《これが昨日のメニューです、春の雨を中心にしてなお且つ内容の判りやすい詩を選びました、もちろん解説をしながら》
最初の≪春簾雨窓≫は一般の人にも人気のある頼三樹三郎の七言絶句です
前にも何回も取り上げていますが、「花を落とすの雨は是、花を催すの雨」が眼目で
人は花を散らす雨に憎しみさえ感じるものであるが、その花を咲かせてくれたのも雨
この転句が中心になっている、説明をすると「ふん、ふん」と判って下さっていた
次の「三樹酒亭に遊ぶ」を撰んだのは、最初の作者、頼三樹三郎の生まれた処だから
京都の河原町丸太町を東に行くと三本木通りがある10メートル程北に上がると
西と東に道が分かれる、西三本木と東三本木通りである
この東三本木通りに昔、お茶屋さんが並んでいた、・・・花街だったんですよ
桂小五郎の芸妓”幾松”さんの話は有名ですが、幾松姉さんは祇園でなくて
この三本木の芸妓さんだったのです、桂小五郎も入り浸りだったとか
今はもう無くなってしまいましたが、【大和屋】と言う料理屋さんがありまして
25・6年前のことですこの【大和屋】さんで詩吟の会を行なった事がありました
桂小五郎や勤王の志士たちが出入りしていた旅館で、ナント・・・・・
地下蔵から地下伝いに鴨川への抜け道(逃げ道)がありました、
今はこの【大和屋】さん、姿形もありません残念です
また寄り道をしてしまいました、この「三樹酒亭に遊ぶ」の詩をどうぞ
~ 烟濃やかに 山淡くして 晴沙に映ず
日落ちて春楼 細雨斜めなり
朦朧 三十六峯の寺
箇々の鐘声 緩やかに花を出ず~
山紫水明の墨絵を見ているようで、うっとりしてしまいます
このような風景詩には流れるような節調でなくては・・・譜面を
さて次に桜を詠おうと・・・【九段の桜】を、歌謡曲の《九段の母》を入れて
この歌、昭和14年の作品で私の生まれる4年前になります・・・ちょっと詩を
~① 上野駅から九段まで ② 空をつくよな 大鳥居
かってしらない じれったさ こんな立派な おやしろに
杖をたよりに 一日がかり 神とまつられ もったいなさよ
せがれきたぞや 会いにきた 母は泣けます うれしさに ~
詩吟より歌の方が受けていました・・・
「九段の母」の次はやっぱり私の十八番で「非行少年と母」を久し振りに・・・・
非行少年たちが鑑別所で作った詩集を基本にして松口月城先生が詩を
~非行の少年 獄舎に泣く
無限の悔恨 思い窮まらんと欲す
噫(ああ)吾過やまてり 吾過やまてり
終夜(よもすがら)眠らず 独房の中(うち)
頭(こうべ)を上げては母を思い 枕に伏しても母
慈顔仏の如く 我が瞳に浮かぶ
呼びたくも 呼ぶ事ならん ガラス戸に
息吹きかけて 母と書くなり
海嶽の恩愛 今始めて識る
一輪の寒月 獄窓を照らす~
律詩(八行詩)なので、風邪ひきの状態でちょっと厳しかったです
最後に《小督の局》を民謡?の《峰の嵐か松風か・・・》を入れて・・・・
訪問も三回目になると、手を振って下さる、お婆ちゃんも居て和やかでした
93歳のお爺さんや(めっちゃ元気で80歳ぐらいにしか見えない)
94歳のお婆さんなど、『楽しみに待ってましたよ~』との声も・・・・
次は5月25日にと、約束して来ました、私も楽しみになって来ました
素晴らしい笑顔を頂いて、詩吟名利につきます・・・・有難う御座いました
次回はカメラを持っていって、皆さんに紹介しましょう・・・お楽しみに
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