お祓い

親戚のおじさんが長い闘病生活の末無くなった。
私の母はご自宅の方でお留守番のお手伝いしていた。
次から次へとお客様がおまいりにいらっしゃって、しばらくして神主さん登場。
「あれ？」

　

玄関に立っていたのは、ワタクシのピアノパートナーで神主のM氏。
母は「あら～いつもレミがお世話になって」と言いたいところをぐっとこらえ、神妙に「こちらでございます」と案内し、30分にわたる丁寧なお祓いに同席。
終わった～とほっとする間もなく、神主M「それでは水回りの方をご案内下さい」
え？台所とか？
そっちもお祓いするなんて聞いてないよ～
母は恐る恐る「こちらでございま‥‥うわ」
そこにはストーブの上に干された洗濯物、手前にピンク色の巨大なパンツがひらひらと‥‥。
母「まずい。Mちゃんの進行方向に　Y子さんのパンツが！」
母は洗濯物の方向を変えるべく、突っ張り棒にひっかかる室内用物干を瞬時にひっくり返す。
あちゃ！
バスタオルをはさんで反対側に吊るされたのはまたさらに美しく巨大な花柄パンツ。
神主Mはあわてる母をものともせず、蛇口あたりに向かってもーもーとお祓いして下さった。後頭部に花柄パンツを背負って。
「なんか慌てちゃって。全部取っ払えばいいのにあたしったら‥‥」と悔やむ母に、
「いいんじゃないおばちゃんのパンツも一緒にお祓いしてもらったと思えば」とフォローしたら
「そうね！でもあんなに大きくて派手なパンツどこで売ってるんでしょ」だって。
神主さんもいろいろ大変なご職業なんですね。