今日8月11日は,岸惠子さん(88歳)の誕生日
国際派女優として,また作家,ジャーナリストとして活躍し現在も現役を貫いておられる岸惠子さん。年齢を重ねても,活力と美しさを保ちつづけておられます。
2014年(平成26年)には,構想4年の末に書き上げた高齢の男女の恋愛という異色のテーマに踏みこむ小説『わりなき恋』を発表。大きな反響を呼びました。
岸惠子さん-インタビュー
岸 惠子 (きし けいこ)さん略歴
横浜市出身の1933年生まれ。『我が家は楽し』で映画デビュー。『君の名は』『雪国』『おとうと』『怪談』『細雪』『かあちゃん』など名作に出演。ながく映画,テレビの第一線で活躍。40年あまりのパリ暮らしの後,生活拠点を横浜に移しながらフランスとの間を往復しつつ活動。海外での豊富な経験を生かし,作家,ジャーナリストなど多方面で活躍。2011年,フランス共和国政府より芸術文化勲章コマンドールを受勲。『ベラルーシの林檎』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)『風が見ていた』『私のパリ私のフランス』ほか著書多数。
▼書き下ろし『わりなき恋』岸 惠子 著 幻冬社刊
国際的ドキュメンタリー作家と,大企業のエグゼクティブ。
年齢のとびを越えた鮮烈な恋を通し,高らかに謳い上げる人生賛歌。
わりなき恋 (幻冬舎文庫) | |
国際的なドキュメンタリー作家・伊奈笙子、六十九歳。大企業のトップマネジメント・九鬼兼太、五十八歳。偶然、隣り合わせたパリ行きのファーストクラスで、二人がふと交わした「プラハの春」の思い出話。それが身も心も焼き尽くす恋の始まりだった……。成熟した男女の愛と性を鮮烈に描き、大反響を巻き起こした衝撃の恋愛小説。待望の文庫化!
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幻冬舎刊 岸惠子著 650円 |
◆p104
侵入してきた九鬼兼太を受け入れながらも激痛が走った。固く閉じたオブジェの扉は開くことができないでただ裂けたように笙子は感じた。身を反らせながら発した自分の叫び声に自分で傷つき、蒼ざめていった。この世の果てのような暗がりのなかで笙子はもがいた。
ほっそりとした体が慄(おのの)いた。自分では恥じいる枯渇したその姿態にしたたかなエロティシズムが潜むことなど笙子は知る由もなかった。
「ごめんなさい」
九鬼兼太の手が、滑るように背中を這って、襟首をつたい髪の毛に潜った。「ごめんなさい」再びささやく兼太に、笙子は声も出なかった。
「ごめんなさい……でも、ぜったいに離れないで。ぜったいに消えてしまわないで。ぼくにとってあなたがどれほど大切か……」
同年配女性 壮健な著名人(敬称略)
・樋口 恵子:1932年5月4日 (88歳) 評論家。東京家政大学名誉教授。
・寿美花代:1932年2月6日 (87歳)
・岸 惠子:1932年8月11日 (87歳)
・黒柳 徹子:1933年8月9日(86歳) -「死ぬまで初めて!」
・草笛光子:1933年10月22日 (86歳)
・中村メイコ:1934年5月13日(86歳)
◆ 岸惠子さんブログ記事 --
・岸恵子さん(89歳) 8月スペシャルトークショー開催 ~最後の舞台とのこと~ 2022-06-10
・岸恵子さん宅のミモザ ~今年も春を告げてくれたことでしょう~ 2022-05-08
https://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/2f609aba53ad82a4a4ac2efd0bc8bbca
・岸惠子さん - そのドラマチェックな人生 2019-04-06
・岸惠子さんの小説『わりなき恋』-モデルは元デンソー副社長I氏 2019-01-25
・わりなき恋-その3 「主人公と恋仲になるモデルは,トヨタ元取締役」
・わりなき恋-その2 「岸惠子さん-パリ在住四十年」 2017-12-17
・わりなき恋-その1 「驚異的な若さの理由-岸惠子さん-85歳」
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