。





でもこれは最近終息気味でよかったよかった。


ナンバーワンじゃなくていいからオンリーワーンもオエーッ√





しかしわたくしは一応プロの演奏家でございます。
皆様のご要望とあらば、喜んでレリゴー弾きますとも。



さて

昨夜わたくしはチェロでオーケストラデビューをいたしました。
勤務先の高校の定期演奏会で、グリーグのピアノコンチェルトに参加させて頂いたのでございます。
「イ短調」です。
ラとミがたくさんで大変助かるのですが、問題はあの叙情的な第2テーマをチェロが先行してること。
チェロを買って6年たちますが、こんなハイポジションでメロディを弾いたことはありません。
わたくしのお隣はチェロを始めてまだ1ヶ月の高1男子。
ボーイングもビブラートもすいすいと習得してるではないですか。
んもう、これは猛練習するしか。

結局、猛練習の成果は本番で
ドーシラソラーミーレーシーラーソ

ドーシラ◯ラーミーレーッ ラーソッ
となりましたが、
変な音は出さなかったと自負しております(たぶん)

フラットいっぱいの第2楽章が終わり第3楽章にはいったら、もうあとは楽しくなってきました。

ピチカートのパッセージも上手く行った(と思う)


このコンチェルト、
ピアノでソロを弾いた時には見えなかった「色」が
オケの中に入って始めて味わえました。
いやあ本当に貴重な体験でした。

本番前に食べたつばさ食堂のカツカレー↓
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近況報告

2014-05-11 02:31:00 | 日記・エッセイ・コラム

皆様こんばんは。
Tシャツでも汗ばんでる若者の傍らで、いまだにヒートテックとセーターにマフラーでぷるぷる震えているレミです。いよいよ「春の喜び」から縁遠いところに来てしまったのでしょうか。まあそうなんでしょう。もうこうなったら寄る年波に抗わず、楽しく過ごしていきたいもんです。

さて。

新年度も始まり何かと慌ただしいのですが、、、、

何年かぶりにチェロの練習を再開いたしました。

ミュートも買いました。

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実は。
来月の高校の定期演奏会に参加させてもらうことになったのです。

人生初のオーケストラ!!

チェロまったくドシロウトですが、生徒さんたちと一緒に頑張りたいと思います。
曲目は「グリーグのピアノコンチェルト」

半年前にこの曲弾きましたよーピアノのソリストとして。
しかしチェロとなるとなにがなんだか~もう悲惨です。
練習あるのみでしょう。
オーケストラでチェロを弾く経験させてもらえるこの職場に感謝です!

写真に見える楽譜は14年前に書いた「ドン・キホーテ物語」
たった2回上演してお蔵入りですが、結構自信作でした。
手書きのスコアです・・
これをバリトン用に書き直してただ今Finaleで打ち込んでます。

ドン・キホーテが蘇りを果たすよう、お仕事いそがなくちゃ。

5月の連休のイベントは、何年かぶりに泳いだことと、隣町に出来たイオンモールに行ったことくらい。写真の小鳥(のピンバッジ)買いました。(50円)

さて明日もオーケストラ練習頑張ります。
だけどグリーグのコンチェルトって、
マエストロやトレーナーの先生の「そこ!チェロ!よろしく!」
けっこう沢山あるんだよね。
そんな時は今のところまだわたし身をひそめてます・・・

それから、
6/15は再びソプラノの宮崎京子さんのモンジャーニコンサート。
山形のピアニストとして共演して、今年で4回目になります。
皆さんどうぞお越し下さい。




アムステルダムでリセット完了

2014-04-13 02:59:38 | 日記・エッセイ・コラム

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身も心も全て捧げたゴーウェストが終わって3日後、アムステルダムへ!
旅行の目的はただひとつ「リセット」です。
オンラインでチケット購入したコンセルトヘボウのコンサートの以外何の予定も立ててません。好きな時に起きて食べたい時に食べ、観たいものを観に行くという自由気ままな一週間。
ただし、貧乏旅行。
航空券と一緒に安ホテルも予約はしていったのですが、?高すぎ!
お小遣いの4万円を成田で換金したらたったの?275です。。
だけど。ワタクシ若いときからお金のない旅行には自信があります!
むしろ、大金持ってるより楽しいかも。

アムスは物価が高いと聞いていたので、色んなものをスーツケースに詰めて準備していきましたが、早速2日目に湯沸かしポットが壊れたので安売りスーパーHEMAで新しいポット(?10)やマグやお皿を買い、更にホテルからレンブラント広場に向かうお惣菜屋さんでパテやチーズなどを買って、ホテルの部屋もおうちカフェに整えました。

美術館。
今までこんなに楽しんだことはなかったかも。
生のままの作品が目の前にあり、しかも仰々しく飾られてない。
ロープなんてもちろんない。
これは有名なシャガールの作品ですよー的な押し付けがましいアピールがなく、気がつかなかったら通り過ぎる。実際通り過ぎる人多数。
美術を自分目線だけで鑑賞するって、本当に心が浄化される!
あまりに楽しかったので、美術館巡りをした。どこも?15。

コンセルトヘボウのホールの音響は、言葉にすると陳腐になるの承知でいうと、
『音に天使の羽がついて飛んでくる』
百聞は一聞にしかず。山形テルサの音の100倍の幸せを齎します。
これは聞いた人にしかわからないと思うのでここまで。

滞在中は天気も良く、外のカフェでお茶やお酒を楽しみました。
ほとんどのオランダ人は英語も話します。(ここがドイツと違って楽なところ)
へらへら話しかけてきたりしないけど、こちらが話すと嬉しそうに答えてくれます。
「おとといあなたの国の首相がアンネ・フランクの家を見に来た」とか
私がこっちで日本人に会ってないと言うと「赤線地帯に言うと日本人の男がたくさんいるわよ」などと教えてくれます。今更日本人に会いたくなかったので行きませんでしたが。

しかし一番まいったのは、現地の人の言う
「歩いてすぐそこ」
「アムステルダムは小さい町だからどこでも歩いていける」
一歩の幅が一体どれだけ違うんだか。
徒歩15分が、この小さな日本人には30分。
歩き過ぎて靴下に穴があきました。
(もともと捨てるつもりで持っていったので、靴下も大往生でちょっとうれしかった)

一週間一言も日本語を話さずにいたら、自分を取り戻しました。
鎧を脱いでやっと皮膚呼吸した感じ。
新年度、これで頑張れます。

写真は、帰りのスキポール空港。
外でアムスのソラを眺めながら帰りたくないなと思った瞬間
スズメが寄ってきた。
うちで待っているインコのきーちゃんを思い出し、やっぱり帰らなきゃと観念した。

いい休暇だった。