Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年4月号 詩 : 次の配給まで

2020年07月29日 | オピニオン
次の配給まで

オケロ・セジョ作 カクマ難民キャンプより

ゆったりとした時間
足りない時間
争うとき
居場所を探すとき
配給を受けとるとき
そして空腹のとき
問題は時間そのものがないこと

気づいてるだろうか
あの裸足の子
ズボンはボロボロ
本の話ばかりしてる
何も持っていないのに
鉛筆を持ってると言う
鉛筆がないと生きられないって

あの家は空っぽだ
敷かれたズタボロのマットは
異国の土に引き裂かれたまま
片隅にある空袋は
ネズミにがっつり穴を開けられたまま
強い風が音を立てて
屋根を吹き飛ばしたらもうおしまいだぞと脅す

彼女は一人で座っている
両手で頭を抱えて
火の消えたかまどがそっと見守る中
汚れた鍋がひからびている
でも草ぶきの屋根だけは無邪気なものさ
2週間経っただけ
でもあと2週間待つしかない
次の配給まで

彼女の子は日陰に座り
お粥の入った赤いコップを握っている
ごくごく飲み込むべきか
半分残しておくべきか
だって次にお粥を口にするまで
また24時間待つしかないから
次の配給はまだ2週間後だから



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