体感訳 万葉集: 令和に読みたい名歌36 | |
上野 誠 | |
NHK出版 |
体感訳とは
本書がいう「体感訳」とは、直訳を踏まえて作られた作者の心意を重んずる訳のことである。
時として、語彙と文法に忠実に訳しても、その歌の心に到達することができないことがある。
▼体感訳実例ーーーーーーーーーーーーーーーp20
夜に寄する
よしゑやし
恋ひじとすれど
秋風の
寒く吹く夜は
君をしそ思ふ
(巻十の二三〇一)
体感訳ーーーーーー
えぇーい、ままよ!
恋しく思ったりなんかもうしない!
でもね、秋風が
寒く吹く夜だけは……
あなたのことが、恋しくなるの